1ページ
様々な花が咲き乱れている場所にいる妖怪、風見幽香がいつものように自分の花に水をあげようとしていた時の出来事
幽香「〜♪」
鼻歌混じりに水をあげようとすると、ある物を見つけた。
それは、「捨ってください」と書いてある箱に入った、犬の耳と尻尾が生えた小さな妖怪だった。恐らく性別は女で、妖怪になったばかりだろう……だが幽香はそんなことより
幽香o0(漢字、間違ってない?)
漢字間違いの方を気にしていた。そして幽香は、その妖怪の前にしゃがみ
幽香「お嬢さん、どうしたの?」
と、微笑みながら言った……が、本人は微笑んでるつもりだが実際は物凄く恐い顔になってる
妖怪「………」
その妖怪はその恐い顔に全く動じず、ボーッとしている
幽香「…このままほっとくのもよくないわね…しょうがない」
その妖怪を抱き上げて、自分の家に向かう。
その妖怪を家に連れて帰った幽香は、その妖怪を見て
幽香o0(多分妖怪になったばかりね…原因はわからないけど、妖怪になる前は犬だったんでしょうね)
と、考えていた。
幽香「拾ったのはいいけど、どうしよう……子供は好きだけど、世話とかはしたことないし…」
先ほど拾った妖怪が幽香をぽけ〜っと見ているのを見ながら呟く。
妖怪「…むぅ」
幽香「お、喋れるみたいね」
※当たり前です
幽香「世話していくんだから、私の名前を教えた方がいいわね…」
その妖怪を抱き上げて、自分の顔の高さまであげる
幽香「私は幽香、風見幽香。ほら、幽香って呼んでみなさい」
妖怪「…ゆ………ゆ…」
がんばれ、と頭の中で応援する幽香。そして、その応援のおかげか、妖怪は
妖怪「ゆゆこー」
名前が言えました
幽香o0(違う、私幽々子じゃない。「ゆ」しか合ってないわ)
幽香「違う、幽香」
妖怪「ゆかりー」
幽香o0(スキマ妖怪じゃない)
幽香「違う、幽香」
妖怪「ゆっくりしていってねー」
幽香o0(もはや名前ですらない)
その妖怪がまったく違う名前とそうでない物を言い続けて20分後、ついに
妖怪「ゆうかー」
名前が言えました
幽香「そう、よく言えたわね。えらいわ…」
20分も頑張ったフラワーマスターは、嬉しそうです
幽香「私の名前は教えたのはいいけど、恐らくこの妖怪名前がないわね…世話するんだったら、名前つけないと…」
妖怪を上げたまま、考え始める
幽香「んー……花の名前がいい…どうしよう……バラ…は変ね。スミレ…は何か違うし………」
考え続けた結果…
幽香「…よし、決めた。あなたの名前は…」
5月23日(晴)
今日いつものように花に水をあげようとしたら、捨てられていた犬の妖怪の子供を見つけた。このままほっとくのもあれだったから、私が面倒見ることにした。
私の名前を教えて20分後にやっと言えたからよかったけど、ずっと妖怪を上げていたから手が痛い。
あと、その妖怪の名前も決めた。その妖怪の名前は「椿」
つづく
20/03/20 22:04更新 / 青猫