連載小説
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炎の纏った大剣は、シェリアの方へ飛んで行く…
シェリア「……!」
トーマの声で大剣に気づき、大剣の方を向くが……避けようにももう間に合わない。

まずい…!もう一発食らったら……体力が3分の1になって、あと1発でも食らえば……!
トーマがフォローをするにも、距離があるため間に合うはずもない。
シェリアまであともう少し…そこまで来た時、シェリアは剣を構えて
シェリア「なんのっ!!」
自分の剣で大剣を防ぐ。直撃は避けられたが、やはり少しダメージは負っている……
ユミル「反射神経は、いい方か…」
トーマ「『投雷槍』!!」
ユミル「おっと」
雷を纏った槍を投げるように突き出す技を繰り出す。ユミルの大剣はシェリアの元にあるため、避ける…だが、少しかすってダメージを受ける。
大剣は一旦自分の方へと戻すユミル。

シェリア「なんて力だ…魔法みたいってのは、確かなことだな…」
ハルナ「『フリーズスピア』!!」
槍のような形状の複数の氷が、ハルナの周辺に出現する。その氷の槍はシェリアに向かって一斉に放たれる。
シェリア「おぉっと!?」
氷の槍を避けつつ後退して、体勢を立て直す。
シェリア「隙があれば、詠唱…骨が折れそうな戦いだな…!」

ユミル「ははは、いいこと教えてやるよ」
トーマの攻撃を大剣で弾きながら、2人に話しかける。
ユミル「固有魔力を修得してるのは、当然僕だけじゃない。この先、勝ち残る奴はほとんど固有魔力を手に入れてる奴等さ。言いたいことがわかるか?」

ユミルはトーマの槍を強く弾き返す。

ユミル「固有魔力を持たないお前達は、ここで終わるってことさ!」
シェリア「…!そんなの、やってみなきゃわかんねーだろ!!」
シェリアはユミルの方に向かって走る。
ユミル「…バカな奴だな」
シェリア「…!」
突然、シェリアの足が止まる……いや、正確には…















シェリア「…!なんだこれ…足が凍って…!?」
そう、ハルナが発動した魔法によって、身動きが取れない状態になる…。
ユミル「ははは!本当に、単純な奴だな…!こうも簡単に引っかかるなんてな!!」
ユミルは炎の纏った大剣をシェリアに向かって放つ。
シェリア「…くっ…!」
当然避けることのできないシェリアは、剣で防ごうとする…だが、威力が先ほどより高いせいで、吹き飛ばされてしまう…


トーマ「シェリアッ!!」
吹き飛ばされたシェリアを見る……体力ゲージは3分の1以下、あともう1発くらえば……シェリアは終わる。
シェリア「大丈夫だ…まだ、体力は残ってる…!」
ユミル「チッ、しぶとい奴だな…」
まだ余裕そうな顔をしてるが…正直、焦っている。スキル攻撃無しでの通常攻撃を受けても、やられる可能性はある……防御はしないことを考えた方がいい。となると、攻撃を1発も当たらず相手を倒す必要がある…ハルナは固有魔力無し、先に1人で倒す…だご、ユミルは固有魔力持ち、トーマ1人は厳しい……

トーマ「シェリア…」
心配そうな顔でこちらを見ている…
シェリア「大丈夫だ、作戦は変えない……このまま行く!」
シェリアは再びハルナの方へ向かう。
ユミル「バカだね…それが通用しなかったのが、まだわからないなんて」
ユミルが大剣に魔力を溜めていく…
トーマ「させない!」
トーマが攻撃を連続で繰り出すが、全てかわされている…



シェリア「はぁっ!!」
ハルナに向かって剣を振り下ろす。ハルナは先ほどまで避けていたが、杖で防ぐ。
シェリア「よし、捕らえた……!このままスキルを発動して…!」
ユミル「"捕らえられた"の間違いじゃないの?」
そう言うとユミルは、光を纏った大剣をシェリアに向ける

ユミル「死んじゃえ…『追跡する光剣(ハンターズライト)』!!」
大剣から放たれた光の刃が、シェリア目掛けて飛んでいく…

シェリア「…!」
光属性…速度はかなりある。避けるなんてことは不可能だ…

…負け……オレは負けるのか……?
オレの実力が足りなかったから… ?






"固有魔力を持たないお前達は、ここで終わるってことさ"



固有魔力…?それがあったら…結果は変わったのか…?
もし、変わる……いや、変えられるなら………
















力が…欲しい…!!





ユミル「ははは!!終わりだぁっ!!!」
光の刃が、シェリアに命中した……

だが






















ユミル「!?」
シェリアに当たったはずの光の刃が……ユミルに命中した。
その場にいた全員が驚愕した…何が起きたのか?シェリアに当たったはずの攻撃がユミルに……それに、シェリアはダメージを受けてない……。
トーマ「今…何が……?」
ユミル「お前……何をした…!!」

シェリアの目の前にメッセージが現れる。




『おめでとうございます、固有魔力【鏡面(ミラージュ)】を修得しました。』

シェリア「固有魔力…!」
やられる寸前で、固有魔力を修得した……恐らく、さっきの現象はシェリアの固有魔力によるものだろう…
ユミル「まさか…固有魔力を…!!」
光を纏った大剣を、シェリアの方へと放つ。
シェリア「………」
シェリアは剣を構える…







シェリア「『反射(リフレクト)』…!」
剣を大剣に当てる。すると、大剣がユミルの方へと飛んでいく…
ユミル「…!?」
大剣はユミルに命中する。威力も上がっており、もう体力が半分も残ってない状態だ…

ユミル「くっ…!」
ハルナ「ユミル!待ってて、いま回復するから!」
トーマ「『飛雷槍』!!」
刃先に雷を集め、強力な一撃を相手に放つ技を繰り出す。
ハルナ「!?」
避ける暇もなく命中する、魔法を使う職のせいか、防御と体力が低いためかなり体力が減ってしまう。

ユミル「くそ…!認めない!こんなの…!!」
シェリアが近くまで走ってきてることに気づいてないユミル。シェリアは自分の剣に炎を纏わせる。
シェリア「『炎剛剣(フレアグラディウス)』!!」
ユミル「!?」
炎を纏った剣で斬られる。ユミルの体力は0になる。

ユミル「くそ…!!」
ハルナもトーマによって体力が0になっていた。
モニターが現れる…

『終幕…クローディアハイスクールの勝利です』
観客席にいたクローディアの生徒達は、歓喜の声をあげる。

トーマ「シェリア!やったね、僕等勝てたんだ…!」
トーマがシェリアの近くに来て、喜んでる様子で話しかける
シェリア「おう!やったな!!」

シェリアは、自分の手を見る…

固有魔力…これで、もっと強くなれる……
コイツ等以上に強い奴らがたくさんいる……面白くなって来た…!
絶対、優勝してやる!

To be continued
17/04/10 18:40更新 / 青猫
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