1
夕日に照らされた帰り道、その道を歩く少年少女。
少女が少年に話しかける。
「剣士って、かっこいいなぁ…そう思わない?」
「剣士?」
少年は不思議そうな顔で少女を見た。
「うん!悪者をね、剣で倒すの!かっこいいなぁ……剣士になってみたいなぁ」
「(アニメか何かの影響かな…)でもさ、危ないよ」
「え?」
少女は振り向く。
「やっぱり、何かを切っちゃうんだよ?危ないよ…」
「…んー……じゃあ…」
少女は少年に笑顔を向けた。
「"人を斬らない剣士"は、どう?」
とある学園の校庭にて、複数の生徒が何かを囲むように見ている。そして、その囲んである中心にいるのは……二人の人間が。
片方は強靭な肉体を持ち、自分の身長くらいある斧を持っている。もう片方は、猫耳がついた黒いパーカーを着た、小柄な少女。武器は何も持っていない。
状況を見る限り、男と少女が戦闘しており周りはそれを見ている。男の方が押されているという状況。
男「はぁ…はぁ……くそ…!!」
「やっぱ強いな、"黒猫"!」
「武器も装備してないのに!」
黒猫とは、猫耳の黒パーカーの少女の通り名のような物。フードを被ってるため、顔はわからない……ちなみに、この少女の名前は「シェリア」。
シェリア「どうした?もうギブか?」
男「くそ…!うおおぉぉぉぉ!!」
男が突っ込み、シェリアに向かって力任せに斧を振る。だが、シェリアはそれを軽々とかわしていく。
シェリア「あ、もうこんな時間か…」
学園の時計は、夜の11時を指していた。避けながら時計を見る余裕もある。
シェリア「そろそろ寝ないと、な!!」
隙を見て男の顔面に蹴りを入れたシェリア。その攻撃によって男のHPがゼロになる。
学校の手前あたりに、大きく「終幕」という文字が現れる。その文字が消えた後、「勝者 シェリア」という文字が現れる。
シェリア「ふぅ……」
「おー!すげー!」
「また勝ったぞ、黒猫!」
周りの生徒達が各々に試合の感想を言う。中には「次俺と!」などと、挑戦の発言も。
シェリア「あ、わりぃ!もう寝ないとだから、またな!」
シェリアはメニュー画面を開き、ログアウトボタンを押してログアウトした…
「ふぅ……今日も勝ちまくったな〜」
パソコンデスク用の椅子に座って、背伸びをする少女。
この少女の名前は「高崎 遥」。高校1年の女子高生、スポーツが得意で勉強が苦手、趣味はゲーム。このPC用オンラインゲーム「Battle High School ONLINE」で、シェリアを操作しているプレイヤーである。
遥「そろそろ寝よっかなぁ…」
そのままベッドに転び、リモコンのスイッチを押して電気を消した。
次の日の朝、学校に入り自分のクラスである教室に入る。席に着くと、隣の席の男子生徒が遥に話しかける。
「おはよう、遥」
遥「あ、おはよう。俊明」
この男子生徒の名前は「沢田 俊明」。遥とは小学校からの付き合い、いわゆる幼馴染だ。性格は温厚で、少し弱気。
ちなみに、遥と同じく「Battle High School ONLINE」で遊んでおり、遥が所属している学園の生徒会長を務めている。
俊明「ねぇ遥、副会長の枠が空いてるんだけど…」
遥「生徒会には入らないよ?」
俊明「え、即答!?」
まだ最後まで言ってないのに、生徒会には入らないと断られたことに驚く俊明。
遥「なんとなく何を言うかわかってさ…私は自由にする方が好きだから。」
俊明「ははは…なんか、遥らしいな……じゃあ、今日一緒に討伐に行かない?」
遥「それならいいよ!」
笑みを浮かべて答える遥。
俊明「よかったぁ…ところでさ、前から聞きたかったんだけど…」
遥「?」
俊明「なんで遥、戦学のキャラやってる時だけ男口調なの?あと、武器も持ってないし…」
戦学とは、(Battle High School ONLINEの略称である。そして遥のキャラ「シェリア」は、常に男口調だ。
遥「んー………モチーフにしたキャラの影響かな。武器を持たないのは…人を斬らない剣士を目指してるから、ね。」
俊明「あぁ…そういえば、小さい頃に言ってたっけ」
遥「素材アイテムの「折れた剣」でも装備できればなぁ…」
俊明「いや、使いにくいでしょ…」
そこから学校が終えて、家に帰り宿題やら夕飯やら入浴を終えた後、戦学をやり始める。
遥「よし…よし!そのまま引きつけててよ、俊明!」
こう言う時、地味にテンションが高い。
連携がすごい、今まで一緒にやってきたであろうコンビネーション。ただし、テンションが高い。
遥「やった!倒せたー!」
無事倒せた、でもやっぱりテンションが高い。
遥「よーし…そろそろ寝よっかな。」
そう言ってベッドに転がり、眠りにつく。
翌朝
「…ふぁぁ……ねむい……」
複数ある目覚ましが一斉に鳴り始める。でも、よく耳をすませて?オーケストラによる演奏に聞こえないかい?
ごめん、ただうるさいだけだった。
洗顔して、タオルで顔を拭いた後鏡を見る
……誰?この銀髪の女の子。何処かで見たことがあるような……私じゃない誰かが鏡に映ってて、私は映ってない。もしかして、鏡じゃないとか?いや、これは完全に鏡だ。
…ていうか、この黒いパーカー…見覚えがあるんだけど。私もこれを着てるんだけど……もしかして…!?
先程から同じ動作をしてる鏡の少女を近くで見て、別の鏡でも自分の姿を見るとその少女が映ってる。
そう…つまり…
シェリア(遥)「ゲームのキャラになってる!?」
その時、目の前に「メールが届きました」という表示が現れる。
「ようこそ、『Battle High School ONLINE』の世界へ!」
To be continued
少女が少年に話しかける。
「剣士って、かっこいいなぁ…そう思わない?」
「剣士?」
少年は不思議そうな顔で少女を見た。
「うん!悪者をね、剣で倒すの!かっこいいなぁ……剣士になってみたいなぁ」
「(アニメか何かの影響かな…)でもさ、危ないよ」
「え?」
少女は振り向く。
「やっぱり、何かを切っちゃうんだよ?危ないよ…」
「…んー……じゃあ…」
少女は少年に笑顔を向けた。
「"人を斬らない剣士"は、どう?」
とある学園の校庭にて、複数の生徒が何かを囲むように見ている。そして、その囲んである中心にいるのは……二人の人間が。
片方は強靭な肉体を持ち、自分の身長くらいある斧を持っている。もう片方は、猫耳がついた黒いパーカーを着た、小柄な少女。武器は何も持っていない。
状況を見る限り、男と少女が戦闘しており周りはそれを見ている。男の方が押されているという状況。
男「はぁ…はぁ……くそ…!!」
「やっぱ強いな、"黒猫"!」
「武器も装備してないのに!」
黒猫とは、猫耳の黒パーカーの少女の通り名のような物。フードを被ってるため、顔はわからない……ちなみに、この少女の名前は「シェリア」。
シェリア「どうした?もうギブか?」
男「くそ…!うおおぉぉぉぉ!!」
男が突っ込み、シェリアに向かって力任せに斧を振る。だが、シェリアはそれを軽々とかわしていく。
シェリア「あ、もうこんな時間か…」
学園の時計は、夜の11時を指していた。避けながら時計を見る余裕もある。
シェリア「そろそろ寝ないと、な!!」
隙を見て男の顔面に蹴りを入れたシェリア。その攻撃によって男のHPがゼロになる。
学校の手前あたりに、大きく「終幕」という文字が現れる。その文字が消えた後、「勝者 シェリア」という文字が現れる。
シェリア「ふぅ……」
「おー!すげー!」
「また勝ったぞ、黒猫!」
周りの生徒達が各々に試合の感想を言う。中には「次俺と!」などと、挑戦の発言も。
シェリア「あ、わりぃ!もう寝ないとだから、またな!」
シェリアはメニュー画面を開き、ログアウトボタンを押してログアウトした…
「ふぅ……今日も勝ちまくったな〜」
パソコンデスク用の椅子に座って、背伸びをする少女。
この少女の名前は「高崎 遥」。高校1年の女子高生、スポーツが得意で勉強が苦手、趣味はゲーム。このPC用オンラインゲーム「Battle High School ONLINE」で、シェリアを操作しているプレイヤーである。
遥「そろそろ寝よっかなぁ…」
そのままベッドに転び、リモコンのスイッチを押して電気を消した。
次の日の朝、学校に入り自分のクラスである教室に入る。席に着くと、隣の席の男子生徒が遥に話しかける。
「おはよう、遥」
遥「あ、おはよう。俊明」
この男子生徒の名前は「沢田 俊明」。遥とは小学校からの付き合い、いわゆる幼馴染だ。性格は温厚で、少し弱気。
ちなみに、遥と同じく「Battle High School ONLINE」で遊んでおり、遥が所属している学園の生徒会長を務めている。
俊明「ねぇ遥、副会長の枠が空いてるんだけど…」
遥「生徒会には入らないよ?」
俊明「え、即答!?」
まだ最後まで言ってないのに、生徒会には入らないと断られたことに驚く俊明。
遥「なんとなく何を言うかわかってさ…私は自由にする方が好きだから。」
俊明「ははは…なんか、遥らしいな……じゃあ、今日一緒に討伐に行かない?」
遥「それならいいよ!」
笑みを浮かべて答える遥。
俊明「よかったぁ…ところでさ、前から聞きたかったんだけど…」
遥「?」
俊明「なんで遥、戦学のキャラやってる時だけ男口調なの?あと、武器も持ってないし…」
戦学とは、(Battle High School ONLINEの略称である。そして遥のキャラ「シェリア」は、常に男口調だ。
遥「んー………モチーフにしたキャラの影響かな。武器を持たないのは…人を斬らない剣士を目指してるから、ね。」
俊明「あぁ…そういえば、小さい頃に言ってたっけ」
遥「素材アイテムの「折れた剣」でも装備できればなぁ…」
俊明「いや、使いにくいでしょ…」
そこから学校が終えて、家に帰り宿題やら夕飯やら入浴を終えた後、戦学をやり始める。
遥「よし…よし!そのまま引きつけててよ、俊明!」
こう言う時、地味にテンションが高い。
連携がすごい、今まで一緒にやってきたであろうコンビネーション。ただし、テンションが高い。
遥「やった!倒せたー!」
無事倒せた、でもやっぱりテンションが高い。
遥「よーし…そろそろ寝よっかな。」
そう言ってベッドに転がり、眠りにつく。
翌朝
「…ふぁぁ……ねむい……」
複数ある目覚ましが一斉に鳴り始める。でも、よく耳をすませて?オーケストラによる演奏に聞こえないかい?
ごめん、ただうるさいだけだった。
洗顔して、タオルで顔を拭いた後鏡を見る
……誰?この銀髪の女の子。何処かで見たことがあるような……私じゃない誰かが鏡に映ってて、私は映ってない。もしかして、鏡じゃないとか?いや、これは完全に鏡だ。
…ていうか、この黒いパーカー…見覚えがあるんだけど。私もこれを着てるんだけど……もしかして…!?
先程から同じ動作をしてる鏡の少女を近くで見て、別の鏡でも自分の姿を見るとその少女が映ってる。
そう…つまり…
シェリア(遥)「ゲームのキャラになってる!?」
その時、目の前に「メールが届きました」という表示が現れる。
「ようこそ、『Battle High School ONLINE』の世界へ!」
To be continued
16/11/09 19:30更新 / 青猫