連載小説
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第1話「始まり」















現在、夜の10時。王都セルベルグにて
この時間帯になって、この街では寝る住民もいれば、起きている住民もいて、家にいる住民もいれば、酒場にいる住民もいる……はずだった。今は違う、住民は家に篭り…店は全て閉まっていた。皆、何かに怯えるように…
王都の兵士が、街中を走り回っている。何かを探しているようだ…
兵士「いたか!?」
兵士「いや、こっちにはいなかった…!」
兵士の一部が合流し、探している「何か」がいたかどうか聞き合う。だご、見つかっていない。
兵士「どうする…ここに来る途中、仲間の死体が複数あったぞ……このままでは、俺達も…!」
兵士「弱気になるな!この街は完全に封鎖している、必ず見つかる!」
「そうだ、必ず見つかる」
突然、この場にいる2人以外の声が聞こえた。仲間の声かと思ったが、それを思う前に………兵士2人は殺されてしまう。



ナイトメア「まぁ、その時は仲間の所へ逝く時だがな…」
音も無く一瞬だった……その黒ずくめの少年は、剣で2人の頸を切った。倒れた兵士の頸から出た血は、地面を赤く染める……

兵士「いたぞ!!あそこだ!!」
ナイトメアの近くに3人の兵士が現れ、刃をこちらに向けている。
ナイトメア「3人か…いいだろう、少しは楽しませろよ。」
剣を構えず兵士達を見て、ニヤリと笑う。兵士達はナイトメアに向かって走り、剣を振る。ナイトメアを囲むように、相手が防いだり避けたりしても当てられるような攻撃をしているが……一撃も当たっていない。全ての攻撃を防がれている…

兵士「馬鹿な…!?」
ナイトメア「どうした?3人いて、この程度なのか?」
3人を嘲笑い、攻めることなくただ遊んでいるように見える。
兵士「ぐ…くそおおぉぉぉぉぉぉ!!!」
兵士の一人がナイトメアに突っ込む。だがナイトメアは簡単にそれをこわして、剣を振り上げる…
そして、兵士目掛けて剣を振り下ろした。
兵士「ぐぁぁ!!」
背中から血を吹き出しながらその場に倒れた。兵士2人はそれを見て後退り、ナイトメアは兵士2人を見る。
ナイトメア「どうした?1人死んだぞ、来ないのか?」
兵士「…っ……一旦退いて、仲間を呼んでくるぞ!」
兵士達はナイトメアに背を向けて逃げ出す…だが
ナイトメア「逃がさん…」
2人の兵士の頸を切り、兵士達は血を吹き出してその場に倒れた。
ナイトメア「…王都の兵士も、この程度か……」
剣を鞘に収め、その場を立ち去ろうとした…だが、急に周りが明るくなる。明るくなった原因がある方を向くと、こちらに複数のライトが向けられていて、複数の兵士の王女がいた。

王女「あなたがナイトメアですね…」
ナイトメア「…あぁ、そうだ。貴様は確か、ここの王女の…エリシアだったか?」
兵士「貴様!殺人鬼の分際で、無礼な!」
兵士が持っている銃を手に取り、ナイトメアに銃口を向ける。ナイトメアはそれを見ても、顔色一つ変えない。
エリシア「やめなさい、我々の目的はこの者を殺害することではないのです」
エリシアの一声で、兵士達は警戒したまま銃を下ろした。

ナイトメア「処刑ではないなら、俺に何の用だ?」
エリシア「…あなたに…いえ、あなた方にお願いがあります。我が城まで、同行をお願いします。」
ナイトメア「…」
エリシアは深々と頭を下げていた。
ナイトメア「いいだろう、仮に罠だった場合は皆殺しにするまでだ。」
武器をしまい、王都兵に近づく。

エリシア「ありがとうございます…詳しい話は、城でお話しします。」



























城に着いたナイトメア。王都兵にある部屋まで案内される。その部屋の前で止まり、王都兵は扉を開ける。
兵士「この部屋だ、この部屋でお話しがある。もう他の者も来ているだろう。」
ナイトメア「あぁ……」
部屋に入ると、扉を閉める王都兵。部屋の中には大きな丸机があり、その周りに一定間隔で置かれた6つの椅子があり、既に4人座っていた。

「あ、こんばんは…もしかして、あなたも殺人鬼…?」
ナイトメアから一番近くの椅子に座っていた茶髪の少女が、ナイトメアに話しかける。他の3人もナイトメアを見ている。
ナイトメア「あぁ…なんだ、ここにいるのは殺人鬼ばかりか。」
その少女は黙って頷いた。
「子供ばかりか、若くして道を踏み外したか……」
銀髪で長身の男が腕を組み目を閉じて呟いた。
ナイトメア「貴様も道を踏み外しているだろう、殺人鬼になれば歳など関係ない。」
「私は、罪人を処刑しているだけだ。貴様等と一緒にするな。」
ナイトメア「……」
お互い睨み合っている…
「ちょ、ちょっと…やめようよ、喧嘩は…」
眼鏡をかけた少年が止めに入る。すると、先程から喋っていなかったメイドのような服装の少女が口を開く。

「誰か来たみたいです。」
その発言を聞いた4人は、入り口を見る。…確かに、足音がこちらに近づいている…
その部屋の前で足音は止まり、扉が開かれる。そこには、王都兵と少女がいた。
「ほら、着いたぞ。もう泣くんじゃない」
一緒にいる少女は、泣きながら入ってくる。
「ぐすっ…ほんとにっ、私じゃないのにぃ……」
「そうは言うが…ジョーカーという殺人鬼は、君の楽屋の方へ行ったとの報告があだたからな……」
王都兵は困り果ててる様子だ。ナイトメア達も含めて、その少女が殺人鬼とは思えないと思っている。
「とにかく、ここで王女様のお話を聞いてくれるだけでいいから…それが終わったら出られるから…」
「ほんと…?」
「あぁ、約束する…!」
それを聞いた少女は笑顔になった。
「うん!じゃあ、ここにいる〜!」
「あぁ、いい子だ(かわいい…)」
王都兵は部屋の外に出て、その少女は空いてる席についた。ナイトメアも席につく。

「えっと、これで全員かな…?自己紹介し合わない?」
茶髪の少女が自己紹介を提案する。お互いのことを何も知らない、わかってることは殺人鬼ということだけだ。
「…フン、殺人鬼に名乗る気はない。」
銀髪の男が言う。
「だったら、通り名で自己紹介しよ?それならいいでしょ?じゃあ、私からやるね。」
茶髪の少女から自己紹介するようだ。

メリー「私は「メリー」。好きなことは読書、よろしくね。」
笑みを浮かべて簡単な自己紹介を終える。そして隣にいる眼鏡の少年に自己紹介するように促す。
シーフ・アイ「えっと…次は僕だね…。僕は「シーフ・アイ」、よろしく……」
苦笑しながら自己紹介する。次に隣にいるメイドのような服装の少女が自己紹介する。
カスタムガール「私は「カスタムガール」。手足が義手義足ですが、人間です。」
無表情でトーンも変わらないため、本当に機械のようだが、人間らしい。そして隣にいる銀髪の男が自己紹介する。
リーパー「……「リーパー」だ」
名前しか言わず、気乗りしていない様子。そして、先ほどの少女が自己紹介する。

リリィ「えっと、私が「ジョーカー」っていうことでここにきたけど…私は違うよ〜?あ、リリィっていう名前でアイドルやってま〜す☆」
やはりアイドルだったようだ、殺人鬼かどうかわからない……そして最後に、ナイトメアが自己紹介する。
ナイトメア「俺は「ナイトメア」、悪夢を見せる存在だ。」





To be continued

16/07/29 21:31更新 / 青猫
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