連載小説
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教室に戻って僕等の目に飛び込んだのは、木でできた力士が四股を踏んでいる光景だ。恐らく、あの食事の時に行われるゲームだろう…`


力士「どすこぉぉぉぉい!!誰でもいいからかかってくるでごわす!」
野崎「上等だ!てめぇもこのゲームの支配者の回し者だろ!!ぶっ殺してやるッ!!」
野崎が前に出る
力士「はっけよーい…のこったあぁぁぁぁぁ!!!!」
力士が野崎に向かって走ってくる。野崎はそれを受け止める

野崎「ぐっ……!?」
相手は力士、野崎より力がある…押され気味だ
楓「頑張って、野崎君!!負けないで!!」
野崎「当たり…前だぁぁ…ッ!!」
どんどん野崎が押されていく…野崎が下になっていき、力士の体重もかかってくる…

京也「野崎ィッ!!待ってろ、俺も手伝うぞ!!」
力士「助太刀無用!相撲は一対一の真剣勝負でごわす!」
ググググ…
野崎「ぅぉぉぁぁあああ……っ!」
楓「ま、待って!!もうやめて!」
力士「待ったなしっ!!」
力士の力が一気に入る。そして……
















グシャアッ!

野崎は押し潰されてしまった。床に野崎の血と肉片が飛び散る

楓「…ッ!!…ぃ…ぃゃ…ぁ………いやああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
生徒会長が悲鳴をあげる…力士に恐怖する人、絶望に落ちる人とそれぞれだ……生徒会長は近くの棚から包丁を取り出して

楓「よくもッ!!よくも野崎君を…ッ!!」
包丁を持って力士に向かって走る。包丁を振るが力士に簡単に受け止められる。力士はゆっくりと生徒会長の方を見て…


力士「相撲のルールくらい守れや、クソが」
先程と違うしゃべり方でそう言った……昨日のサボテンみたいな…
力士はそのまま窓に向かって生徒会長を投げ飛ばす

優「あ…!!」
生徒会長は、学校の外に向かって飛んでいってる。勢いがあるため止まることはできず……
生徒会長はバラバラになって床に落ちた


遥「……っ!!」
力士は出口の方まで行き、こちらを睨みながら

力士「相撲で包丁振り回すとかありえんし、だいたい女が突っかかってくんなし、マジキモいし」
と、何やら陰湿なことをブツブツと言いながら教室から出た。
………また…………仲間が死んだ…


















昨日と出来事や、今日起きた出来事……一度にいろんなことが起きすぎて、みんな疲れている様子だ…ここまで来ると、影や食事の時のゲーム以外の時でも死者が出るんじゃないかって思えるくらいだ……

京也「…優」
階段に座ってる僕に話しかけとな隣に座る
優「…京也………」
京也「…かなり人が少なくなったよな……」
優「うん…………」
僕は暗い顔で俯いた
優「京也の言った通り、死んだ人の分まで生きなきゃいけないけど……正直、ここまで来ると生き残れる気がしないよ…」
京也「弱気になるな…って言っても、あんなことになったら、弱気になっちまうよな……俺も生きていられるか、わからねぇし…」
この感じ……ゲームが始まった時を思い出すな………今は、あの時よりも酷いけど…
もう、あの楽しかった日常には戻れない気がする……

京也「…けど優、お前は守らないといけない奴がいるだろ?」
優「守らないといけない奴………」
京也が立ち上がって、階段を下り始める
京也「桜井だよ。必ず、アイツを守れよ」
そう言って京也は、階段を下りてどこかへ行ってしまった


僕は遥さんを探していた…
優「どこにいるんだろう…」
どこに行ってもいない…みんなに聞いても「知らない」と答えるだけだ…あと探してないところは……







僕は、1-Aの教室の前にいた。この教室は、僕等の教室だ……みんなで話したり、授業を受けたり……そんな記憶を思い出す…

中に入ると、遥さんが教室の隅に踞っていた…
優「遥さん…」
彼女は僕の声を聞くと、顔を上げる。彼女の目からは、涙が流れていた。
遥「優君……」
遥さんは少し、下を向いて話始める
遥「どうしよう…先生も祐也君も、野崎君も生徒会長も死んじゃった……もう…みんな死んじゃうんだぁ…っ……」
遥さんも僕とあ同じように、不安と恐怖で押し潰されそうになってるんだ……




"必ず、アイツを守れよ"






優「そんなことはさせない…」
僕はそっと、彼女を抱き寄せた。彼女の体は、小刻みに震えていた…
遥「優…くん………」
優「君を、僕が守ってみせる。絶対に、死なせたりしない…!」
遥「……っ…」
彼女はまた涙を流し、僕の胸に顔をうずめた。そして

遥「ありがとう………」
と言った……



つづく
15/06/07 13:46更新 / 青猫
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