連載小説
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全員教室に集まって、喜び、騒いでいた。加奈子の立てた作戦によって、今回のゲームは犠牲者が0だったからだ


京也「やったな!もうこれ、楽勝だろ明日から!」
富樫「だよな!もうこれで死ななくて済むぞ!」

遥「やったね、優君!優君の言った通り、誰も死ななかったね!」

京也「あ!やっぱ下の名前で呼ばれてるじゃねーかよ優ぅ!このリア充め!」
こういうことに鋭い京也が、優に指差して言う。優は少し面倒くさそうな様子だ


優「いや、まぁ……でも、京也が期待してることとか、ないよ?」
京也「いーや!わからんぞ!実は皆が寝てる間に、あれやらこれやr」ゴンッ京也「ぐぉっ!?」

加奈子「何変な話してんだ、教育に悪いでしょうが。殴るよ」
京也「もう殴ってんだろーが!殴ってから言うなよ!!」

優「っははは!」
という感じで、盛り上がっていた。でも、こんな盛り上がり方……すごく久しぶりな気がする………3日前までは、こんな光景が普通だったけど…すごく、久しぶりな気がする。ずっと、この光景が続けばいいのに……


すると、生徒の何人かが………いつもの"アレ"を持ってくる



「おーい、また弁当置いてあったぞー………」
少し言いづらそうに伝える。それを聞くと、盛り上がっていた人達はどんどん静かになっていき、全員弁当が入った袋を見てる


楓「…また、あるわよね………あの紙…」

あの紙とは、現在この学園内で生きてる人数分の弁当の中に、一つだけ紙付きの弁当がある。その紙は、食べる前に開かないといけない上、その紙に書いてあることをしなければならない。
昨日は『だるま落とし』…これに失敗した生徒は、だるまによって殺された……そして今朝は『真剣白羽取り』。これは、野崎が受けて立ち、見事成功して生き残った。

この二つを見る限り、開いた瞬間に即死するようなことは書かれてないとわかる……共通してるのは、書いてあることを成功すれば生きる。失敗すれば死ぬ、それだけだ…


遥「…とりあえず、一つずつ取り出して、紙がついてるのを探そうよ。」
祐也「…そうだね」
野崎「もし見つけたら、また俺が受けてやる」
袋から弁当を1つとり、確認する。

楓「流石に、野崎君ばかりにやらせるのは悪いわよ……」

そして皆、慎重に1つ手にとっては、中に入っている弁当を確認し、また1つとっては、中に入っている弁当を確認するのを繰り返している
















そして、弁当が3つだけになった。2つは紙がついていないため、1つ重なっている弁当に着いてる可能性が高い


優「…………」
七瀬「……………」

その弁当をじっと見ている一同。紙が着いてるのかどうかもわからない弁当を……


優「…じゃあ……取るよ…?」
優が、2つ重なってる弁当の上の弁当を手にかける。それを黙って見る人もいれば、頷く人もいた。そして、ゆっくりその弁当を持ち上げる…………






優「…………」



加奈子「………………」
































紙がついてる弁当がない。


優「…あれ…!?ない!?」
京也「嘘だろ!?」

全員が弁当の袋の中を覗く。全員が覗きに行くため、押し潰されそうになってる人も何人かいる
確かに、あの紙がついてる弁当がない。


富樫「…ない………?」
優香「嘘でしょ?」
野崎「おい、もう一回見てみようぜ。もしかしたら、見落としてるかもしれねーし…」

全員、先程袋から取り出した弁当を調べる。だが、あの紙がどこにもない


遥「どういうこと…?」
裕也「ないよ、あの弁当………」
いくら調べてみても、やはりない。


楓「もしかしてだけど、1日に1回出てくるだけとか…かな?」
京也「ということは、もう今日は出てこないのか?」
楓「いや、わからないけど……とりあえず、全員弁当をとりましょ?」

生徒会長がそう言うと、全員自分の分の弁当を手に取る。やはり、あの紙はない

野崎「やっぱ、1日1回しか出ねーのか?」
優「嬉しいことだけど、なかったらなかったで気味悪いな……」

複雑な心で弁当を食べた一同。そして昼食を終えた
































それから、夕食の時間になり、弁当の入った袋が置かれている。昼と同じように、念入りに調べる一同。だが、あの紙のついた弁当は見当たらない…やはり、生徒会長が言った通り1日1回しか出てこないのだろうか?と思い始める

京也「にしても、やっと半分だよな」
優「何が…?」
弁当を食べながら話す京也、一体何が半分なのか、首をかしげて聞く優

京也「このゲームが始まってからだよ。明日になれば、半分過ぎたっていうことになる……なんか、長いよな…」
優「うん………普通の生活をおくってたら、もっと短く感じるよ…………この3日間で、一体何人死んだんだ…」

京也「言うな、優」
優の左肩に手を置き、首を横に振る京也。それを見た優は、それ以上言わないようにする……

京也「確かに何人死んじまったんだとか、なんでこのゲームが行われてるんだとか、いろいろ考えるよな…でもよ、今は生きることだけを考えようぜ。」
ニッと笑って優を見る。その顔を見た優も、少し笑ってしまう

京也「よっしゃ!じゃあ生き残った後のこと考えようぜ!もちろん楽しいことな?」
優「楽しいこと?」
京也「ほら、あれだ!遊園地遊びに行こうとか、あるだろ!」

七瀬「あら〜、何か楽しそうな話してるわね〜?」
七瀬と裕也が近くに来る


京也「あ、先生と裕也!このゲームが終わったら、どっか遊びに行こうって話ですよ!」
裕也「なんだよそれ、呑気な奴……」

京也「何言ってんだ、こんなこと考えるのも大事だぞ!なぁ、優!」
優「うん、大事だよね」


加奈子「元気がいいね…」
遥、加奈子も来る

京也「もちろんだろ!よっしゃ、終わったらこの6人で何処か行こうぜ!」
加奈子「何処かって、何処だよ」
京也「そうだな〜…じゃあ、なんか提案ある奴!」

立ち上がって、手をあげながらその場にいる全員に聞く京也

七瀬「は〜い」
ニッコリと柔らかい笑みを浮かべながら、先生は手を挙げる


京也「はい、先生!」
七瀬「遊園地もいいけど、ショッピング…いろんなお店に行って遊ぶのもいいんじゃないかしら〜」
京也「あ、いいっすねそれ!!お前ら、異論ないな!?」

遥「ないよ、大賛成!」

京也「よっしゃ!なら終わったら、遊びにいくことな!みんなで!」


そんな風に、ゲームが終わった後のことを考えて、楽しみながら夜を過ごした







つづく
15/02/28 19:19更新 / 青猫
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