Page.11『ぺりぺり〜推理の絆〜』
エピソード孤島の世界・中編:セイレン
2004年11月01日更新


葉月達が孤島に来て数日が過ぎていた
ミルカは葉月を本当の姉の様に慕い
ラスカレスも葉月にべったりの様子だった。

葉月は夕方になると海岸に面した岩場で
ミルカに自分の世界の話を聞かせてあげていた。
傍らにはラスカレスが、すやすやと眠っている
その風景はまるで親子の様にも見えた。

「確かに男ってどーしょも無い生き物だけど
 中には何て言うのかな…良い人も居たりするから」
「でも、ミルカ男の人に会ってみたいのー」
「そうだね、ミルカなら
 きっと良い人と出会えるよ
 そんな予感がする」
「葉月〜スヤスヤ」
「ミルカ?
 フフフまた眠っちゃったんだね
 ラスカレス、またミルカお願いね」
「ガウ(了解)」
ラスカレスはゆっくりとミルカを背中に乗せ王宮へ向った。

ボクは知っている
この海の向こうにミルカの求める未来が待っている
だからボクはミルカに未来を見せたいんだ
だから、必ずミルカを救ってみせる
それが…初美がボクに残した絆だから

葉月はこの数日間、ミルカのペリペリの謎を明かす為
様々な推理をしていた。
葉月の持つ刀にある一定量の力(ソーマ)を溜め込む事で
世界その物を斬る力がある事
それは物理的に言えばぺりぺりに酷似した現象である事
同時に、ぺりぺりが持つ世界への干渉がいかに強大であるかを知る事にもなった。
恐らくリリスならば、その答えを知っているであろう事
でも、葉月は自分がこの謎を明かさなければいけないと言う使命
同時にそれが初美へ続く道である事を…


「東葉月…あなたにミルカさまは渡さない
 そう、ミルカさまの魔力はこの私の物なのだから」
葉月を物陰から見つめるセイレン
その表情は険しかった。


「ねぇ葉月〜今日は一緒に寝てもいいでしょ〜」
夜、葉月の寝室に毎日来るリリスだったが
葉月は邪見にして相手にしない
「五月蝿い、今忙しいからあっち行ってろ」
「酷い〜〜葉月〜〜こんなに愛してるのに〜」
「・・・ああ、ボクも愛してるよ(棒読み)」
「葉月?今なんと」
「…ボクの事好きなら、ボクの邪魔しないよね」
「うん、葉月〜〜がんばって〜〜
 何してるのか〜よく分からないけど〜〜〜」
リリスは葉月の言葉に簡単に騙され部屋をうきうき気分で去る
「まったく、扱い易いヤツだよリリスは」

そんな時だった
コンコン
「ん?誰?」
葉月は少し違和感を感じた
ミルカやラスカレスはノック無しで入ってくる
当然リリスもノックなどしてこない
葉月は恐らくセイレンだと思い、少し警戒をした。
そうなのだ、葉月はセイレンに何かを感じていたのだ…
「今日はミルカさまは来てない様ね」
「あぁミルカなら、部屋でラスカレスと寝てるよ
 誰かさんの睡眠薬入り紅茶を飲んだお陰でね」
葉月は挑発的にセイレンに食って掛かった。
「あら、流石ね気づいてたなんて」
「今、リリスを追っ払った所なんだ
 これで、ゆっくり話せるねセイレン」
葉月は不敵な笑みを浮かべる
「…(東葉月、侮れない女)
 そうね、せっかくだから紅茶でもしない
 当然睡眠薬なんて無粋な物無しのね」
「あぁご馳走になるよ」
二人は王宮の食堂へ向った。

「葉月、貴方が来てからペリペリの回数が減ったわ
 貴方は気づいてないだろうけど」
紅茶を飲みながらセイレンは葉月に言った
「…あれは、恐らくミルカの精神と何かしら干渉してるんだ。
 ミルカの情緒不安定がある程度引き金になるんだろう」
葉月も紅茶をすすりながら、淡々と話す
「…流石ね、まさかそんな秘密があったなんて」
葉月の行動を待つかのようにセイレンが語る
それに対して葉月は…
「ふっ、知っててほっておいた
 って言う風にしか見えないけどね、セイレンはさ
 …
 まぁいいや
 ところで、セイレンは8年前から来たって言ってたよね
 それは、何処から来たのかなぁ?」
葉月は分かった様な表情でセイレンを見つめる

「…大陸でしがない歌姫をしてたのよ
 船が難破してね…気が付いたら此処に着いてたのよ」
「漂流したって訳だ
 まぁいいや、そう言う事にしておこう
 じゃ、セイレン、紅茶ご馳走さん
 今日は、いい夢が見られそうだ」
葉月はカップを置くと、セイレンを後にした

「東葉月、何処まで掴んでるの?」






「んくっ…はぁはぁ初美…くっ」
皆がクスリで眠ってるのをいい事に、オナニーに励む葉月
5度目の絶頂を向え、放心状態となる…

シャワーへ向う為全裸になる葉月だが
「最近してなかったから、気持ちよかったな…
 …ラスカレス今日は来ないのかなぁ…
 したいな…また」
葉月が全裸でシャワーを浴びようとした時だった
ガガガガガ
「!!!ぺりぺり?ミルカ」
葉月はバスタオルを一枚取ると、刀を片手にミルカの元へ走り出す

「ミルカーーーー
 なんだ!」
葉月の足元を空間断裂が襲う
「ちっ!!」
葉月の回りが次々に断裂を起し、葉月の足元以外が全て裂かれる
「マテ…なんだ、なんでこんな
 !!しまった!!」
葉月の足元の空間も裂け始めた時だった
「ガルルルーーーー」
ラスカレスが間一髪、葉月を救い出す
「ラスカレス!ミルカは!」
「ガルルル」
葉月の言葉に頷き、葉月を乗せミルカの元へ急ぐ

ミルカの元へ着く頃にはぺりぺりは治まっていた。
しかし葉月がミルカのベットを覗くと、
何事も無かった様にミルカは眠っていた…
「ミルカ…気づいてないのか?」
「ガルルル」
ラスカレスは、葉月に甘え出す
「あっコラ、ラスカレスダメだよ
 いやん」
葉月はラスカレスにバスタオルを剥がされると
恥ずかしそうに床に座り込む…
「ガルルル」
ラスカレスが葉月の胸を、太ももを舐め始める
葉月もその気になり、再び手が股間に伸びる
「いいよ、ラスカレス今日は最後まで」
その時だった
「葉月?ラスカレス?夫婦ごっこしてるなの?」
「ゲ!ミルカ…
 いや、これはその…えーと
 そう、アメリカのスキンシップだよ!!」
葉月はあわてて誤魔化した
「アメリカ?それは何なの?」
「え…あ、えーと、アメリカって言うのは…
 うん、今日はアメリカの話をしてあげるよ」
葉月は優しい目でミルカを見つめ
その夜は、葉月とミルカ、ラスカレスは一つの布団で一時を過ごすのであった…



その日葉月は初美、いやおばあさんの部屋を探索していた
「ん?」
葉月は何かに気づいたらしく、机の小物を手に取り
それを本棚の隙間に入れた…
すると本棚の一角が動き出し、1冊の本
いや、日記が出てきた。
葉月はそれこそが、この謎を解き明かす鍵になると思い
食い入るように読み出した…






部屋に籠もり日記を読みふける葉月
既に刻は夕方を迎えていた。
葉月は何度目か読み終えると、日記を机に置き
ベットに大の字にねっ転がる
天井を見つめ物思いに耽る
その日記にはミルカの事ばかり書いていた
そう、初美の、いやおばあさんのミルカへの愛が詰まっていたのだ。
葉月は昔の事を思い出した。
初美の部屋に忍び込み、初美の日記をこっそり読んだ時の事を
初美の日記には、葉月の事ばかりが書いてあった
初美の葉月の愛が詰まっていた。
それを読んだ葉月は涙が止まらなかった…
葉月は今でも目を瞑ると、初美の言葉が脳裏に浮かぶ
葉月は初美を見て育って来たのだ
葉月の初美に会いたい気持ちが
葉月の目に涙を浮かべさせた…
「初美…」

「お姉さんの事、思い出してたの?」
こっそり葉月の部屋に入り込んでたリリスが囁きかける
「リリス!お前
 ボクは…ボクは」
涙が止まらない葉月
その時何故リリスに泣きつき甘え出したのか分からなかった…
「初美…うぅ
 お姉ちゃん」
葉月はリリスの胸に泣きつきながら、何度も初美の名を呼んだ
リリスは何も語らず、ただひたすらに甘える葉月の頭を撫でてあげた
同時にリリスも、妹を思い出していたのである
そう、イヴの事を…

葉月とリリスは何事も無かった様に夕食を皆と過ごす。
「葉月〜今日は寂しかったなの〜
 明日はいっぱい遊んで欲しいの〜」
ミルカは葉月に甘え出す
すると葉月は、コクリと頷き甘えるミルカを撫でてあげた。
それを優しそうに見つめるリリスは、ちょっぴりお姉さん気分であった。

「そうだ、セイレン話があるんだ
 ちょっと付き合ってもらえないかな?」
葉月はセイレンに言う
「…えぇ、私も話があった所だから」
見つめ合う二人
ミルカ達は、その二人の気迫に入り込む余地がなかった…
「葉月…あなた」
心配そうなリリス…




「で、話って何?」
セイレンと葉月は二人で夜の海岸へと来ていた
「分かったんだよ、全てがね
 これを見てみな」
葉月は、セイレンにおばあさんの日記を渡す
「何?こ・・・これは」
「そう、10年前にこの世を去ったミルカの教育係りの日記さ」
「何処こんなものが…
 で、これが何だって言うの?」


「セイレン、キミは8年前に漂流して来たと言ったね
 そして、その時はもうミルカの成長は止まっていたと…

 ここにミルカの成長の記録を辿った写真がある
 彼女、そう教育係りのおばあさんが写したものだ
 そしてセイレン、キミが抹消出来なかったミルカの過去でもある」
葉月は淡々と話すが、その目には確信があった

「ミルカのおばあさんが亡くなったのは10年前
 少なくとも、その時までミルカは成長していた
 いや、その後も成長はしていたんだよ
 これが最後におばあさんが写したミルカの写真
 この時の年齢は恐らく6歳前後だろう
 だが、少なくとも今のミルカは8歳前後
 
 ここに一冊の航海日誌がある
 ボクが此処に来る前に、この島に興味を持つきっかけになった本だ
 ここにはこう書いてある
 ××年、そう今から約30年前だ
 不思議な島に辿り着いた
 そこには一人の少女と、白い虎が住んでいた
 大きな城があり、少女と虎はそこに住んでいた
 他に住人は居ない
 この小さな子が、今までどうやって生きて来たか不思議だった
 白い虎は人間の言葉が分かるようである
 私は少女を大陸へ連れて行こうと思った
 だが、船を漕ぎ出しても一行に大陸へは辿り着けない
 数週間の時間が経った
 すでに食料は底をついてきた
 島が見えてきた
 私は食料を求め、その島に向った
 だが、その島は少女の住む島であった
 再び食料を蓄え少女を乗せ、私は大陸へ向う…
 だが、大陸へは辿り着けない
 そしてまた、私の目の前にはあの島が現れる
 私は、少女を置いて、大陸へ今度は一人で向った
 数日で大陸へ着いた…
 私は大きな漁船に頼み、少女を迎えに向った
 だが、島へ辿りつく事は出気無かった
 あれは幻だと、思う様になった
 だが、もっと驚いたのは
 私があの島に辿り着き、何ヶ月しか過ごして居ない
 だが、帰って来た大陸では既に2年の歳月が流れていた
 私はあの島に名をつけた
 時の止まった島…と
 ここに1枚の写真を残そう、少女と白い虎の写真を…


 この写真に写っているミルカの年齢
 成長的には恐らく今から1年くらい前の写真だろう
 
 この島は恐らく、イヴの力か何かで空間が歪められ
 時間の流れが外の世界とは極端に遅くなっているのだと思う
 あるいは、1つの世界に16年間しか存在し続けることの出来無いイヴの
 この世界に少しでも長く居たい…と言う意志がそれをしたのかもしれない
 まー分からないけどね

 ただ、一つ言える事がある、セイレンが此処に来て8年
 この島の時間の遅さを考えるなら
 外の世界の時間が30年しか経ってないのは明らかにおかしい
 いや、セイレンが8年前に来たって事自体おかしな事になる
 もしセイレンが外の世界から、この島の8年前に来たのなら
 外の世界は、もっととんでもない時間が過ぎてる筈だ
 イヴが消え、この島の時間が正常になって来た?とも考えられるが
 じゃ、ミルカの成長があまりにも遅すぎる
 セイレン、キミは知らないかもしれないが
 ミルカは自分の身長を彫ってる柱があるんだよ
 その柱は、丁度8年前からミルカの成長が止まったと示してる
 いや、8年前からこの島の時間が止まったのさ
 そう、セイレン、キミがミルカの前に現れてからね
 ボクは一つの仮説を立てた
 ミルカのぺりぺりを引き起こした原因
 それはセイレン、キミにあるんじゃないかと」

葉月と、セイレンの間に緊張が走る

「そんなもの、貴方の推測に過ぎないじゃない
 その日誌だって本当かどーか」
セイレンは葉月の言葉を簡単に否定するが
「面白い事が分かったんだ
 ペリペリが起ってる最中、全ての時間は止まるって
 いや、あれは空間断裂現象であり、世界が裂けてるんじゃないんだ
 そして、異世界から来た者は恐らく
 その干渉を受けない…
 そう、ボクとリリスがそうであるようにね
 おかしいと思わないかい?
 動植物の時間は止まるのに、ボクらだけ動けるって
 いや、そんな事はどーだっていい
 一番怪しいと思ったのはセイレン、キミがぺりぺりを知ってる事
 恐らくぺりぺりはミルカ以外の人間は、
 その存在すら知らないとおかしいんだ
 だってそうだろ、時間が止まるんだから
 そしてボクは目撃した
 セイレン、キミが裂けた空間に服を挟んでしまった事を」
「ちょっと待ってよ、ラスカレスだって動いてるわよ
 私だけ疑うのって変じゃないの?」
「まだ分かってないんだね
 もし世界的にぺりぺりが起れば、もっと人民はパニックに陥る
 だが、外の世界ではそんな事は全く無い
 いや、ボクらが外で過ごした期間に1度もぺりぺりは起こって居ない
 そう、ぺりぺりはこの島だけに起る現象なんだよ!」
「…」

「面白いモノを見せてあげるよ」
葉月は刀にソーマを込め、セイレン目掛けて居合抜きをする
シャキン
「なっちょっと!危ないわね」
葉月の斬った空間が裂ける
「な…ぺりぺり」
驚くセイレンだが、裂けた空間は直に元に戻った
「さて、これは何でしょう」
葉月が手にしたのは、その抜刀により斬られたセイレンの服の一部であった
「な!!あんた、あたしの服になんて事!」
セイレンは怒り出すが、同時に言葉が止まる
「あんた…まさか」
「そう、空間は裂けたが、何事も無かったかのように元に戻った
 植物や動物でも実験したが、
 どれも空間が裂けた事も知らずになんともなかったよ
 でも、リリスで実験したら見事にリリスの髪の毛は切れたんだ
 同じく、ボクとミルカの髪の毛数本で試したが
 リリス同様、やはり切れてしまった
 そう、ぺりぺり現象が起って動ける存在だって事だよね」
葉月は勝ち誇った表情をセイレンに向けた
「ラスカレスが何故動けたのか、それは分からない
 ただ、30年前の航海日誌にあったが
 ラスカレスは食べ物を一切食べないでも平気らしい…
 まーそれはいいとして
 面白い事を昨日知ったよ
 そう、毎日0時に必ずぺりぺりが起る事
 面白い事実が分かった
 0時を境に、この島の時間は元の時間に戻ってしまうんだ
 だからこの島の食料は一行に減らないし
 ボクが修行で斬った岩も翌日には元通りだ
 何もかも、翌日には元に戻ってる
 おそらく、8年前のその日を永遠に繰り返してるだろうね

 そろそろいいんじゃないのかい?
 ぺりぺりを引き起こした人物
 そう、その人物こそがセイレン!キミだと認めても」

「東葉月…
 あのリリスが一目置く理由がよく分かるわ
 なるほどね…あなたイヴの事に詳しい様だけど
 そうか、ラスカレス同様イヴのソーマを浴びた人間と言う事か
 なら、なおの事生かしておく訳にいかないわね!
 ミルカさまは、私の物なんだから!!」
セイレンの掛け声と共にぺりぺりが起る
「ミルカ??いや違う!セイレンお前か!」
「いでよ!我が僕!悪魔エニアよ!!」
漆黒の翼を持つ少女が、ぺりぺりで裂かれた空間より飛来する
そう、悪魔エニアである
エニアはセイレンの命令で葉月に襲い掛かる
「ちっ!!
 だが、これでセイレンお前の正体が分かった!
 悪いが、この世界から出て行ってもらうよ!!」

葉月とエニアの激しい戦闘が続く…
だが、その時であった
海岸にミルカがふらふらと現れる
「ミルカさま?」

「ミルカ…夢を見たなの
 ミルカのお兄ちゃんがミルカを迎えに来てくれる夢なの
 ミルカ、お兄ちゃんの所に行くなの…」
ミルカはそう呟くと、巨大なぺりぺり現象が辺りを包み出す
「チッ!!こんな時に!みるかーーー」
海が割れ、一筋の道が現れる
ミルカは断裂した海に出来た道を歩き出す
「葉月…ミルカ
 お兄ちゃんの所に行くなの」
「ミルカ…!!
 何時ものペリペリじゃない
 やばい…ミルカ戻って来るんだ!ミルカ!!!」
その時
今までで一番巨大な亀裂が空を裂く
そこから巨大な顔が姿を現す
「な…コゲちび」
裂けた空間から手が伸び、さらに空間を大きく裂く
「まて、止めるんだコゲちび!!!」
葉月の叫びと共に、裂けた空間が閉じる

「葉月…会えて嬉しかったなの」
その時だった、割れた海は元に戻り出し
その波がミルカをさらう
「!!ミルカ!!!!!!」
葉月は刀を捨て、海にダイブする

「ミ・ル・カ…サマ」
悪魔エニアが光と共に海へとダイブする

「ちょっと!あんた
 …ミルカさま
 一体何が起ったの??」
状況が飲み込めないセイレンは立ち尽くす

「どうやら、貴方の企みも此処までの様ね
 妖魔セイレン」

「あんた…リリス」

「ガルルルル!!!」
ラスカレスがセイレンに襲い掛かる

「ちっ!!」
「止めときなさいラスカレス
 この子食べても美味しくないわよ
 それとも…おでこちゃんの時の様に
 その手にかける気?」
リリスがラスカレスを止める…が
「まさか…そうか、あのおばあさんがイヴだったのね
 フフフフ、なら、まだ私にも勝機はあるわ!!」
セイレンは魔法でラスカレスを捕縛し
葉月が持って来たおばあさんの日記を手にした
「イヴの血と、イヴのアイテム
 これさえあれば、リリス!あんたを倒す事も出来るわ
 そう、ミルカなんか居なくたってね!」

「セイレン…あんた」

その時だった、葉月とエニアが海に沈んだミルカを救出し
浜へあがって来たのは…
「ミルカさま!!!」
「早く、手当てを…」
最初にミルカの元へ走り出したのはセイレンであった
「ミルカさま、早くミルカさまを王宮へ!」
セイレンのテキパキとした行動により、ミルカは一命を取り留める…









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