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幻想死神郷






「LifeNote」

このノートに死者の名前を書くと、その対象は甦る。
LifeNoteによって甦った対象は、本来の寿命まで生きることができる。寿命で死んだ者の名前を書いた場合、その者は寿命で死ぬことはない状態で甦る。(つまり、寿命が無限にある状態)


アリス「博麗…霊夢………っと…」
LifeNoteに霊夢の名前を書くアリス。書き終わればペンをペン立てに戻して、LifeNoteをの説明書きがあるページを見る。

アリス「…時間のことまでは書いてないけど…多分、明日になれば生き返る。あの天邪鬼もそうだったから…」
LifeNoteを閉じて、机の引き出しの中にしまう。頬杖をつきながら、窓の外を見てる……

アリス「…魔理沙……喜ぶかな…」
笑みを浮かべながら呟いた…








霊夢が甦った情報はすぐに幻想郷中に広まった。人々は霊夢が甦ったことに喜んだ
魔理沙「霊夢!」
甦った霊夢に飛び付く魔理沙。
魔理沙「よかった…っ……よかったぜぇ……」
泣いて喜んでいる魔理沙を、まだ少し虚ろな霊夢が見る。
その場に紅魔館メンバーもいて、レミリアは咲夜に抱きついて静かに泣いていた。パチュリーもその場にいた…レミリアに誘われたからだ。行かなかったら行かなかったで、不自然になる……だが、キラだとバレてしまう…そう思いながら、その場にいた。

霊夢「…私は……一体…」
まだ少し虚ろな霊夢が、口を開く。魔理沙は赤い顔を上げて霊夢を見る。
魔理沙「覚えてないのか…?」
霊夢はその質問を頷いて答え、また口を開く。
霊夢「…死んだことはわかるわ……けど、何があって死んだかは覚えてないわ……」
その話を聞いたパチュリーは、顔には出してないが安心する。
アリスが霊夢に近づく

アリス「キラに殺されたのよ。霊夢の死因は心臓麻痺…こんなことができるのは、キラしかいないわ。」
霊夢「キラ………思い出せない…けど、キラを追っていたことは覚えてるわ…」
パチュリー「………」
何者かの手によって甦る……けどその代償として、死ぬ前の出来事を忘れるみたいね…命拾いしたわ……にしても、誰が…?犯罪者を甦らせずに霊夢を甦らせたということは、悪意がある者じゃないわね……恐らく正邪を甦らせたのは試しにやった…でもまだ二人、ハッキリとしたことはわからないわ

パチュリーは霊夢を見ながら考えていた…もしこの中に、その甦らせる力を持つ者がいるなら…と。
同様に、アリスも考えていた。もしこの中にキラがいるなら……と

パチュリー(もし私の計画になるようなら…)
アリス(もし、また仲間を殺すなら…)














パチュリー(消す…!)
アリス(絶対に見つけてやる…!)















その夜のこと…

正邪「なんで私は甦ったんだ…?死んだことはわかるけど、なんで死んだかはわからない…」
人目につかない場所で…LifeNoteの効果によって生き返った正邪が考えてる
正邪「だが、まだ下克上ができる…!これは、神がくれたチャンスだ!神も変な奴だな、天邪鬼の私に手を貸すとはな!!あーっはっはっはー!!」
歩いていると、何かが足に当たった。

正邪「ん?なんだこれ?」




つづく
<15/11/03 19:25 青猫>














さとり「……」
地霊殿のある部屋で、最近DeathNoteで死んだと思われる者のリスト…それと、甦った者のリストを見ている。

紫「…甦った者を見る限り、悪意はなさそうね。その、死者を甦らせる人は」
さとり「"ライブ"のことですか?」
紫「ライブ?」
さとりが言った単語を首をかしげて聞く。

霊夢「ライブっていうのは、その甦らせる能力を持つ人のことよ。救命者、life-savingからとって「Live」よ。」
近くまで来た霊夢が、説明する。

紫「ふぅん…」
さとり「…そのライブという者が悪意がないのなら……見つけ出して、取り込みたいですね…」


こいし「…………」
こいしがその様子を、扉の隙間から見ていた。そしてこいしは扉から離れて、その場から離れた


さとり「………」
紫「それにしても……この数日で、人がたくさん殺されてるわね…しかも、罪のない人まで」
死んだ者のリストを見ている紫。ここ数日で、罪のある者…罪のない者が殺されている。罪のない者の方が多いかもしれない。

霊夢「最近のパチュリーの動きは?」
紫「まったくね…動きがないわ。恐らく、第二のキラがいるんじゃないかしら?」
霊夢「DeathNoteを持った人が、他にいるっていうの?」

さとり「…それはあり得ますね。この罪人を殺してるキラは、第一のキラと手を組んでると思われます。そして、罪のない者を殺しているのが「第三のキラ」……恐らく、第一と第二のキラとは手を組んでないでしょうね」
霊夢「三人もいるのね………その第三のキラが厄介ね」
さとり「はい、自分の欲のままに使っていると思われます。…放っておけば、いずれ私達も殺されるでしょうね……」

紫「…わかったわ。藍達にはライブと第三のキラ探しを重点的にやるように伝えておくわ」
紫がそう言うと、さとりは「助かります…」と言った。

















パチュリー「…ねぇ、こいし」
ある場所に集まったパチュリー、小悪魔、こいしの三人。パチュリーがこいしに話しかけ、こいしはパチュリーの方を向く

こいし「なに?」
パチュリー「最近、罪のない者まで殺されてるけど……こいしがやったんじゃないよね?」

こいし「うん、私はちゃんとパチュリーに言われた通りに、罪人だけ殺してるよ」

パチュリー「………」
小悪魔「パチュリー様…もしかして、最近罪のない者まで殺されている事件を…」
もちろん、パチュリー達にもその情報は入ってきている。小悪魔から得た情報だ。

パチュリー「えぇ…恐らくだけど……私達以外にDeathNote所有者がいるかもしれない。」
小悪魔「じゃあ、その所有者が……」
パチュリー「多分ね……」
ちなみに、こいしからライブのことは聞いている。さとり達の会話を盗み聞きしたからだ。

こいし「…これからどうするの?」
パチュリー「…第三のキラ探しよ。なんとか、こちらに引き込めればいいけど……そこからライブ探しに出るわ。」
小悪魔「わかりました!」
こいし「りょ〜かい」
二人とも頷く。パチュリーは、静かにこいしの方を向く

パチュリー「…こいし。あなたはLが誰なのかを知ってるんでしょ?」
キラとして最初に会ったことを思い出す。口ぶりからして、恐らくLのことは知ってると見た。

パチュリー「知ってるなら、教えてくれないかしら?」
こいし「………」
こいしは、静かにサードアイを閉じた。そして、口を開く
こいし「ごめん……まだ、話せないよ…」

パチュリー「…そう。いつでもいいわ、話せる時があるなら」
パチュリーは笑みを浮かべた。だがこいしはパチュリーとは違う方向に向き「じゃあ、行ってくる」と言って、その場を去った。
<15/11/12 22:08 青猫>














こいし「…………」
俯き、とぼとぼと歩いている。こいしは悩んでいた……パチュリーにLが誰かを教えるべきなのかと……教えれば、L……自分の姉を殺すと思う…それを見ない…見たくないから、サードアイを閉じた。できれば、こんな現実からも目を背けたい…
姉を取るか、キラを取るか………どちらも正解とは言えない…

こいし「……どうすればいいんだろ…」

悩み続けるこいし……するとサードアイが、何かを捉えた…


















さとり「……」
紫「…どうしたの?何か、悩んでるような顔をしてるけど…」
さとりの隣に座って、顔を見る紫。さとりは少し俯き気味なまま…

さとり「…ちょっと、こいしのことが気になりまして…」
紫「こいし…あなたの妹のことね」
さとり「はい…最近、ここでの会話を盗み聞きしてるようなので……なにも理由がなくてそういうことをしてるなら、いいのですけど………もし…」
それから少し間を開けて、再び口を開く

さとり「もし…こいしがキラに関係してたら…もしくは、こいしがキラだったら…………考えたくないのですが、こいしのことを思うと、どうしてもそのことが思い浮かんで……」

紫「…………」
紫は、さとりの方にそっと手を置いた
紫「大丈夫よ…あなたの妹はキラなんかじゃないわ、証拠はないけど……あなたの妹を信じなさい。」
さとりは顔をあげた…紫はさとりに向けて優しく笑みを浮かべた。それを見たさとりも、少し笑みを浮かべて

さとり「…ありがとうございます、紫さん。」
お礼を言った後、部屋の扉からノックする音が聞こえた

さとり「どうぞ」
部屋の扉をノックした人物…藍が部屋に入ってくる
紫「どうしたの、藍」
藍「紫様、ライブを見つけたため連れて参りました。」
紫「本当…?」
紫とさとりは、明るい表情になる。藍が部屋の外にいるライブ……アリスを部屋に入れた。












パチュリー「にしても、監視されてなにもできないのは嫌ね……なにか、見られてもわからない方法があれば…」
大図書館で悩んでいるパチュリー。スキマで監視されてからずっと、DeathNoteに名前を書いていない。

パチュリー「…そういえば、DeathNoteってページを切り取っても効果は発揮されるのよね…」
deathNoteのルールを思い出す、確かに名前がはっきりわかるだけの大きさがあれば大丈夫

パチュリー「…こあ。」
大図書館にいる小悪魔を呼ぶ。
小悪魔「はい、どうされましたか?」
パチュリー「ちょっと、今から言うものを準備してちょうだい」
パチュリーが小悪魔に作戦と用意してほしい物を言う。

小悪魔「なるほど…わかりました」
パチュリー「じゃあ、お願いね」
小悪魔が用意しに行こうとした時、大図書館の扉が開く。そこには、こいしがいた

パチュリー「こいし?」
こいしがパチュリーの近くまで歩いてくる。

パチュリー「どうしたの?」

こいし「見つけたよ、第三のキラ」
























正邪「はははははは!!本当にいい拾い物をしたなぁっ!!」
とある場所にて、鬼人正邪が拾った……DeathNoteに名前を書き続けている。罪のある者、罪のない者…関係なく。DeathNoteの色は赤色。いや…正確には、血みたいな色をしていてとても不気味なノートだ。

正邪「これは神からの…いや、死神からの贈り物か?私にこれを贈ったのは大正解だなぁっ!ははははは!!」
正邪は上を見て高笑いする。目の色が違う…恐らく、「死神の目」を手に入れたと思われる。

正邪「さぁ、下克上の始まりだぁっ!!!」






つづく

<15/11/25 17:32 青猫>
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