第12話 天使編 『神の心臓〜新たな天使』




「くそっ何度攻撃しても再生されてしまう!」
葉月達はオメガオーガマシンと熾烈な戦いを繰り広げていた


「愚かな
 人が神に勝てる筈もなかろうに…」
遠くから見つめる目
少年の姿をしたそれは、明らかに周囲の存在とは異質だった
そして、その少年の額には天使の紋章が浮かび上がっていた


「しかたがない、此処は東葉月に加勢するんだ」
ガンゼリシアは暴走を起した責任から葉月の加勢をする

「お前は!」
「東葉月、話は後だ今はこれを止める事が先だ」
「…分かった、了解!」


戦いを遠くで眺め悩むおじ様の元へ、アリスが瞬間移動でやって来た
アリスはおじ様を抱っこすると、ビルの屋上に座り込み
おじ様の頭をなでなでする
「分かってる、あれがどう言う存在なのかは
 今は完全に呼び出されて居ない
 ただ、何時領域が開き呼び出されるか、時間の問題だ」
アリスは心配そうにおじ様を見つめると
優しくキスをする
そして強く抱きしめるが、その瞳には涙が浮かぶ
「アリス…」
見つめ合う二人
「分かったよ、どんな理由にせよ
 あれを創ったのは俺だし、責任は取らないとな
 さてと」
おじ様がアリスから離れた瞬間、アリス言葉を放つ
「ダメ」
その言葉にはっとするおじ様
「アリス…お前
 …葉月に任せるべきだと…」
アリスは頷く
「分かったよ、俺達の葉月に託そう
 この世界を」
二人は見つめ合う

「ともみさん!」
おじ様はおもむろに出した携帯電話から知美を呼び出す
「はい、旦那様何時でもOKです」
「じゃ、グランヴァース”ユノウゼグノス”発進」
「はい、ユノウゼグノス射出します」






スーパーガール葉月が一番!エルシオン
第12話 天使編 『神の心臓〜新たな天使』







「デスデスデス〜〜〜〜」
望と融合したなるるがオメガマシンの足止めをすると
ガンゼリシアが続き、バリアを中和する
「でぇいや〜〜〜〜〜」
そして葉月の何度目かの必殺の一撃がオメガマシンを粉砕する
が、再び再生を繰り返す
「こいつ、再生する度に強くなってないか?」
葉月の疑問は的中していた
そして
キィィーーーーン
「くっなんだ」
「なんだ、この禍々しい空は」
オメガマシンの叫びとも取れるその雄叫びは、
辺り一面を暗黒の世界へと誘うかのように空間を蝕む
「まさか…そんな、ありえないデス」
なるるが、何か知ってるそぶりを見せる
「なるる何か知ってるのか?」
葉月はなるるを睨みつる
「あうぅ
 知ってると言うか、これはUG計画の時起こる現象デスぅ」
なるるがおどおどしながら言う
「なんだその、ユージー計画って」
「あうぅその…何かしらの媒体を使用して神を領域から
 呼び出す…なんて言うか、儀式と言うか技術と言うか…
 なるる専門分野じゃないんで詳しくは知らないデスが
 多分、何かを呼び出そうとしてるんだと思うデス」
「まさか…メタトロンの狙いは…」
考え込むガンゼリシア
「とにかく、止めるしかないんだろっ」
その時だった、オメガマシンは異形な姿へとメタモルフォーゼする
「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ」
「うっ」
「遅かったデスか」
「何だこれは、こんな物を我々は我々天使会は」

次の瞬間オメガマシン、いや異形の神の怒りが下る
が…
どかーーーん
地面が裂け、巨大な物体が姿を現す
ブオンブオンブオン
その物体が、異形の神の怒りを無効化する
「なんデスかーー」
「なんだこれは、味方なのか?」
「おじ様…?」

「ハヅたんお待たせ」
おじ様とアリスがその物体から出てくる
「やっぱり、あの地下の新兵器だね」
葉月はアリスとおじ様をシャドーブレイカーのコックピットへと入れる
「フフフフ
 行くよハヅたん、グランヴァース”ユノウゼグノス”起動」
その物体は巨大ロボットへと可変する
シャドーブレイカーはその巨大ロボの開いた胸部へとドッキング
装甲が閉まり、完全に一体化する
「動かし方は何時もと同じさ」
「うん」
「ただし、こいつにはACTの強化型グランドウォールが内臓されてる
 ヤツのACTを全て無効化、こちらが一方的に闘える」
「でも、それだけじゃヤツは倒せない
 でしょ、おじ様」
「あぁ、ヤツの外装はあくまでもこの世界に存在する寄り代に過ぎない」
「なるるの言っていた、心臓を壊せ…と」
「いや、出来れば回収して欲しい
 と言うか、あれを壊せば多分この宇宙が吹き飛ぶ」
「なっ…
 何はともあれ、心臓を取り出せば勝ちだよね!」
「そう言う事」
「分かりやすくて、丁度いいよっ
 行くよ!おじ様、アリス、ララ」
葉月の駆る巨大ロボ、ユノウゼグノスが
異形の姿となったオメガマシンをぶちのめす
その破壊力は段違いで、その巨大な拳から放たれる一撃は
オメガマシンのそれを全て粉砕し、本体に大打撃を与える

「まさか、あんなものまでダークエンジェルは開発していたのか!」
驚きを隠せないガンゼリシア
「チチチ、違うデスよ
 あれは、我らがセネア・エル・グランゼス事、ご主人様の造った
 まー玩具の一つデスよ〜〜
 何せ本国には、あれとは比べ物にならない程の〜
 って、喋りすぎたデス」
なるるの言葉を聞き流すガンゼリシアだった


葉月の攻撃は揺るぐ事無く続く
既にその大半の機能を失うオメガマシン
「さて、お前は一体誰の心臓なんだ」
おじ様は真剣な表情をする



そして、遂に神が降臨する
「来たのか!」
葉月は強いプレッシャーを感じた

「我はオリンファティア12神が一人
 レクト・アルギュノス」
それは言葉を発する

「なんだと!」
おじ様は急に大声で叫ぶ
「バカな…違うのか
 !!!!まさか…書き換えられたのか
 そんな…今まで一体何があったと言うんだ
 それじゃ…もう」
おじ様は脱力感を感じていた
そこには、かつて共に戦った者の変わり果てた姿があったのだから
「ハヅたん、アリス…ごめん
 此処からは、俺がやる
 あいつを俺が…」
「おじ様っ
 しっかりつかまってて、今からあの心臓を抜き出すから」
葉月は自信ありげに言い放つ
「ハヅたん、あいつは」
「どんな理由であれ、ヤツは使徒だ、ボクの倒すべき敵だ
 それがボクの使命だ
 だから、ボクがやる
 ボクにやらせて」
葉月はおじ様の顔を見る事が出来無い
見てしまえば、きっと挫けてしまうから
「分かったよハヅたん
 強いねハヅたんは、そしてごめんね」
「ボクは強くなんかない
 ただ、進むしかないんだ
 それが、ボクが選んだ道なんだから」
葉月は目を見開き、自らの力を解放する
「これは!!」
それに驚くおじ様
「まさか、これ程まで」
葉月のその美しい姿はまるで全てを超越するかの様であった



銀の翼を羽ばたかせ
葉月の一撃が、神を滅ぼす
その力はグランヴァースの力と言うよりは、
葉月の持つ力による部分が大きかったのであろう
そして、ユノウゼグノスの巨大な手には、使徒の心臓が掴まれていた

「…はー
 終わったね」
葉月はため息をつき、やっとおじ様の顔を覗き込む
そして、おじ様を抱きしめ深いキスをする

だが、その時だった

バシューンンン
グランバースの腕が破壊され、心臓は何者かに奪われる
「ご苦労さん
 ソードブレイカー東葉月」
そこには、見たこともないオーバーマシンに乗る少年が居た
「一撃で、グランヴァースの装甲を破壊しただと
 いや、確かに今バリアは展開してないけど
 って言うか、ハヅたんの力でオーバーヒート状況だけど
 にしたって、普通壊せんだろっ」
おじ様は驚きを隠せない
葉月は、グランヴァースのコックピットから
ナイトファントムで飛び出し、少年と対峙した
「はじめまして、かな
 東葉月さん
 いや、元本の旅人、イヴの寵愛を受けた者よ」
少年の言葉に驚く葉月
「お前一体何者だ」
「これは申し遅れました
 ラセリア…ヤミ・ヤーマ=ラセリア・ゼイヴ」
「ヤミ・ヤーマだと…
 そうか!アベルと同じ力を与えられた存在か!」
その時、アリスはヤミの姿に身を包み
ラセリアと名乗る少年の前に姿を現す
「4代目…いや、違うな
 ヤミを遥かに超える力を持つ者
 だが、創生者ではない」
ラセリアはアリスに何かを思うが…

「…話が見えないんですが」
おじ様が大きな汗をたらし、困った表情をする
「えーと、詳しい話は後でするから
 とりあえず、今はこいつをアリスから遠ざけないと」
「安心したまえ、今更ヤミに興味はない
 そもそも、今この世界に干渉出来無いヤミに何の意味があるんだい?」
ラセリアの言葉は次々に葉月を困惑させる
「どう言う意味だ」
「この世界はすでに図書館から逸脱してるって事さ
 あるいは、それ以上の強大な力の強制力によってね」
ラセリアの言葉に思わずおじ様の方を見る葉月
思わずおじ様は違う違うと首を振る

「どーやら、ヤミ・ヤーマの創った世界には我々の想像もつかない
 異物が入り込んだ様だ
 そして、特定の世界に干渉し
 独自の世界を特異レベルで形成させた
 そして、この世界が言わばその中心
 正に特異点」
ラセリアの言葉は続く

「…いや、余計意味が分からん」
おじ様がさらに大粒の汗を落とす
「なんちゅーか、ひょっとして
 やっぱり俺が悪いのか??」

「この心臓、凄いよ
 あのヤミ・ヤーマでさえ手にすることの出来なかった
 本物の神を呼び出せるんだからね」
ラセリアは嬉しそうにそれを眺める
「そうか、キミもこの一つを持っているんだね」
ラセリアはアリスに微笑みかける
だが、アリスは首を横に振る
「違う?」
アリスは頷く
「まぁいい
 僕と一緒に来ないかい
 二人で新しい世界を創ろう
 こんな醜くいだけの世界なんて捨て去り
 僕らで新たな世界を創るんだ」
ラセリアの口説きが続いた時だった
「ウチの娘口説いてんじゃないよ!!」
葉月のドロップキックがラセリアをぶっ飛ばす

「これは驚いたね
 気を抜いていたとは言え、この僕に一撃を加えるとは」
顔に大きな痣を作り這い上がってくるラセリア少年

「いや、そのマジ話が読めないんですけど
 ひょっとして、俺すげー蚊帳の外???」
既に忘れ去られるおじ様
「あうぅ」


「とりあえず、これの力試させてもらうよ」
ラセリアはそう言うと、使徒の心臓を自らの体内に吸収した
「はぁはぁ来たキタぁぁぁぁ」
ラセリアの肉体に神が宿る
「はは…凄い凄いぞ
 まだ、こんな物が他に11個も存在するとは
 欲しい…
 全て僕が手に入れてやる!
 その時はアリス
 キミを迎えに行くからね」
ラセリアはそう言うと姿を消した

「なんだったんだ…
 って言うか!使徒の心臓持ってかれたーーー」
葉月の叫びがこだました


「あうぅ
 何か行き成り出てきたガキに無視されるわ
 グランヴァースの腕壊されるわ
 あぅ〜今日の俺最悪ぅ」
おじ様が立ち尽くしていると、葉月とアリスが優しく向い入れる
「あうぅ〜〜家族って、いいもんだなぁ〜〜」
二人の愛を深く感じたおじ様だった













ちゅー訳で、なるるは望ちゃんのお目付け役な
って事で、望ちゃんと一緒に生活する事になったなるるだが
「フフフ望ちゃん、今日はお姉さまの入浴を激写するデス」
「はい、なるる先輩」
どーやら、仲むつまじくやってるよーだ










葉月とアリスは疲れたのか、帰って早々に寝床についた
二人の幼い顔を眺めるおじ様

ごめんなハヅたん
使徒の心臓、あれは俺が今から想像もつかない大昔
エステファーンと呼ばれる大陸で生み出した物だったんだ
俺はジーヴァス帝国って言うオーバーテクノロジーを持つ
武装国家を作った
そこで強力な戦力とするべく、神を自らの下僕にする事を考えたんだ
それが、オリンファティア計画
そして、12人の神を従えた俺は人間界のみならず
神族の世界にまで戦いを挑んだ
もう昔の事過ぎて覚えて居ない
ただ、言える事は
あれは俺が俺の意思でやった事
ラスター・イヴ・ゼウス
それが、俺の犯した罪の名前
消せない罪
世界を滅ぼし、文明を何度も破壊し
そして辿り着いたのは絶望
俺は、永遠の孤独に辿り着いた
今もまだ、その長いトンネルから抜け出る事は出来無い
もしも、キミが
いや、自分勝手だな
キミが本当に俺と共に生きてくれるなら
光が見えるかもしれないなんて

俺は一体どれだけの物を失い続けて来たのだろう

創生主
なりたかった訳じゃない
でも答えは何時も同じだ
俺は、俺でしかない
他の誰にもなれやしない、俺は俺の道を進むって


あいつの言ってた特異点とは、恐らくエステファーン大陸の破片の事だろう
もしも、俺の感が正しければ、エステファーンはあそこにある
人類が触れてはいけない禁断技術
失われし0・Line(レイ・ライン)
エスタニアテクノロジー
俺の生み出した
神の技術…

出来る事なら、その極寒の地で永遠に眠りについていておくれ

















チュンチュンチュンチュン
「ふわぁ〜〜あーよく寝た…
 あれ?ハヅたんもう学校行ったんだ…」
おじ様は大きなあくびをしながら茶の間に向うと
アリスが綺麗なお姉さんとお茶をしながら
楽しそうにお話をしていた

「?あれ、早苗さん」
おじ様はキッチンから出てくる早苗さんに挨拶をした
「あ〜光さん、おはよう御座います〜
 そうそう、さやかちゃん、ご挨拶なさい
 この方が、こちらのご亭主の空神光さんよ」
早苗さんは、茶の間でアリスとお茶をする美しい少女に言う
「今まで何処行ってたと思ったら
 まさか、こんな所でママゴトしてたのかしら
 光!」
少女は唐突におじ様を叱りつける
「あら?知り合いなの?」
早苗さんは、ちょっと驚いたが直に冷静になる

ガクガクブルブル
おじ様はその少女の顔を見るなり、背筋に寒い物が走った
「あんぎゃーーーー」
一目散に逃げ出すおじ様だが、すかさず尻尾をつかまれ
身動きの取れないおじ様
「あら〜旦那様〜今日は随分とのんびりですね〜
 グランヴァースの修理の方終わらせましたよ〜
 あら?さやかさんお久しぶりです〜」
知美のたる〜いマイペースの声が部屋に響く
「…知美、あんたが一緒なら、このバカ早く帰ってこらせれたでしょ」
少女は次は知美にも叱り出す
「あうぅ〜タッケテ知美さん」

「さて、光
 悪いけど、あたしもしばらくこっちに居させてもらうわよ
 何でも、新しい彼女作ったそーじゃない」
少女はおじ様の尻尾掴み、宙吊りのままいやみったらしく言った
「じゃ、そう言う事でよろしくね
 お・じ・さ・ま〜」
「あうぅ〜〜〜〜助けて〜〜〜〜」
彼女の名前は朝倉さやか
早苗荘の大家さんである早苗さんの妹であると同時に
おじ様の正体を知るらしい、数少ない存在
もっとも、誰でも気づく所だがおじ様の良い人である
はたして、彼女の目的やいかに?
葉月と恋のライバルとなるのか!?



「あーさやか〜ただいま〜
 明日から登校だろ〜楽しみだね〜
 今日は、ウチに泊まっていきなよ〜」
ぶっちゃげ眼中にない葉月はさやかと仲良しさんであった
ちゃんちゃん

その余裕の表情がムカツクのよ
さやかは、その言葉を心の中で叫ぶのであった





--------------次回予告
出来ました!ダークエンジェルの新たな力
その名も合体巨神!東威凰!!(アズマイオー)

果たしてDAの新たな力
アズマイオーの実力はいかに!!

目覚めよ!僕のエンジェル

  ***

フフフフ我が名はプロトK
闇の掃除人

おじ様の前に立ちはだかる新たなる脅威??
先に見つけたのは俺だ!
いや、これは私の物だ!
限定マニアグッツを争う二人

バカらし…アリス帰ろう

あ〜なんと美しい
葉月に惚れるプロトKこと闇の掃除人
勝った!この子は俺の嫁だ!
なんだとーーー
そして、二人の宿命の戦いが始まる!!

次回、葉月が一番!第13話は一挙2話放送
「発進!東威凰」
「プロトKVSおじ様」
をお楽しみに!!

あっ、5時50分だ早く帰ってガンダムフォース見ねば
今日は此処までだな

お前ら…それでいいのか!?(汗)



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セーラー服と日本刀
〜TVアニメ『ヤミと帽子と本の旅人』より〜