連載小説
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第3話『情報』
とある町にお金と食料を届けたミミ達は、自分達のアジトに戻って就寝。ミミは夢の中で、貧乏だったみんなが普通の暮らしをしていて幸せそうな顔をしてるのを見た。この夢を見ているミミは、夢だと気づいていたが「いつか、正夢にする…」と、心の中で誓った。



目が覚めると、周りは明るくなっていた。朝になったのだろう……二人はまだ寝ている。
ミミ「もう朝かぁ……二人を起こさないといけないよね」
軽く目を擦りながらそう言った。まずはイリアを起こそうと、イリアの近くに行く。イリアは気持ち良さそうに寝ていて、静かな寝息をたててる。正直、この顔を見てると起こすが悪いように思える。

ミミ「イリア、起きて。朝だよ〜」
イリア「んぅ………」
少し経ってから、目を開ける。すごく眠そうに、目を擦りながら「おはよ〜…」と言った。イリアは起きたみたいだから、今度はクライヴを起こしに行く。
クライヴはイリアと違って、なかなか起きない。なので…

ミミ「…………」
クライヴの鼻をつまむ。
クライヴ「…く………ガッ……」
バッと起き上がる。それでも鼻をつまんだままだったため、クライヴはミミの手を払いのける

クライヴ「お前なぁ…もうちょっと普通に起こしてくれよ…」
ミミ「普通に起こしたよ?普通に起こしても起きなかったから鼻をつまんだんだよ?ね、イリア?」
ベッドから降りて、まだ少し眠そうなイリアに聞く。
イリア「ほぇ…?…ミミ、いきなりつまんでたような……」
クライヴ「……………」
それを聞いたクライヴは、ミミをジト目でじーっと見る。ミミは「あはは…ごめんごめん」と、苦笑しながら謝った。








三人は朝食を食べた後、出かける準備をする
ミミ「よし…そろそろ行こうかな」
ミミいつも着ているローブを着る。それを見たクライヴは

クライヴ「なぁ、なんでいつもそのローブを着てるんだ?」
と問いかける。ミミは振り返って

ミミ「んー…まぁ、思い出があるものだからかな」
と答え、フードを被る。
イリア「思い出?どんな思い出があるの?」
準備を終えたイリアが、興味ありそうな顔で問いかける。
ミミ「また今度話すよ、ゆっくりね」
ミミはアジトから出る。二人もミミに続いてアジトから出た。

三人は町に向けて歩いている。もちろん、昨日と違う町だ。三人の格好は商人のようにも見えるため、盗賊とは思われない。それにいつも、ミミが自分達を見た傭兵を殺しているため、自分達のことは知られていない。
町に着くと、情報を集めるため各自バラバラに行動する。情報は、主に貴族達のこと……

ミミ「こんにちは」
住民「ん?あぁ、こんにちは」
ミミが町の住民に話しかける。
住民「もしかして、商人かい?若いのに、すごいねぇ」
ミミ「はい、ここで少し食材などを仕入れようと…お手数ですけど、案内お願いしていいですか?」
住民「あぁ、いいよ」
住民はミミに食材などが売られている場所を案内する。案内している途中、貴族の家と思われる建物を見つける。

ミミ「随分立派ですね、あの建物…」
住民「あぁ、あれは貴族の家だよ。」
やっぱり……兵士が門の前に立ってる時点で気づいたけど……あの兵士は傭兵…ではなさそうだね

住民「よく宝石商人みたいな人が出入りしてるよ、あの貴族は御得意っていったところかな。」
ミミ「へぇ…」
ありがと、住民さん。あたし達にとってすごくおいしい情報をくれて

住民に店がある場所を案内してもらったミミはお礼を言って、二人を探す。あらかじめ、店がある場所に集合しようと伝えてあるからだ。
二人を探しながら、先ほど住民が言っていた宝石商人の情報を聞く。

イリア「ミミ!」
ミミ「あ、イリアとクライヴ。」
二人と合流し、人気のない場所に移動する。

ミミ「で、どうだった?」
イリア「貴族の家に宝石商人がよく出入りしている情報を得たよ」
クライヴ「俺もだ」
ミミ「実は、あたしもなんだよね…貴族の家は一軒しかなさそうだし…」
どうやら、全員同じ情報を得たようだ。
ミミ「まぁいいや、宝石商人は明日の昼頃に来るらしいよ…そこでね」
ミミは二人に作戦を話す

ミミ「いいね?」
クライヴ「完璧だな…!」
イリア「それでいこう!」
三人は作戦の準備をするため、動き出した


つづく
15/08/22 20:57更新 / 青猫
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