連載小説
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第11話







メア「ふん……先ほどの鴉よりは楽しめたが、所詮はこの程度か。」
無傷で立っているメアは、ボロボロになり立ってるのがやっとの幽香を見ている。妖怪特有の紅い瞳が、メアを睨んでおり紅く光る。
幽香「まだ…まだよ……!」
再び構え直す幽香。とても戦える状態ではない……
メア「圧倒的な力の差があることを知っていても立ち向かう、その勇気だけは評価してやる。まぁ、その勇気も無謀で終わるだけだがな…」
幽香「うるさい…!あの子に比べれば、アンタなんか…あしもとにもおよばないわ…!!」
今までずっと、守る対象として見てきた…小さくて大きな、白い背中が脳裏に浮かんだ…
メア「これ以上時間を喰うわけにはいかない…悪いが、お前には死んでもらう」
そう言った直後、幽香に急接近し、幽香めがけて義手を振る。
今度こそ終わった…そう思い、目を閉じる幽香、だが、一向に攻撃が当たった感覚がない……

メア「…また、邪魔が入ったな…」
目を開けると…上海人形がメアの攻撃を止めている光景が見える。
アリス「どうやら、なんとか間に合ったみたいね。」
後ろから、アリスの声が聞こえる。その声を聞くと、幽香は少し笑い
幽香「結構遅刻してるわよ、アリス…」
と言った。真剣な表情で、変貌したメアを見てるアリス…

幽香「…どうやら、決心はついたみたいね……」
アリス「えぇ……私が、メアを止める…!」
アリスの周りに複数の人形が現れる。
メア「…血迷ったか?そこの妖怪より劣る貴様が、私を倒せるとでも?」
アリス「勘違いしないで。倒すつもりでいたなら、あなたはとっくに倒れていたわ。」
人形達が、ナイフを持ちメアに向ける。
アリス「でも、私は……本気で行く。あなたを倒してでも、止めてみせる…!」
その発言の後、しばらく睨み合いが続く……お互い動かず、じっと相手を見て…相手がどう動くのか、様子を見てる……。






アリス「………」
メア「…………」

























アリス「…!」
先に動いたのは、アリスだ。上海人形を含め、自分の周辺にいる人形の半分をメアへ突撃させる。残り半分は防御に回すのだろう。
すかさずメアが、体から毒を噴出させて、突撃してきた人形を吹き飛ばす。だが、人形達は再び突撃し

あれは…毒……残念だけど、私の人形たちには通用しない…!

義手の形状を変え、刃のような形になる。人形達の攻撃を防ぎつつ、反撃している。機械以上に正確な反応、まるで後ろにも目があるかのような。

形状が変わった……機能…?それにお腹にあるあれ…なに…?

アリスが腹にある紋章と、形状が変わることに気づき、自分の周りにいる人形達から弾幕を放ち

私がメアと体が入れ替わったときは、あんなのは無かった……。あの義手が変形するのは、多分機能じゃないと思った方がいいわね……だとすると、能力?だとすると、あのマークと何か関係がある…?


メア「考え事とは、随分と余裕だな?」
アリス「…!」
後ろからメアの声が聞こえた。目の前でメアが人形と戦っているはずなのに…
後ろを振り向こうとしたとき、強い衝撃が走り吹き飛ばされる。
アリス「あぁっ!!」
吹き飛ばされた勢いで地面を転がる。今の攻撃で人形の数体が地面に落ちる。
上半身を起こして見てみると、メアが2人いる。片方のメアの膝が大砲の銃口のようになっており、元の義足に戻っていく。先ほどの攻撃は、恐らくそれだろう。

アリス「…なんで、メアが…二人…っ…!」
メア「能力によって創られた力…スペルカードと言ったか?」
片方のメアが光っているカードを手にしている。不気味に目が光っているロボットが数体並んでいる絵柄が描かれている。

メア「製造『殺戮機の工房(キラーファクト)』とでも名付けておくか…」
アリス「くっ……」
立ち上がり、自分のスペルカードを取り出す。
メア「ほう……」
アリス「スペカには…スペカよ…!」
アリスのスペカが光り始める


アリス「魔符『アーティフルサクリファイス』!!」

つづく
17/11/24 22:59更新 / 青猫
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