連載小説
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17
優「…………」
まだ外は暗い……今の時間を見てみると、2時56分…どうやら、5日目に入ったみたいだ…
周りを見てみると、生徒はみんな起きている様子だ。昨日の昼間、あんなことが起こったんだ……寝られるわけがない…
みんなもわかっているだろう…今日を含めての3日間、影達やゲームの首謀者は、僕等を本気で殺しに来るって……そんな不安に押し潰されそうになってる…
実際に僕も、今日のゲームが怖い………


京也「よぉ、優……」
遥「起きてるみたいだね…眠れない…?」
二人が来た。二人の表情は暗かった……恐らく、みんなとなんだろう…

優「うん…二人も眠れないの…?」
京也「まぁな……流石に寝れねーわ………」
二人は優の隣に座った。

遥「……何か、初日を思い出すね……みんなあんまり寝れなくて…」
優「そうだったね………僕もなかなか寝れなかったよ……外に出たりしてさ…落ち着かなかった………」
京也「そうだよな…俺も落ち着かなかった…」
あの日、僕等の平和な日常が崩れた日…………その日のことが、鮮明に思い出される…。
これから1週間、命懸けの鬼ごっこをしないといけない…影に捕まれば殺される……学校の外には出ることはできない…
生徒会長が考えた作戦で、多少は不安が紛れたけど…やっぱり、不安で押し潰されそうな気分だった………
今は……あの時よりも、酷いかもしれない…
宮田さんが影の現在地を教えてくれて、死者は減った……けど、昨日の昼間に起きたようなことが、またあるかもしれない……それに、影達も少し変化していた……
僕は…どうしたらいいんだろ………

京也「…そういえば、欠席者はどうしてんだろうな?」
優「…え?」
京也が突然欠席者のことを話す。

京也「いや、あの日、全員が学校にいた訳じゃないだろ?俺達のクラスも欠席者いたしよ……ソイツ等は、何やってんだろうなって…」
確かに……今までそんなこと考えたことがなかった…。今までは、とにかく影から逃げることに必死で、自分達のことしか考えてなかった

遥「多分学校には、来てないよね……入れないと思うし…」
京也「もしかしたら、普通に暮らしてるかもな……羨ましいぜ…」
優「…いや、そうとも限らないかもしれない……」
京也「どういうことだ?」

二人が不思議そうに僕を見る。僕はうつ向き話し続ける

優「もしかしたら、僕等と同じ…命を懸けた殺人ゲームに参加させられてるのかもしれない…」
京也「は…いや、そんなわけ…」
遥「いや、待って。あり得るかもしれない……この状況が普通じゃないし、もしかしたらあるかも…」
遥さんは考えてる様子で話してる。正直、やってるかどうかはわからない……できれば、そんな事態になってないことを願いたい…

優「………」
ふと時計を見上げる。3時になったみたいだ……
















ピーンポーンパーンポーン






校内放送の音が、学校内に響く…


加奈子「アンタ達、起きてる!?影が現れたよ!!」
焦った様子の加奈子の声が聞こえる
嘘でしょ…?こんな時間に現れるなんて……外はまだ暗いのに……

京也「おい、逃げるぞ!」
教室の電気をつけた京也は、その教室内にいる全員に呼び掛ける。
教室にいるみんなは、急いで教室から出て走った。

加奈子「現在麒麟が第二校舎の二階の廊下、狼は第二校舎と第三校舎の渡り廊下、猿は正門付近!アンタ達、できる限りでいい!学校の電気をつけてくれ!」
野崎「あぁ、わかった!」
全員影から逃げながら学校の電気をつけていく。学校がどんどん明るくなる……



加奈子「…!」
麒麟の近くにいた人全員が、中庭にいる麒麟を見てる。

京也「お、おい……なんか、でかくねーか!?」
麒麟が校舎の半分くらいの大きさになっている。

加奈子「何でだ…さっきまで普通の大きさだったのに…!」

川島「で、でもコイツは、もう校舎に入れないぜ!何ででかくなったかは知らんが、バカだな!ハハハハ!」
麒麟の方を見ながら逃げる川島。すると麒麟が、右手を上げる…

加奈子「…!川島!急いで前の曲がり角を曲がれ!!」
加奈子は、麒麟が何をしようとしてるのかがわかった。焦った様子で川島に指示を出すが、川島は何故そんな指示を出されたかわかってない様子…
川島の背後から、ガラスが割れる音が聞こえる。後ろを見ると…
















麒麟の手が迫ってきている

川島「わあああぁぁぁぁ!!!!」
廊下の窓ガラスが割られながら手はどんどん迫ってきている…川島はそれを見て悲鳴をあげながら、前の曲がり角を目指して全力で走っている

加奈子「川島ァ!!急げ!!!」
もう川島は、曲がり角の近くまで来ていた……が、麒麟の手が川島をスッと通り抜ける…


川島「」
川島は真っ直ぐ、スピードを落としながら走っている…やがては歩き出して………その場にバラバラとなって崩れ落ちた。床には川島の血と肉片が散らばる…



優「…宮田さん…!?」
京也「おい、川島はどうなったんだよ!」

加奈子「…………死んだ…」
加奈子はうつ向いて話していた。それを聞いた全員が、驚いた様子だった…


祐也「優!逃げろ!!」
前から祐也が走ってきていた。祐也の後ろには、猿がいた
僕は祐也と並んで走った。後ろの猿を見ると…やはり走り方が変な上、今まで丸かった体が、人間っぽくなっていた


優「確か3時から始まったから、4時には終わる!もう4時は来てるはず!」
そう言って優は、近くの時計を見た。時刻は…

























4時5分




つづく
15/06/20 14:58更新 / 青猫
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