連載小説
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第2話「旅立ち」







全員の自己紹介が終わったところで、王女が部屋に入ってくる。もちろん、兵士と複数……完全に信用してはいないのだろう。
王女がボードがある方へ進み、ボードの前に立つ。
エリシア「皆様、夜遅くにお集まりいただき、あらがとうございます。」
王女は殺人鬼達に一礼し、再び頭を上げて「何故集まってもらったのか」その理由について話し始める。

エリシア「最近、どの魔物も凶暴化している……というのをご存知ですか?」
シーフ・アイ「…何度か、魔物に襲われたっていうニュースなら見たことありますけど…」
エリシア「そう、その事件です。少し前まではそこまでではなかったのですが……今では、王都兵でも太刀打ちできるかどうか…そこまで凶暴化しています。」
王都兵は申し訳ないのか、顔を背ける。
リーパー「それで、貴様等は我々に魔物討伐を依頼したいと?」
リーパーは相手が王女でも、変わらず傲慢な態度をとり続ける。
エリシア「いえ…皆様には、魔物を凶暴化させた原因の討伐を依頼します」
メリー「原因…?」


エリシア「ここから南の方角に、大きな祠があります。以前こちらで調査した際、膨大な魔力があったそうで…その祠から凶暴化した魔物が出てきたとの報告もあります。恐らく、そこに原因がいるかと…」
メリー「なるほど…」
説明を聞いたメリーは頷く。
エリシア「その原因の討伐を、お願いします…」
ナイトメア「………」














城から出て少し離れた場所にいる6人。南の方角を見ていた。
メリー「あそこに原因が…」
暗くて見えない…それ以前に遠くて見えない。その祠がどの辺にあるか、地図に書いてあるためそちらを見るメリー。その祠は少し遠い…街を二つ越え、船で移動した後森を抜ければ着く。

リーパー「……」
リーパーが違う方角を向いて、その方向に歩き出す。
メリー「リーパーさん…?」
リーパー「悪いが、私はそのようなことに付き合っている暇などない。やるなら、貴様等だけでやれ。」
メリー「え…リーパーさん…!?」
カスタムガール「では、私も帰ります。マスターが待っているので。」
シーフ・アイ「えっと…じゃあ、僕も…なんだか、怖そうだし……」
リリィ「じゃあ、私も〜。私殺人鬼でもないし、マネージャーも待ってるから〜」
ナイトメアとメリー以外、その場から立ち去ってしまった……

ナイトメア「…」
メリー「どうしよ……ナイトメアは…?」
相手もどこかへ行ってしまうのではないかと思い、不安そうな表情で聞く。
ナイトメアは、メリーの方を向かず前を向いたまま答える。
ナイトメア「俺はどちらでもいい。が、奴等は全員帰った…強制ではないようだな。なら、俺も帰ー」
メリー「じゃあ、一緒に行こう!」
帰ろうと違う方向を向いて歩こうとしたナイトメアの手を両手で掴むメリー。
ナイトメア「…いや、俺は帰」
メリー「みんな帰っちゃったけど…2人でも、なんとかできるよね」
ナイトメア「いや、だから」
メリー「とりあえず、街を目指しましょ!」
ナイトメア「…っ」
半ば強引に連れて行かれるナイトメア。それと同時に「人の話を聞かない女だな…」と思った。


















街を目指して歩いていると、森に入る。ちなみに、この森の名前は「大樹の森」。名前の通り、森の中心に大樹が生えているのが特徴の森だ。大樹のおかげで、どんな方向音痴でも迷わない。
あくまでそれは昼間での話。今は夜で、森の中は暗い…ナイトメアは平気で進んでいくが、メリーはナイトメアの後ろに隠れるようにしてキョロキョロと周りを見ながら移動…落ち着かない様子だ。
ナイトメア「………」
一旦立ち止まるナイトメア。メリーも立ち止まり、ナイトメアを見上げる。
ナイトメア「…見通しが悪い…このまま進むのは危険か……ここで野宿にした方が良さそうだな。」
この森は暗い。どこに木があるか、どこまでが木かわからなくなるほど暗くなれば危険。そう思って野宿を提案したが

メリー「え…このまま進もうよ…!きっと、出口も近いし…」
メリーはこのまま進むことを提案する。落ち着かない様子は変わらない。
ナイトメア「…まだ大樹も見えてないんだ。それに、この暗さでは大樹がどこにあるかもわからん。野宿をした方がいい」
メリー「で…でも…ほら、モンスターが現れたら危険じゃない!」
ナイトメア「この辺のモンスターの実力など知れてる、俺は起きているつもりだ。」
メリー「…………」
黙ってその場で俯いてしまう。メリーの方を向くナイトメア。
ナイトメア「なんだ、野宿をしたことがないのか?」
メリー「………」
黙ったまま首を横に振る。
ナイトメア「じゃあ、何がダメなんだ。」
メリー「………」
その質問をされて、少し間を空けて口を開く



メリー「…お化け……出るかも……」
ナイトメア「………」
この時…いや、会った時から思っていたが改めて思った。「こんな奴が本当に殺人鬼なのか?」と。



To be continued

スキット「お化けが怖い」

ナイトメア「お化けが怖い様子だが、たかがゴースト種だろう?あんな魔物、魔法があればすぐに倒せる。」
メリー「そういうのじゃなくて…その…人間の魂からできた物…幽霊というか…」
ナイトメア「あれのどこが怖い。実際、そんなのはいない。」
メリー「いるよ…夜な夜な近くに現れてさ…青白くて不気味な顔でこっちに近づいて…」
ナイトメア「………」
メリー「お金を出せ!って言われたら、どうするの!?」
ナイトメア「…は?」
メリー「それとか、やたらにテンション高い幽霊とか…考えただけで怖い…」
ナイトメア「…お前の恐怖感、ズレてないか?」

おわり
16/08/25 08:13更新 / 青猫
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