Page.13『インターミッション#1〜セイレン〜』 2004年11月16日更新 |
こっちもいいな〜うーん こっちも捨てがたい… やっぱり、葉月の学校の制服がお気に入りなんだよね〜 あれ?お客さん はじめまして、僕はこの図書館のアシスタントのバイトしてる アーヤって言うんだ まー本当は僕の方がリリスより偉いんだけど… まー趣味と実益を兼ねてって感じかな 一応リリスには、僕の下部(しもべ)のケンちゃんを お供につけてるんだけど… あんまり役に立ってないみたいだね え?お前だれだよって 酷いな〜葉月の日記にも出てたでしょ そう、女装して葉月の通う学校に通ってた …あれ?? 葉月のやつ僕の事書いて無いじゃないか〜 あんなに色々してあげたのに…しくしく まーそんなこんなで 此処では本の世界の重要な人物の閑話 それぞれのお話をしようと思うんだ 今回はセイレンのお話 セイレンはリリスが生み出して、そのまま忘れてしまった妖魔なんだけど どーやら、リリスへの憎しみからか 本来の記憶を失ってしまってるみたいなんだ まー彼女の事だから、ドジやって記憶喪失にでもなってるんだろうけど そんなセイレンは失った記憶と、リリスへの復讐の為 孤島の世界のミルカ姫を利用して何か企んでたみたいなんだけど、 それも見事に葉月に陰謀を暴かれ追い出される事に… -----------狭間の世界 「くそーーーあの忌々しい小娘!! リリスだけなら騙せたものを!! キーーーーー悔しいぃーーーー」 孤島の世界から追い出され行き場を失ったセイレンは 狭間の世界へと漂流していた。 「…て言うか、切符使ってるのになんでこんな 狭間の世界に飛ばされないといけないのよ!! これも全部リリスのせいだわ!!」 狭間の世界に来てもある意味マイペースなセイレンなのだが 「困ってるみたいだね 助けてあげようか?」 突然セイレンの目の前にメイド服を着た少年が現れる 「…て言うか、あんた誰!?」 「あははは…えーと」 「あたしに何の用? 小娘にバカにされ、あまつさえリリスへの復讐に 失敗したあたしを笑いに来たの!! 笑いに来たって言うの!!!」 セイレンは凄い剣幕で少年を怒鳴りつける 「まぁまぁ抑えて抑えて どーどー」 「ハァハァ で、あたしに何の用よ」 少年を睨みつけ威嚇するセイレン 「えーと、その切符なんだけど〜 期限が切れてるんだよね」 「期限ですって? ・・・あ」 手にした切符の有効期限を確認するセイレンだが 見事にその期限は過ぎていた。 此処で言う切符と言うのは、本の世界を移動する為の 一種のゲートパスの様な物である。 人間がその寿命と引き換えに3枚だけ手にする事が出来る? と言われる、凄く貴重なものであった。 分かりやすい話、寿命と引き換えに違う可能性の世界に 行く事が出来ると言うか… 「…これも、これも、これも 全部期限切れてるじゃないのーーーー キィーーーーーーーー あんた!どーしてくれるのよ!」 行き成り逆ギレしたセイレンは少年に八つ当たりする。 「あわわわわ やめて下さいよーーー」 「ハァハァ ところであんた、なんでこんな所に居るのよ?あん?」 少年を睨みつけるセイレンだが 「あははは・・・ まーそれは良いとして 実はこんな物が」 少年はポケットから1枚の特別チケットを出す 「!!て、あんたそれ切符じゃない!! よこしなさいよ!!」 少年の持つチケットを奪おうと襲い掛かるセイレン その姿はまるで獣(けだもの)の様だ… 「あげても良いけど これは特別チケットだから、行く場所決まってるよ」 襲い掛かるセイレンをひょいと交わし 涼しい顔の少年 「此処じゃなきゃ何処でもいいわよ!! さっさとよこしなさい!!」 「まーその前に キミは何か大切な事忘れてないかい?」 少年はセイレンに問い掛ける 「何よ!早くよこしなさいよ!ガルルル」 「… 僕ら『キャスト』は、世界においてその役割を 義務付けられている」 「キャスト?…あんた何者!?」 「僕は”道化”… そしてキミは葉月達を付け狙う”悪役”」 「あたしに悪役を演じろって言うの!! あんた一体!!」 「と言う訳で じゃあ、これ」 チケットを渡す少年 「やったわ!! …ってコレ何よ?? アルカディア行き?? アルカディア…聞いた事ないわね… …???って!!行き成りーーーー あ〜〜〜れ〜〜〜〜」 チケットにより開いたゲートに吸い込まれるセイレン 「クスクス これで少しは葉月の旅が面白くなりそうだね はてさて、葉月とガルガンチュア どっちが先にイヴに辿り着くのやら クスクスクス」 メイド服を着た少年 いや、アーヤは狭間の世界で怪しい笑をあげるのだった -----------アルカディア アーヤから貰ったチケットでアルカディアにやって来たセイレンだったが 「何此処?? 断崖絶壁の山に囲まれた浮島?? 多分この薄くらい太陽の無い世界がこの本の世界なのね しかし…外には向日葵の畑に教会 中央の城は明らかに建造理念を疑う様式… 多分、誰かの想像によって創造された世界ね…此処は まぁいいわ さっさと人間とっ捕まえて、誘惑して その寿命を切符に代えてこんな所とはおさらば… ??何あれ??」 セイレンが目にしたのは、向日葵畑の真ん中で 踊りを踊る男であった。 そう、彼はガルガンチュア このアルカディアの創造主である。 「何あのバカそうな男は…まぁいいわ あの男を誘惑して… なっ!!」 セイレンの目に飛び込んだのは、イヴの幻影であった 「この男!!まさか 間違いないわ あのイヴに魅了された存在 チッ これじゃ切符が作れないじゃないの」 そうなのだ、イヴのソーマを浴びた存在は その寿命が永遠となり、切符を必要とせず 他の世界へと移動する力を得るのである。 ともあれ、セイレンがこんな目にあったのも 実は孤島の世界に人間は住んでおらず、やっと来たと思った人間は よりにもよって、リリスとイヴのソーマを浴びた葉月であった。 それが新しい切符を入手出来なかった原因であった。 「待てよ…この男に取り入れば あるいは…クククク あのバカ女と、葉月に一泡吹かせてやれるかもしれないわ」 セイレンは一転し、ガルガンチュアに取り入る作戦を企てた。 「あ〜ジルよ〜今日もキミは美しい ジル、キミこそ私の太陽だ〜天使だ〜女神だ〜〜 …ジル??」 ジル(イヴの幻影)と踊りを踊っていたガルであったが 「誰だ!私の楽しみの邪魔をする奴は!! ジルは恥ずかしがりやなんだ! 私以外の人間の前では…」 振り返り怒鳴るガルだったが その目の前に立つ美しい女性に目を奪われる 「貴方は」 「私は妖魔セイレン 貴方様の召喚により参りました イヴをお探しのようで…」 セイレンはその持ち前の美貌を生かし 見事にガルガンチュアに近づいた 「!!これはこれは なんと美しいお方だ それに今、イヴと?」 「えぇ、イヴ探しに力をお貸しいたしますわ」 「ハハハハハハ 妖魔セイレン 二人で見事イヴを見つけ出しましょ〜」 再び踊り出すガルガンチュア 「でゅわでゅわ〜〜〜」 「…やっぱり、止めようかしら(汗)」 その踊りに呆れるセイレンであった。 てな具合で、見事ガルガンチュアに取り入ったセイレンなんだけど ガルガンチュアも、セイレンも詰めが甘いからなぁ〜 とは言え、これで葉月の旅が少し面白くなりそうなんだよね フフフ 次の旅が楽しみだなぁ〜〜 えーと、次の本は あーと、これだこれ NEXTpage⇒原始時代の世界編 |