連載小説
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第10話








人間の里の近く、高い建物に……メアがいた。マスクをしており、マスクから伸びたチューブらしき物が義手の手の甲に繋がっており、毒々しい色の液体が流れている。
メア「まさか、他の奴に気づかれていたとは……予定を変更しよう。」
そう言って、高い場所から飛び降りて、着地する。
メア「ずっと私の中にある何かが、殺せと鳴いている……人間を見ると、それが大きくなる…この里の人間、全員殺す…!」
一歩踏み出そうとした時……何処からか弾幕が飛んでくる。

「残念ですが、先へは行かせませんよ!」
聞き覚えのある声が聞こえた後、目の前に射命丸率いる天狗達が現れる。
射命丸「…急に幽香さんに頼まれたと思ったら…こういうことだったんですね……」
少し悲しそうな目で、変わり果てたメアを見ている。メアは、射命丸達を睨んでいる。
天狗「文さん、すぐに捕らえましょう!」
射命丸「えぇ…ですが、気をつけてください。恐らく彼女も、椿さんと同じ……"存在してはいけない能力"を持ってるはずです。」
メアの腹部にある、奇妙な紋章のような物を見てる。


何の能力を意味してるのか…それを解読する必要がありますね…!

天狗達が、メアに向かって走る。射命丸の近くにいる天狗は、弾幕で応戦する。
メア「……!」
左手から黄緑色の蒸気が出て、左手から弾幕が放たれる。毒々しい色だ……
天狗達が放った弾幕と相殺する…当たった時、弾幕が弾けて蒸気が広がる…。
天狗「はぁっ!!」
天狗達が続けて攻撃を仕掛けるが、メアは左手で簡単に対応している。
射命丸「攻撃を続けなさい!必ず隙は生まれます!」
射命丸も含め、弾幕を放つ。
メア「はぁっ!!」
黄緑の蒸気で、周りの天狗ごと弾幕を弾き飛ばす。
天狗はうまく着地する。
射命丸「少々厄介ですね…ここは攻撃した後を狙うしかない…」
再びだんまくを放とうと構えた時…天狗の何体かが膝をつく。
射命丸「大丈夫ですか!?まさか、今の攻撃でどこか…!」
天狗「いえ……体が…動かない……!」
膝をついた天狗は全員、メアの近くで戦っていた天狗だ…。
…恐らくは、あの黄緑の蒸気を吸った…まさか、あれは毒…!

射命丸「少々どころではありませんでしたね…皆さん、動けなくなった者を安全な場所へ連れて行き、治療してください!」
射命丸が前に出て、構える。
天狗「でも、文さんは…」
射命丸「私は、時間を稼ぎます!!」
メアに接近して、攻撃を仕掛ける。動ける天狗達は、毒で動けなくなった天狗達は運ぶ…


さて…1人になりましたか。逆に、1人の方が冷静に判断できそうですね……せめて、メアさんの能力の正体を暴かねば…!
接近戦が続く…文も隙を見て反撃をするが、簡単に避けられる。向こうは、正確な攻撃…義手で攻撃してくる。

そういえば…弾幕を出す時も、こうやって攻撃する時も…義手でしか攻撃してない…なら!

メア「っ!!」
義手での正拳突きをかわし、義手を破壊する文。
射命丸「しっかり見てましたよ、あなたが先程から義手でしか攻撃してないのを…!これでもう、攻撃はできないでしょう!」
再び急接近し、攻撃を仕掛ける。
次は、義足を壊す…!それで終わり…!!

文が義足目掛けて攻撃しようとした時……先に、文の体を何かが貫く…。
射命丸「…っ!」
腹部に視線を落とすと……先程壊したはずの義手が直っており…刃のような形状になって、突き刺さっていた…

メア「…義手さえ壊せば、勝てるとでも思ったか?考えが浅いな。」
文の腹部から義手を引き抜き、義手に付着した血を払う。文は腹部を押さえながら、膝をつく。
射命丸「…っ……何故…義手が……!…そうでしたか……あなたの能力は…!」
メア「ほぅ、私の能力に気づいたか…だが、今気づいても、もう遅い。ここで、死ぬのだからな…」
刃に変わってる義手を振り上げ、文目掛けて振り下ろす…
だが、振り下ろした刃が…文には当たっておらず、その場にいなかった…


















幽香「なんとか、間に合ったわね…」
幽香が、文を抱えてメアから少し離れた場所に立ってる。
幽香「あれだけたくさんの天狗がいたのに…やっぱ、こういう能力者は本物の化け物ね……にしても、酷い怪我ね。あの子にやられたの?」
射命丸「…いえ……ちょっと、お腹壊しただけです…それより、幽香さん…遅かったですね……何か、あったんですか…」
幽香「ちょっとお腹壊しただけよ。」

文をその場で座らせ、メアの方へ歩く。
幽香「とにかく、もう少しで天狗が来るわ。ここは私に任せて、永遠亭に行くなりお手洗いに行くなりしなさい。」
傘をメアの方へ向ける。

メア「…貴様は、先ほどの奴か……あの天狗に比べれば、楽しませてくれそうだな。」
幽香「あなたこそ、楽しませてくれるんでしょうね?すぐに終わったら、面白くないわ…!」





















アリス「…………」
アリスは1人、暗い部屋の中にいた。
静かに…部屋の中を見渡す。いつからだろう……こんなに静かで、何かが足りないこの感じが…違和感と思うようになったのは


メア「アリス!見てください!なんだかヤバそうなマシーンが出来ました!」


















メア「私は断然、目玉焼きには醤油派です!アリスは何派ですか?」











メア「アリスといれて、本当に嬉しかったんですよ?本当に、ありがとうございます!」









アリス「……」
メアと過ごしてきた……滅茶苦茶で、大変だけど…楽しかった毎日が、思い出される。同時に、ずっと引っかかっていた言葉も…思い出した。

















幽香「一時的でも、目を離さないようにするのよ。あーいう子は、すぐどこかに行っちゃうんだから」

咲夜「…アリス、あなたにもきっとわかる日が来るわ…」




アリス「…」
アリスは、部屋から飛び出して、ある場所へ走る。

今ならわかる……今なら…!


つづく
17/07/31 23:51更新 / 青猫
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