桐生一馬編第十五話「裏の顔」
―――11月26日神室町の路地裏―――
桐生「…此処ならだれもいない、ちょっと薄気味悪いがな」
絢辻「そう…で、今日貴方を誘ったのはね…」
桐生「うむ…」
絢辻「桐生さんに折り入って聞いて欲しい事があったの」
桐生「俺にか…何だ?」
絢辻「私…実はね…私…ね、猫…」
桐生「うん?猫がどうしたんだ?」
絢辻「私、猫被ってるの!」
桐生「そうか猫を被…何?」
絢辻「……」
桐生「あ、絢辻?」
絢辻「言おうか言うまいかすごく悩んだんだけどこのままじゃ嘘ついてるみたいですごく…嫌だったの」
桐生「お、おう…」
桐生「(しかしいきなり猫被っているといわれてもだな…)」
絢辻「ごめんなさい…ちょっといいかな」
桐生「絢辻?」
絢辻「もし嫌だったら帰ってもいいから…その代わり誰にも言わないで…」
そう言って絢辻は路地裏を出てニューセレナに戻る
桐生「…俺はいったいどうすればいいんだ?…しばらく待つか」
―――3分後―――
絢辻「ただいま」
桐生「ん?…ああお帰り」
桐生が振り向いたそこには腕を組んだ絢辻がいた
絢辻「気持ち、切り替えてきたわよ」
桐生「何?」
絢辻「これで貴方と正々堂々と話が出来るわ」
桐生「そ、そうか…」
絢辻「…はぁ…」
絢辻「何?リアクション無しなの?」
桐生「……」
絢辻「あ〜〜〜〜ッ、苛々するわね…」
桐生「す、すまん…」
桐生「(何だこの変わりようは…雰囲気から違うまるで別人だ…)」
絢辻「フンっ、ごめんなさいね優等生ぶってて」
桐生「いや、それは謝る事じゃねぇだろう」
絢辻「さっきも言ったけど帰りたかったら帰っていいから」
桐生「…誰が帰るって言った?」
絢辻「あら意外な返答、がっかりしてるんじゃないの?」
桐生「…まだわからん」
絢辻「そう…なら少し駅まで歩きながら話を続けましょうか?」
桐生「ああ…」
―――神室町天下一通り―――
絢辻「あのね…今さらあたしが言える立場じゃないけど…初めて会うだけじゃないんだから普通にしてくれる?」
桐生「あ、ああ…」
桐生「(話…か、ためしに何か振るか)」
桐生「コレ、知ってんのは俺だけか?」
絢辻「そうね」
桐生「何故だ」
絢辻「何故だって…どういう意味で?」
桐生「そのまんまの意味だ…余計な詮索だったか?」
絢辻「そうね…でも今回は特別、いくつか解答をあげるわ」
絢辻「1.『何故』周りの人が知らないのか、の場合」
絢辻「それは簡単、バレた事がないから」
桐生「自信満々だな…」
絢辻「自信なんかじゃない、本当の事よ」
桐生「(筋金入りって事か…)」
絢辻「2.『何故』貴方に教えたかの場合」
桐生「うむ」
絢辻「…貴方に嘘つくのが嫌だったからよ」
桐生「別にそれは嘘だとは考えにくいが…」
絢辻「…あのね、あたしの気持ちにあなたの主観を入れないでくれる?」
絢辻は振り向いて腕を組み桐生に言った
絢辻「あたしがそう思ったらそうなるのよ」
絢辻「それじゃちょっと捻った3.『何故』そんなことをしているかの場合」
桐生「…そうか確かにそういう意味にも捕えられるな」
絢辻「うるさいです」
桐生「…すまん」
絢辻「……」
絢辻「こうしてるのはあたしの目標に必要なことだから」
桐生「目標?なんだそれは」
絢辻「それは内緒」
桐生「…そうか」
桐生「…にしてもな」
絢辻「ん?」
桐生「こう話してると普段と変わらない気がするぜ」
絢辻「そう?」
桐生「むしろお前との距離が縮まったかのようにも思えるな」
絢辻「あ、それは気のせい」
桐生「そうか?…まぁそういうことにしておくか」
絢辻「……」
絢辻「もう呆れるぐらい素直ね、扱いにくいったらないわよ」
桐生「そうか?すまんな」
絢辻「ま、いいわそろそろ暗くなってきてるし早く駅に戻って帰りましょ」
桐生「ああ…何なら向こうについた後家まで送ろうか?駅の近くに俺の家があるからな」
絢辻「家…まではいいわ、そんなに遠いわけじゃないし」
桐生「そうか…じゃあ川付近でな」
絢辻「そうね…じゃ駅に急ぎましょ」
桐生「ああ」
―――第十五話終わり―――
桐生「…此処ならだれもいない、ちょっと薄気味悪いがな」
絢辻「そう…で、今日貴方を誘ったのはね…」
桐生「うむ…」
絢辻「桐生さんに折り入って聞いて欲しい事があったの」
桐生「俺にか…何だ?」
絢辻「私…実はね…私…ね、猫…」
桐生「うん?猫がどうしたんだ?」
絢辻「私、猫被ってるの!」
桐生「そうか猫を被…何?」
絢辻「……」
桐生「あ、絢辻?」
絢辻「言おうか言うまいかすごく悩んだんだけどこのままじゃ嘘ついてるみたいですごく…嫌だったの」
桐生「お、おう…」
桐生「(しかしいきなり猫被っているといわれてもだな…)」
絢辻「ごめんなさい…ちょっといいかな」
桐生「絢辻?」
絢辻「もし嫌だったら帰ってもいいから…その代わり誰にも言わないで…」
そう言って絢辻は路地裏を出てニューセレナに戻る
桐生「…俺はいったいどうすればいいんだ?…しばらく待つか」
―――3分後―――
絢辻「ただいま」
桐生「ん?…ああお帰り」
桐生が振り向いたそこには腕を組んだ絢辻がいた
絢辻「気持ち、切り替えてきたわよ」
桐生「何?」
絢辻「これで貴方と正々堂々と話が出来るわ」
桐生「そ、そうか…」
絢辻「…はぁ…」
絢辻「何?リアクション無しなの?」
桐生「……」
絢辻「あ〜〜〜〜ッ、苛々するわね…」
桐生「す、すまん…」
桐生「(何だこの変わりようは…雰囲気から違うまるで別人だ…)」
絢辻「フンっ、ごめんなさいね優等生ぶってて」
桐生「いや、それは謝る事じゃねぇだろう」
絢辻「さっきも言ったけど帰りたかったら帰っていいから」
桐生「…誰が帰るって言った?」
絢辻「あら意外な返答、がっかりしてるんじゃないの?」
桐生「…まだわからん」
絢辻「そう…なら少し駅まで歩きながら話を続けましょうか?」
桐生「ああ…」
―――神室町天下一通り―――
絢辻「あのね…今さらあたしが言える立場じゃないけど…初めて会うだけじゃないんだから普通にしてくれる?」
桐生「あ、ああ…」
桐生「(話…か、ためしに何か振るか)」
桐生「コレ、知ってんのは俺だけか?」
絢辻「そうね」
桐生「何故だ」
絢辻「何故だって…どういう意味で?」
桐生「そのまんまの意味だ…余計な詮索だったか?」
絢辻「そうね…でも今回は特別、いくつか解答をあげるわ」
絢辻「1.『何故』周りの人が知らないのか、の場合」
絢辻「それは簡単、バレた事がないから」
桐生「自信満々だな…」
絢辻「自信なんかじゃない、本当の事よ」
桐生「(筋金入りって事か…)」
絢辻「2.『何故』貴方に教えたかの場合」
桐生「うむ」
絢辻「…貴方に嘘つくのが嫌だったからよ」
桐生「別にそれは嘘だとは考えにくいが…」
絢辻「…あのね、あたしの気持ちにあなたの主観を入れないでくれる?」
絢辻は振り向いて腕を組み桐生に言った
絢辻「あたしがそう思ったらそうなるのよ」
絢辻「それじゃちょっと捻った3.『何故』そんなことをしているかの場合」
桐生「…そうか確かにそういう意味にも捕えられるな」
絢辻「うるさいです」
桐生「…すまん」
絢辻「……」
絢辻「こうしてるのはあたしの目標に必要なことだから」
桐生「目標?なんだそれは」
絢辻「それは内緒」
桐生「…そうか」
桐生「…にしてもな」
絢辻「ん?」
桐生「こう話してると普段と変わらない気がするぜ」
絢辻「そう?」
桐生「むしろお前との距離が縮まったかのようにも思えるな」
絢辻「あ、それは気のせい」
桐生「そうか?…まぁそういうことにしておくか」
絢辻「……」
絢辻「もう呆れるぐらい素直ね、扱いにくいったらないわよ」
桐生「そうか?すまんな」
絢辻「ま、いいわそろそろ暗くなってきてるし早く駅に戻って帰りましょ」
桐生「ああ…何なら向こうについた後家まで送ろうか?駅の近くに俺の家があるからな」
絢辻「家…まではいいわ、そんなに遠いわけじゃないし」
桐生「そうか…じゃあ川付近でな」
絢辻「そうね…じゃ駅に急ぎましょ」
桐生「ああ」
―――第十五話終わり―――
14/12/13 12:33更新 / アンフィニ