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幻想死神郷




パチュリー「で……あなた。なんで私がキラだと思うのかしら?」
少し紅茶を飲んだあと、先ほど聞こうと思っていた質問をする。こいしは食べる手を一旦止めて、パチュリーを見る。

こいし「実はね、心を読んだら…パチュリーがキラと思ってたから。スキマ…っていう物で見てたし」
やっぱり……私のことをキラと思っている……Lのところにいたのね。スキマがあることは知ってたから、あのスキマ妖怪も仲間でしょうね

パチュリー「その人は、誰?」
恐らく、こいしが心を読んだ人がL……ここでわかれば、殺せる……この子の様子を見る限り、Lの仲間とは思えないわ

こいし「それは…」



その時、部屋の扉からノックする音が聞こえる。パチュリーは扉を見て「どうぞ」という

小悪魔「失礼します。パチュリー様、私に用があると聞いたので来ました」
こあだ。こあは礼儀正しく礼をして、部屋に入る。だがパチュリーは、覚えがないような顔をしている

パチュリー「…?特に用はないけど……」
小悪魔「え!?でも、あの博麗の巫女が言ってましたよ?」
パチュリー「霊夢が来てたの?………」
この時、何かはわからないが……何か嫌なものが脳を過ったような感じがした…そしてパチュリーは、それが何なのかをすぐに理解した

パチュリー「こあ!霊夢はどこ!?」
小悪魔「え、えっと…大図書館に」
パチュリー「なら、急いで戻るわよ!!」
パチュリーは立ち上がって、焦ったように部屋から出る。小悪魔とこいしはそれに続いて部屋から出た


大図書館に着いたパチュリーは、急いで机に近づいてDeathNoteを探す。
パチュリー「ない…!ない!どこにもない…!!」
机の上にある本をどかして探すが、やはりどこにもない。霊夢に持っていかれたのだろう……少なくとも、霊夢にパチュリーがキラだということがバレているだろう
パチュリー「まずいわ…どうにかして取り戻さないと……」
こいし「…いっそ、殺しちゃう?」
青色のDeathNoteを鞄から出して、コテンと首をかしげて問いかけるこいし。

パチュリー「ダメよ、殺したらDeathNoteがどこにあるかわからなくなる……それに、霊夢は友達よ……」
殺すわけにはいかない……でも、私がキラだということは知ってるはず………一体、どうすれば……
うつ向いて。これからどうするかと考えていたとき……床に落ちている紙が目に入る。何かと思ってその紙を拾って見てみる。

パチュリー「………」
その紙には「博麗神社で待ってるわ」と書いてあった
パチュリー「霊夢……」
その紙を隣で見た小悪魔は、心配そうな顔をしている「どうするんですか…?」とパチュリーに聞く。

パチュリー「…行くしかないわ。どうなるかはわからないけど……ノートも取り返さないといけない…」
パチュリーは大図書館の出口まで行き、扉を開けて「行ってくるわ」と言って大図書館から出る
小悪魔「パチュリー様…!」
その声は、扉がしまる音でかき消された……













博麗神社に着いたパチュリー。賽銭箱の前に立っていた霊夢を見る。
霊夢「……来たわね」
パチュリー「………」
霊夢は、大図書館からとってきたDeathNoteを出す。
霊夢「…これは、大図書館から見つかった物よ…今までの殺人はDeathNoteでやっていたも思っていたけれど、まさか本当にこんなものがあったなんてね…」
DeathNoteを開いて、書いてあることを見る。
霊夢「……今まで死んだ他人や妖怪の名前が書いてあるわね……本物ね」
そう言うと、DeathNoteを閉じた。

霊夢「…ねぇ、なんでこんなことをしたの……?こんな物をどこで見つけたかは知らないけど、なんで人を殺したの?」
パチュリー「…違うわ………私はキラじゃないれ霊夢「」てでもこれは、大図書館で見つかったのよ?
パチュリー「…他の誰かが置いていったっていう可能性もあるでしょ?それに、偽物っていう可能性だってある…」
霊夢「…偽物………」
そう呟くと、霊夢はDeathNoteを開いてペンを持って何かを書き始める
パチュリー「…なにしてるの…霊夢…!?」
霊夢「私の名前を書いて、本物かどうかを確かめるのよ」
霊夢は無表情で、ノートに名前を書いていく。サラサラと、書く音が聞こえる…

パチュリー「霊夢…!?」
サラサラ……
パチュリー「死ぬかもしれないのよ…ねぇ…!?」
サラサラ…
パチュリー「霊夢…!!」
霊夢は、手を止めずに書き続けている。

パチュリー「…っ………!」

サラサラ……















パチュリー「やめてっ!!!」


つづく
<15/10/03 09:38 青猫>



パチュリーが叫んだ時、霊夢の手が止まる。ゆっくり、パチュリーを見る…パチュリーは下を向いていた。

パチュリー「………そのノートは………本物よ……!」
霊夢「…なんでわかるの?偽物かもしれないって言ったのは、パチュリーでしょ」
パチュリー「………」
パチュリーは黙ってしまう。霊夢はDeathNoteを閉じて、顔の高さまで上げる。
霊夢「これが本物とわかるのは、キラだけ……なら、パチュリーがキラなの?」
パチュリー「……………」
霊夢「……もしパチュリーがキラなら…私は償ってほしいと思うわ…」
霊夢がパチュリーに近づく

霊夢「キラは認めない…って、最初に言ったわね。でも、よく考えてみたら…私と一緒かもしれない。平和な幻想郷を作りたい…そう思ったんでしょ?」
パチュリー「…………」
パチュリーは下を向いたまま、黙っている…

霊夢「その方法を、間違えただけよ……だから、今まで奪った命の分まで償ったら……今度は…こんなやり方じゃなくて、別のやり…か……っ!?」
霊夢が急に胸の真ん中を手で押さえる。苦しそうな顔でその場に膝まづき、DeathNoteを落とす。

パチュリー「霊夢…!?」
流石に驚いたが、一瞬で何が起きたかは理解できた。霊夢はその場に倒れて、苦しそうな表情でパチュリーを見る。そして…
























静かに…眠った。2度と起きることはない、永遠の眠りに……
パチュリー「………」
パチュリーは立ち上がって、後ろを見る。そこには、小悪魔と青色のDeathNoteを持ったこいしがいた。
パチュリー「やっぱり、あなただったのね」
こいし「うん。パチュリーが危ないと思ったからね…」
小悪魔「すみません、パチュリー様……パチュリー様が心配で…」
パチュリー「大丈夫よ、二人とも…助かったわ」
パチュリーは笑みを浮かべて二人を見た。
パチュリー「でも、これで私がキラだという疑いが濃くなったわね……」
小悪魔「え…!?」

パチュリー「大丈夫、手はあるわ。恐らくこいしが第二のキラだということはバレてない…そもそも、第二のキラがいることは知られてない。だから、あえて第二のキラがいることを理解させるのよ。」
こいし「なるほどー」
パチュリー「そこでね……」
私は、こいしに作戦を伝えた。



















霊夢が死んだことは、すぐに幻想郷中に広まった。霊夢の葬式には、大勢の人間や妖怪達が集まり、多くの者が涙を流した。
霊夢の墓の前で泣いている魔理沙
魔理沙「霊夢…なんでっ…お前が…っ……」
後ろにいたアリスが、魔理沙の横に座る。
アリス「…キラに殺されたのよ。死因は心臓麻痺…争った形跡も見られないから、あの場で死んだのよ…こんなことができるのは、キラしかいないわ」
魔理沙「…っ…でも…キラは私を助けて…」
アリスは魔理沙の肩を掴んで、こっちを向かせる。アリスは真剣な表情だ

アリス「目を覚まして…!あんなのは偶然よ…キラが殺す対象が、偶然魔理沙の近くにいただけよ…!」
アリスはそれを言うと、立ち上がってどこかへ歩いていく
アリス「絶対許さない…キラ……!!」














パタンッ

アリス「…?」
いきなり何かが落ちてきた。アリスは下を見て、その落ちてきた物を拾う。
アリス「…何これ……?」
拾ったのは…白色のノートだ。裏を見ていたため、表にして表紙を見る。それを見たアリスは、ノートを開いて表紙の裏を見る…

アリス「…!……これが…これが本物なら…!」
アリスはそのノートを閉じて、すぐに家に持って帰った。
家に帰ると机の上にノートを置き、開いてペンを手に取る。

アリス「…まずは、本物かどうか確かめる…!」
アリスはそのノートに、誰かの名前を書いた…



















さとり「………」
さとりは、最近殺された者達の一覧を見ている。
紫「…どうしたの…?」
さとり「いえ…殺されている人は犯罪者ではありますが、なんだか犯罪のレベルが低い人ばかり殺されてると思いまして」
紫「確かに…前まで犯罪のレベルが大きい人ばかり殺されてたわね…」
さとり「もしかすると…第二のキラが…?」

そんなことを話していると、扉が勢いよく開いた。そこには、紫の式の藍がいた。
藍「た、大変です!紫様!」




つづく
<15/10/18 11:56 青猫>





藍「た、大変です!紫様!」
紫「どうしたの、藍?」
勢いよく入ってきた藍を見て問う。藍は息を整えてから、顔をあげる。


藍「た、大変です……き……




































鬼人正邪が、甦りましたぁっ!

さとり「…!!?」
さとりと紫が、その情報に驚きを隠せない様子

紫「それ…本当なの…!?」
藍「はい…!目撃情報があるので…しかも、一件だけではありません…!」
さとり「……鬼人正邪は、最初のDeathNoteの被害者…一度死んだ者が甦ることはあり得ません…一体、何が……」
一番最初に死んだ鬼人正邪のことを考えているさとり。すると紫は

紫「キラに関係あるかはわからないけど、とりあえず見つけて捕獲しないといけないわ…」
藍「わかりました…では、鬼人正邪の捜索に行って参ります」
藍は部屋から出ていった。


紫「キラと関係があるのかしら…」
さとり「そうとは限らないでしょうね」
紫の方を向かず、そのまま話す。
さとり「キラは罪人を裁く…寧ろ罪人を生き返らせるような行動はとりません。なので、関係があるという可能性は低いでしょう。…それより私は、違うことが気になります」
紫「違うこと…?」
さとりは紫の方を向いて、紫に近づく

さとり「…その甦らせることができる力を持つ人が、悪意を持った人かどうか……」



















魔理沙「アリスー!!」
アリス「あら、魔理沙」
空からアリスを探していた魔理沙が、アリスを見つけて着地し、箒から降りる。
魔理沙「聞いたか、あの情報!」
アリス「えぇ…鬼人正邪が甦ったって話でしょ?」
魔理沙「そう、それだぜ!一体何が起こったんだ…」
アリスが今幻想郷で広まっている情報を知っていたようで、話が早いと思い疑問に思ったことを口にする

アリス「…多分だけど、誰かが甦らせる能力を持ったとか…?」
魔理沙「私もそれを思ったけど…あり得るのかと思うぜ。でも、もしそんな能力があるなら……」
魔理沙が空を見上げる。遠くを見るような目で……

魔理沙「…霊夢を…生き返らせてほしいな…」
アリス「……………」
アリスは、静かに魔理沙の様子を見ていた…















ある場所にて…


パチュリー「どういうこと…!?」
その情報……鬼人正邪が甦ったことを知ると、驚きと動揺を隠せないパチュリー。何より、鬼人正邪を殺したのはパチュリーだからだ。
小悪魔「私も、信じられないと思います……けど、実際に見たって言う人が何人もいるらしいんです。」
こいし「…その妖怪ってさ、パチュリーが一番最初に殺した妖怪だよね??」
パチュリー「えぇ…そうよ」
こいし「じゃあ…また殺っちゃう?」
こいしが自分のDeathNoteを鞄から少しチラつかせて見せる。パチュリーはそれを見ると、指でそのDeathNoteを押して鞄に戻す。

パチュリー「今動くべきじゃないわ。情報が少なすぎる……」
小悪魔「…では、どうされますか?」
小悪魔がパチュリーに問いかける。パチュリーは顎近くに手を当てて、少し考える……考えがまとまると、その仕草をやめて小悪魔を見る。

パチュリー「…様子を見ましょう。二人は今まで通りにやってちょうだい」
小悪魔「わかりました…」
こいし「りょーかい」

















アリスの家にて

アリス「…霊夢を生き返らせてほしい…ね」
自分の家に帰ってきているアリスは、椅子に座って机の上にある…先日拾った「ノート」を見ている。
アリスはそのノートを開いて、ペンたてから一本ペンを手にとって芯を出す。ノートの記入するページの一番上には…鬼人正邪と書かれてあった。



アリス「その願い、叶えてあげるわ…

























この"LifeNote"で」


つづく
<15/10/25 21:45 青猫>
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