連載小説
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5
シェリアとトーマは、現在グリモワール魔法学園前にいた。
グリモワール魔法学園とは、主に魔法使い、固有属性を強化させた生徒達が通う学園。この学園に通っている生徒達の魔法は、普通の比ではない。

トーマ「…遂に、始まっちゃうんだね……」
トーマは緊張している様子で、学園を見上げる。
シェリア「まぁ、なんとかなるだろ?早く入ろうぜ〜」
シェリアは至っていつも通りのようで、学園に入っていく。
トーマ「あ、待って…!」
トーマはシェリアを追いかけて、学園の中に入る。

学園に入ると、1人の生徒が立っていた。その生徒が2人を見ると、歩み寄る。
「…ようこそ、グリモワール魔法学園へ…」
無表情で大人しそう…一見NPCと間違えそうだが、プレイヤーステータスが見れるためプレイヤーなのはわかる。
トーマ「えっと、この学園の人…ですよね?」
そう尋ねると、その生徒は静かに頷く。
「…私は『ミント』、この学園の生徒で、科学部所属…」
簡単な自己紹介をするミント。
ミント「案内役を任されている、ついてきて……」
そう言うとミントは、ある場所を目指して歩き出す。2人はミントについて行く…









ミントに連れて来られた場所は…いかにもスタジアムのような場所だ。周りは観客席で、自分の学園と相手の学園の生徒が座っている。スタジアムの真ん中は戦う場所となっており、相手の学園の生徒会長と生徒が1人立っている。
「…よく逃げずにきたね、クローディアの生徒…」
宙に浮いてる…見た目12歳くらいの少年が、シェリア達2人に言う。シェリアはその少年を見ると、トーマに
シェリア「なぁ、高校生だよな?小学生にしか見えないんだけど…」
と。それを聞いた少年は
「誰が小学生だ!!」
と、聞こえていたようでそう言う。

トーマ「あ、えっと…すみません。僕はクローディアの生徒会長の、トーマです。で、こっちがシェリアです。」
トーマが2人に簡単な自己紹介とシェリアの紹介をする。
「僕はこの学園の生徒会長、ユミルだよ。で、こっちがハルナ」
少年…ユミルが自己紹介と一緒に戦う生徒の紹介をする。

トーマ「えっと、よろしくお願いします…」
ユミル「あぁ……とりあえず、話すのはこれくらいにしようか」

そう言った直後、決闘の時に現れるモニターが現れる。
『それでは、学園対抗戦1回戦、「クローディアハイスクール vs グリモワール魔法学園」を開始します。』

モニターに5という数字が現れる。そして、カウントが始まる…
『4…』

シェリア「……」

『3…』

ユミル「…まぁ、せいぜい」

『2…』

『1…』

ユミル「楽しませてくれよ」

『開幕です。』







学園対抗戦が始まり、4人はそれぞれの武器を手に取る。観客席から声が聞こえる…

トーマ「向こうは…ユミルが大剣…ハルナがロッド…ロッドならわかるけど、大剣使いは魔法が使えないはず…」
シェリア「確か、魔法がかなり強いんだよな…なら、使わせなければいいだけさ!!」
シェリアが刃折れの剣を抜いて、ハルナに向かって走る。
ハルナ「…!」
シェリア「『魔装…(エンチャント)』!」
シェリアの剣が炎を纏う…

シェリア「『業炎(ヘルフレア)』!!」
ハルナに剣を振り下ろす……だが、その剣はハルナに届くことはなかった…。
シェリア「…!」
よく見ると…ユミルの大剣によって塞がれていた。当のユミルはハルナから離れていて、大剣だけがハルナのところに…

ユミル「…その程度の攻撃か」
トーマ「何あれ…!大剣が浮いて、シェリアの剣を防いだ…!」
シェリアは一旦離れて、構え直す。
ユミル「…驚いてるようだね……」
大剣がユミルのところまで戻って来て、相変わらず大剣は浮いたままだ。

ユミル「…お前達、「固有魔力」って知ってるかい?」
トーマ「固有魔力…?」
聞きなれない単語だ、少なからずゲームをしてた時には聞かなかった単語…
ユミル「ステータス画面に"magic"っていう項目があっただろ?それが固有魔力だよ。」
シェリア「magic……あ!」
シェリアとトーマは、ゲームの中に入ってから、生徒会室で見た…magicという新たに増えた謎の項目を思い出す。
トーマ「もしかして、それが…!」
ユミル「そう、固有魔力だよ。大剣を浮かせているのが…僕の固有魔力「魔導(ウィザード)」。こういう風に浮かせたり、魔法並みに強力な攻撃が出せる…」
シェリア「…どういうことだ……?」
イマイチわかっていない様子のシェリア。シェリアがトーマに尋ねる。
トーマ「つまり、通常攻撃が魔法と同じくらいの威力の攻撃ができるってこと…」

ユミル「そういうことさ。じゃあ…攻めるよ、ハルナ」
ハルナ「はい!」
ハルナが詠唱を開始して、足元に魔法陣が現れる。詠唱は、魔法の威力が強くなるほど長くなる……。

シェリア「させねぇ!!トーマ、援護を!」
トーマ「う、うん!!」
シェリアを先頭に、ハルナに向かって走る。
ユミル「させないよ、『重鉄剣(グラビティグラディウス)』」
大剣全体が鉄色になり上昇し、シェリア達目掛けて急落下する。
トーマ「!シェリア、危ない!!」
シェリアを後ろに引っ張り、攻撃を何とか回避する…落ちてきた大剣は轟音を立て地面に落下…砂煙を上げて、大剣を中心に地面が広範囲に凹んでいる……
トーマ「なんて威力だ…魔法とほとんど一緒…!!」
ハルナ「『エクスプロード』!!」
ハルナが詠唱が終わったようで、魔法を発動する。
シェリア「しまっ…!!」
今シェリアとトーマは一緒にいる。上空から落ちてきた巨大な火の玉に命中し、爆発する……









シェリア「くそ…!」
流石は魔法に力を入れてるだけはあり、威力はかなりの物…トーマは防御力が高いため、そこまで大きなダメージを負わなかったが…シェリアは剣士、体力の三分の一を失っている…。
ユミル「この調子なら、あの女はすぐに片付くな」
ニヤリと笑い、大剣を2人に向ける。
トーマ「シェリア……」
シェリア「まだ大丈夫だ……いいか、離れて別々に倒そう。オレがハルナを狙う、トーマはユミルを狙ってくれ…!」
トーマ「…うん!」
作戦を伝え終わった後、2人同時に分かれて攻める。
トーマ「はぁぁぁ!!!」
トーマの武器、片手槍でユミルを突く。簡単に避けられるが、連続で突いて攻撃の隙を与えないようにする。
ユミル「なるほどね…」

シェリア「まずお前から片付けてやる!!」
ハルナ「っ!」
シェリアの口撃をかわしながら距離をとる。だが、シェリアは追いかけて口撃を繰り出す。こうすれば、相手は魔法が使えない……
シェリア「攻撃さえ当たれば、後は楽に倒せる……!!」


トーマ「…!シェリア、危ない!!」
シェリア「え…?」
シェリアがトーマの方を向くと、炎を纏った大剣がこちらに飛んできていた……

To be continued
17/03/22 19:07更新 / 青猫
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