連載小説
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最終話


二人「はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
白と黒の二人が、目の前の敵に向かって走った。互いに…「終わらせる」という決意の目をしていた。

二人が目の前まで近づくと、剣を振り下ろした。
























音もなく、二人は背を向けた状態で離れた場所に立っていた。剣を振り下ろした状態から、止まったままだ。どっちが斬られたのか……


シグナ「…………………」
黒い剣が消えて、ゆっくりとレイの方へ向く。
シグナ「…………見事だ…お前の意思の力…見せてもらったぞ…」
シグナは足から徐々に消えかかっている。レイも白い剣を消して、シグナの方へ向く。

シグナ「…最後に聞かせてくれないか……お前の願いを…」
レイ「……ボクの願いは……お前によく似ている…「シグナ」を助けること…シグナとの約束を守ること」

シグナ「……ほう…名前まで一緒とは…他人とは思えないな………よかろう…聖書グリモアを持っていくがいい……」
そしてシグナは、完全に消えてしまった……

レイ「…………」
神殿の奥にあった聖書グリモアを手に取る。

レイ「…よし…早く戻ろう!シグナが待ってる…!」
レイは神殿から出て、シグナがいる町へ走った。















ミケ「…あの少年……死んでなければいいのぉ…」
アリア「死んでませんよ!きっと…」
窓辺にいたアリアが立ち上がって、レイが死んでないことを信じているような表情で言った。

ミケ「……じゃが、あの神殿に向かった者は…全員還らぬ者となっておる……」
アリア「そうですけど……でも、レイ君は…!」


その時、ミケ達がいる部屋の扉が勢いよく開く。そこには、レイいた。

ミケ「少年…!」
アリア「レイ君……その姿は…!」
レイ「……取ってきたよ、ほら!」
二人に聖書グリモアを見せる。二人は聖書グリモアを取ってきたことに加えて、レイの姿が変わっていることにも驚いている様子だ。

レイ「シグナ…今、元に戻してあげるよ」
同じ部屋にいたシグナに近づいて、聖書グリモアを開く。聖書グリモアが光始める

レイ「…シグナを……シグナを元に戻して………」








レイ「もし願いが叶うなら、シグナは何を願うの?」
シグナ「私?私は……………」










レイ「…あと、それから……」









聖書グリモアの光が消える。シグナは目を閉じている状態だ

シグナ「…」
シグナはゆっくりと目を開ける。周りを少し見ると、レイの方を向く。
レイ「シグナ…ボクのことがわかる…?」
シグナ「…はい…………私がお世話している、青い空を見たいために外を旅している、少年ですよね?」
シグナは優しい笑みで言った。レイはそれを聞くと明るい表情になる

レイ「よかった…!元に戻って…!」

ミケ「すごいのぉ……」


シグナ「…何か、体に異変を感じます……左胸の奥で、何かが一定感覚で動いています…」
シグナが不思議そうに左胸を軽く押さえている

レイ「シグナ…それは心臓だよ。」
シグナ「心臓…?私には、ない部分ですが……」
レイ「シグナは、人間になったんだよ。前に願っていただろ?」

シグナ「………」
その時のことを思い出すシグナ。何故自分がそんなことを願っていたかはわからなかったが…今、理由がわかった。レイと、一緒になりたかったと………

シグナ「…覚えててくれたんですね……ありがとうございます…!」
シグナは嬉しさのあまり、泣きながらお礼を言った。レイも笑顔で

レイ「うん!ほら、これで涙を拭いて?」
と、シグナにハンカチを渡した

アリア「泣ける話ですねぇ…っ…」
ミケ「うむ…」










レイとシグナは宿の外に出る。

レイ「ありがとう、おじいさん達」
ミケ「いや、ワシ達もお嬢さんを直せなかった…すまん」
頭を下げる二人に困った表情を浮かべるレイは
レイ「い、いいんだよ!シグナは元に戻ったんだからさ」

シグナ「…」
それにしても、この数日で変わりましたね……最初は悪態をついてばかりで、泣いてばかりで臆病だった少年でしたけど、こんなに…心も体も強くなった……

シグナは、レイを見て静かに微笑んだ

レイ「じゃあ、ボク等は行くよ。」
ミケ「あぁ…」
アリア「また、いつでも遊びに来てね?」
ミケ達は、二人を見送った








町から出て少しのところまで二人は来ていた

シグナ「…あ!レイ、見てください!」
シグナは空を見上げている。レイは何だと思いながら、空を見上げた


レイ「…!」
そこには、透き通るような青い空が広がっていた

レイ「これが…青い空…!」
シグナ「綺麗な色ですね…あんないい色の空は、見たことありませんよ!」
空を見上げていると、レイはあることを思い出す。鞄の中から、施設から出る前に描いた絵と色鉛筆を出す。青色の色鉛筆を取り出して、空に色を塗る

レイ「…できた!」
シグナ「上手ですね!……さて、私達の約束も守れましたね…これからどうしますか?」
レイ「これからか………」

絵と色鉛筆をしまって考えるレイ。すると、シグナの方へ向く。

レイ「世界だ…世界のすべてを見に行こう!」
シグナ「世界ですか?」
レイ「うん!世界のすべてを知るんだ…誰も見たことのない世界も!」
シグナ「いいですね…わかりました、どこまでもお供しますよ!」
レイ「うん!じゃあ、行こう!」

二人は、世界のすべてを知る旅へ出掛けました。もしかすると、あなた達がいる場所にも現れるかもしれませんよ?
二人の旅は、まだまだ続く





おわり
15/04/12 09:53更新 / 青猫
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■作者メッセージ
どうも、青猫です!
『あの日初めて見た空は、鋼色だった』無事完結です!いやぁ、終わっちゃいましたね〜…皆さんどうでしたか?自分では「ここをもうちょっと表現をこうしたかった」っていうところはいくらかありましたが、楽しく書けたのでまぁいいでしょう!『_____』と同時連載は、流石にキツかったかな?
というわけで、ここまで読んでくれた方々ありがとうございました!『_____』の方もよろしくお願いしますね?
もちろん次に書く小説も、よろしくお願いしますね?何書こうか、候補から選ぶのは悩みます…書くのが決まってるのは、東方キャラがユーチューバー的なことをやる小説とか←まぁ、今まで通りボチボチ書いていきます!これからも、よろしくです!

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