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優「京也、桜井さん!」
二人がこちらに走ってきていて、二人が無事とわかると安心したような表情を浮かべる優。京也と遥は、優の元へ
遥「無事でよかった、相川君…」
優「うん、なんとかね…二人も無事でよかったよ」
京也「何言ってんだ、無敵の俺様が死ぬわけないだろ?」
京也はわかりやすく強がってる。おそらく、人が死ぬ光景を目の当たりにしたのだろう……
遥「相川君、その人は…?」
遥は加奈子の方を向く。
優「えっと、宮田さんだよ。僕等と学年が一緒の…」
京也「…宮田?もしかして、あの宮田加奈子か!?」
優「うん、まぁ…」
名字と学年のことしか言ってないのに、相手のフルネームがわかって驚きながら言う京也。ちなみに、加奈子は学校1の不良と噂されているが、姿は誰も見たことないと言われている……僕は何度か見かけたことがあるから知っていた
京也「まさか、あの伝説の宮田とはな……」
加奈子「なんだい、伝説って……まぁいいや…そんなことより、アンタ等。追いかけてきた奴は、猿っていう奴以外にいた?」
加奈子が、追いかけてきた奴等のことについて聞く。加奈子は猿しか知らないため、一応聞く
優「えっと、僕はさっき猿と遭遇したね…あと、最初に麒麟っていう奴にも遭遇したよ」
京也「麒麟は知ってるが、猿なんてのもいるのか?」
加奈子「あぁ…殺し方も教えて。覚えてる範囲でいい…ちなみに、猿は電気ショックだ。掴まれたらその場で黒焦げ」
加奈子が猿についての情報を言う
遥「えっと、私は麒麟しか遭遇してないな……麒麟は、捕まえた人をバラバラに……」
少し話しにくそうに話している。正直、人が死ぬ光景をなんて思い出したくない………
加奈子「麒麟は切断ってわけね…」
京也「俺は麒麟と、狼って奴に遭遇したな……何が起こったかは知らねーけど、一緒に隠れてた孝太が…液体になってた……」
加奈子「狼は熱で溶かせるってことか……なるほど…」
「みんな〜!」
誰かが、こちらへ走ってきている。
遥「あ、倉本先生!」
そう、高等部の保健の先生「倉本七瀬」だ。七瀬が四人のところまで走ってくる
京也「先生も無事だったんだな!」
七瀬「えぇ…でも、どうなってるのかしら…この状況がさっぱりわからないわ〜…」
七瀬はこの状況がわかってない。優が、この状況について説明する
七瀬「なるほど、そんなことが……高等部以外に、中等部や小等部でも同じことが起こってたわ」
加奈子「中等部と小等部も?」
優「今現在、何人の生徒が残ってるかわかりますか?」
七瀬「…小等部は全滅、中等部は半分以下…高等部は、半分以上の生徒はいるって聞いたわ…」
少しうつ向いて話す七瀬。
遥「そんな…小等部が全滅って………」
加奈子「無理もない。あたし等でもこの有り様なんだから……にしても、よく生きてたね。」
七瀬の方を向いて話す加奈子。
七瀬「まぁね〜…私も…その、麒麟っていう人に遭遇したのよ?でも…」
その先を話そうとしたとき、校内放送が始まる
「学園内で生存している生徒並びに教員の方々!今すぐ第一体育館に集まってください!繰り返します、学園内で生存している生徒並びに教員の方々!今すぐ第一体育館に集まってください!」
校内放送が終わる。今放送していたのは、おそらく生徒会長だろう……
京也「体育館か…行ってみようぜ、このまま何もしないのもあれだしよ」
加奈子「あぁ、そうだね」
優達は、第一体育館へ向かった
第一体育館に着くと、中等部と高等部の生徒、教員が集まっていた。ステージには生徒会長が立っている
優「よかった…まだたくさん生き残ってる……」
遥「そうね……でも、まだ後6日も…」
加奈子「やめろ。今からマイナス思考になるな…」
優達は、バラバラに座ってるみんなの中に紛れて座り込む。だけど、七瀬だけは立ったままキョロキョロと周りを見てる
京也「先生?なにやってんだよ?」
七瀬「…あ、いたわ!祐ちゃ〜ん!」
そう言いながらある生徒の方へ走る。その生徒は…今朝、優にぶつかった飛び級の生徒だ。
七瀬「祐ちゃん、無事だったのね!」
祐也「ちょ、やめろよ…」
京也「…は?え?先生…ソイツとどういう関係?」
流石に驚いてる優達。七瀬が優達の方へ向く
七瀬「この子は私の弟なのよ〜。「倉本祐也」っていう名前で、飛び級してるのよ?ほら、祐ちゃんも挨拶して?」
祐也「いいよ、そんなの……」
加奈子「意外だね……いやでも、よく見たら似てるね…」
優「確かに……」
楓「いいですか皆さんお落ち着いて聞いてください!」
生徒会長の「三原楓」が、皆に呼び掛けている。
楓「あの黒板に書いていた通り、この状況が6日続くと思われます!でしたら、奴等が入ってこられないように、この体育館の出入口を塞いで6日間乗りきりましょう!」
「おぉ…それならいけるかも…!」
「やろう!いけるよこれ!」
生徒や教員が、生徒会長の案に乗っかったようだ
京也「いいかもな…いけるぜ、これ!」
七瀬「じゃあ、工芸室とかで材料をとってきましょう!」
そうして、僕等は工芸室やいろんな教室から、使えそうな物を体育館は運んだ。
祐也「……」
祐也が野球部の部室から取ってきたと思われる金属バットを持ってる。
京也「おいおい、そんなのでドアを防げないだろ?」
祐也「バカか、お前。これは武器として使うんだ…敷地内にある物は使ってもいいって書いてあったしね」
京也「お、おう……コイツ、結構賢いな?」
近くにいる優にコソコソと話す。優は苦笑している
加奈子「アンタ等、これ運ぶの手伝って」
加奈子がある方向を指差す。そこにはたくさん袋が………
遥「えっと、これは何なの?」
加奈子「弁当だったよ。結構量のあるね……おそらく、今生きてる人数分はあると思うよ」
優「ということは、このゲームの主催者……みたいな人が用意したのかな」
加奈子「おそらく、そうだろうね……」
京也「でもよ、このゲームは俺達を殺すことを目的なら…弁当なんて用意する必要なんてないだろ?」
確かに、言えてる……このゲームはどう考えても、僕等を殺すことが目的としているように思える……
加奈子「あくまで"ゲーム"なんだろうね。餓死以外で、アイツ等から1週間逃げ切れるか…それを見たいんだろ」
遥「イカれてる…この状況……」
少しうつ向く遥。それは、優達も思っている……
加奈子「とりあえず、この弁当を運ぶよ。これ食って、早いとこ準備しないと」
優「うん、そうだね…」
僕等は弁当を運び、みんなで弁当を食べた。そして夜遅くまで、明日の"ゲーム"に生き残るための、準備をした
つづく
15/02/22 13:01更新 / 青猫