連載小説
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第9話『最大の敵』
ザックが手にしていた依頼書を、三人で見る。その盗賊三人の名前と写真、どういう人物なのかが記載されている。

カイト「すごい盗賊だね…いろんな場所で盗みを働いてる…」
アイシャ「それだけじゃないです、その場にいた兵士も皆殺しにしていますね…」
ザック「………」
その依頼書を手に取り、ギルドの入り口まで歩く

カイト「ザック…?」
ザック「…行くぞ、依頼主の所に」
アイシャ「その依頼を受けるんですか…?」
ザック「あぁ……」
ザックは依頼書を持ってる方の手を握りしめる。依頼書からはクシャという音が聞こえる。
そのままザックは歩いていく

カイト「あ、待ってよ!」
二人はザックを追いかけた。







三人はは依頼主のところに来ていた。
「私の依頼を引き受けてくださって、ありがとうございます」
依頼主の若い女性がいる。三人に笑顔でお礼を言った
ザック「…で、依頼内容を詳しく聞かせてくれ」
「はい……実は私、自分の町であの盗賊達に宝物を盗まれたり、兵を殺されたりしました……ですので、こっそり遠くから跡を追って彼等の行動を見ていました。クライヴという者は、どこかに食べ物を運んでいたようですが…」
アイシャ「………」
三人は静かに、その女性の話を聞いていた

「そしてその帰りに、ある町の情報を教えました。今日宝を届け終わった後、その町へ行くでしょうね…ちなみに、その町の人達は違う場所へ移ってもらいました。」
ザック「で、そこでソイツ等を仕留めればいいんだな?」
「はい…」
だいたいのことを理解したザックが、作戦のことを口にする。女性は頷き、そこから作戦の細かいことを話し始める

「あなた方には、その町の屋根に待機していただきます。三つの通りが見えるように」
カイト「わかりました。」
「もうそろそろ移動しましょう、動く頃だと思うので…」
四人は、その町に歩いて移動した。
その町の入り口に着く。本当に人は居らず、殺風景だ……

カイト「着いたね…」
アイシャ「本当に人一人居ませんね…」
二人が町に入って、町を見回す。ザックは依頼主の女性の方を向いて

ザック「あんたは戻ってな、終わればあんたのところに行く」
「…わかりました……では、よろしくお願いします…」
女性は頭を下げて頼んだ後、元居た場所へと歩いていった

ザック「さて、と…じゃあ準備するか」
アイシャ「そうですね…」
なにか、ザックがいつもと違うような……依頼主から話を聞いてから、いつもより殺気が……
アイシャはザックを心配そうな目で見て、準備に取りかかった

左の通路側の屋根にカイト、中央がザック、右側がアイシャという感じになっている。
ザックとアイシャは、同じ建物の屋根にいる。

ザック「あ、アイツ等か…」
入り口に三人立っているのを確認する。二人が先に入っていく

ザック「カイトも来たことに気づいてるな…アイシャ、お前のところにもうすぐ来るぞ」
アイシャ「はい…」
武器を手に取り、降りる準備をする。その前に…

アイシャ「ザック…」
ザック「…ん?」
ザックはアイシャを見る。アイシャは下の通路を見たまま、話す…

アイシャ「…無茶は、しないでくださいね……」
そう言ってアイシャは、建物から降りた
ザック「…………」








ザックのところに、最後の一人が歩いてきている。今のところ気づいていない
ザック「よし…仕留めてやる…」
ザックは武器を手に取り、飛び降りた。剣を構え、振り下ろそうとするが、先に気づかれてかわされてしまう。大剣で、床が砕けている……

ザック「…チッ、かわされたか」
「…誰……?」
自分の標的である…『ミミ』がナイフを構えて、こちらを睨んでくる。ザックは立ち上がり、相手を見る。

ザック「俺か。俺は『ザック』。お前はミミ… だったか。お前等盗賊をぶっ殺す依頼を受 けた、傭兵だ」
ミミ「…!」
ミミは驚いた表情をしていたが、すぐに目付きが鋭くなる……普通に敵を見るような目ではない…

ザック「俺はな、盗賊に個人的な恨みもあ る。だから、絶対殺すからな」
ミミ「へぇ…奇遇だね。あたしも傭兵に個 人的な恨みがあるから…殺してあげる よ!!」
ミミとザック、同時に突っ込んでいった



つづく
15/12/17 08:14更新 / 青猫
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