第9話 バンド編 『フェイス結成』


葉月は新たなメンバーを探すために放課後
鳳凰院学院の音楽室を訪れていた

秋風を浴びるかのように音楽室の窓は開かれていた
その中にあり美しいピアノの演奏をする少女が居た
葉月はその演奏にしばらく聞きほれていた
「アレンヴァッファ作、楽園の木漏れ日…だね」
葉月は静かにピアノ演奏を終えた少女に語りかける
「え…」
少女は驚きを隠せない
葉月は少女の隣りに立ち
覆い被さるようにピアノに触れる少女の手を触る
「綺麗な手だね
 繊細でそして、とても力強い手」
葉月は少女の手を取り見つめ合う
「ボクの力になって欲しい」
葉月のその言葉に少女の心臓の鼓動は高ぶる
そして葉月は少女に口付けをする
「んぐっ」
少女は少し反発したが、葉月の舌を入れられ力を失う
クチャクチャと舌と舌が絡み合う音がする
葉月の唇が少女から離れた瞬間少女は床に座り込む…
さらに葉月は少女の頬に手を沿え
「愛している」
の一言

そうなのだ、葉月は以前彼女からラブレターを貰っていたのだ
その時はなんとも思っていなかったが、
ここぞとばかりにその返事をする

葉月は少女の服を脱がせその体を弄ぶ
「フフフあやめ、これでキミはボクのものだよ」
葉月に全身を愛撫され、その快楽に身を委ねる少女は
既に葉月の虜だった…











スーパーガール葉月が一番!エルシオン
第9話 バンド編 『フェイス結成』
















「と言う筋書きで行くんだ!!」
おじ様は葉月に力説する
「…で、何でボクがそんな事しなきゃならないのさーー」
葉月はおじ様の妄想120%の作戦を一蹴した
「はう〜〜だって女の子落とすにはレズるのが一番なんだお〜」
「なんだお〜って可愛く言っても、ダメなものはダメなのっ
 そもそも、なんでおじ様のわがままでボクがレズらなきゃならないのさー」
葉月はプンプン怒っている
「あぅ〜だって〜ピアニストは気弱な眼鏡っ娘じゃないと嫌なのー」
葉月は腕を組み横を向いて怒っているが
おじ様の方をちらっと見ると
あまりにも悲しそうに滝の涙を流すのを捨て置けなかった
「…わかったよ
 とりあえず誘ってみるけど、それ以上はダメだよ」
「あう〜〜ハヅたん愛してる〜〜〜
 じゃGOGO〜〜〜〜〜〜」

葉月はおじ様に半ば強引に吹奏楽部の高杉あやめの勧誘に向わされた

「あのさ〜高杉さんだよね〜
 えーと、前に手紙貰った東葉月なんだけど〜」
葉月は照れくさそうにあやめに話かける
「あ…はい(赤面)」
あやめは恥ずかしそうに返事をする

「(そこだハヅたん押し倒せーー)」
廊下の影からおじ様が葉月をつつく
「(五月蝿いなーー黙っててよーー)」
葉月はおじ様に黙れと目で合図を送る

「あ…あの東さん私…私」
あやめは顔を真っ赤にして葉月を見つめる
「えーと」
葉月は恥ずかしそうに目を反らすが…
何とか話を切り出す
「ボクと一緒にバンドやらないか!!」

「…アホーーー行き成り誘ってどーすんじゃーーー
 最初は交際からだろがーーーあんぎゃーーー」
物陰のおじ様の怒りが爆発した…が

「はい!喜んで」
あやめの二つ返事で見事にピアニストゲットである

「マテ…俺の夢、気弱娘とレズレズの関係は…」
既に目的を履き違えたおじ様であった












-----------真夜中、とあるモーテルの前
「あのハヅたん、知美さん…
 いや〜ん3Pなんておじ様恥ずかしい〜〜」
一人興奮するおじ様を尻目に知美と葉月の作戦が始まる

「間違いないんだろうね」
「はい、間違いありません
 彼女は深夜12時に此処で待ち合わせをしています
 なんてったって相手は羽山さまですから」
「…ってマテ
 あのバカ鈴菜に内緒で、買いしてやがったのか!」
「…前々からこっそりやってたみたいですよ」
「あのバカ当主は…」
「あっ来ました」
そこには明らかにお嬢様風の少女の肩を抱き
モーテルに入る羽山浩一の姿があった
「さてお嬢様、尾行です」
知美の眼鏡が光る

「あの〜おふた方ですか?」
ホテルのフロント係りは知美と葉月のカップルに尋ねた
葉月は知美に言われ、男っぽい服装をしてきたが
そのふくよかなバストに女性らしいスタイルから
モデルにしか見えない
対する知美はいつものメイド服
そりゃこんなカップルが部屋を取ろうとすれば誰でも驚く
「はい、休憩でお願いします」
知美の眼鏡が光り、フロント係は慌てて鍵を渡した

「行きますよお嬢様」
「え…あーあ、うん」
知美に強引に連れて行かれる葉月
「あのさー知美さん、すげー楽しそう…あうー」
おじ様はステルスモードで葉月達の後を追う


「うわ〜ラブホって中こうなってるんだ〜
 うわっお風呂がガラス張りで丸見えじゃん」
葉月の妄想は止まらない
「おじ様…ボクシャワー浴びてきていい…
 もう我慢が」
そんな葉月を尻目に知美が隣りの部屋との壁に拡張機を当てる
クチャクチャ
「あ〜凄くいいよ祐子ちゃん
 あ〜もういきそうだ〜」
隣りの部屋の声が拡張され聞こえてくる
そのあまりにもリアルな舌使いの音を
おじ様と葉月は抱きしめあいながら恥ずかしそうに聞き入る
「あっごめんもう出る」
羽山の怪しい声がこだまする
「はい、いいですよ〜全部飲んであげますから」
「うっ」
「ごくん…あ〜美味しい
 まだ時間はたっぷりありますから
 今日は何度でも出して行って下さいね」

「あのさ〜祐子ちゃん
 本番ダメって言ったけど、10万だす
 だからいいだろう〜〜
 キミを抱きたいんだ」
羽山は隣りの部屋で葉月達に盗聴されてるとも知らずに
つい本音が出てしまった

「あのバカ男は(怒)」
葉月はすでに怒りで我を忘れていた
「ぶっ殺す
 おじ様!!」
葉月は既に怒りモードでおじ様に命じた
「あうぅ…はい、通り抜けフープ(笑)」
おじ様は異空間ポケットから空間を潜り抜けるアイテムを出す

「お嬢様〜くれぐれも目的忘れないで下さいね〜」
知美は小さい旗を振りながら葉月を応援した
それを見て、おじ様はこう思った
「こいつ絶対楽しんでるよな」

そして、葉月は羽山の浮気現場に現れる
「腐れ当主が!どうしてくれようか」
めちゃくちゃ怖い葉月を羽山は目の前にする…
「なななな…なんで葉月が居るんだよ
 あ…いや、これは違うんだ決して売春とか
 そう言うのじゃなくて、そうそう慈善事業の一環でだねー」
「言い訳はいい!この腐れ外道が!!!!!
 いっぺん死んで来い!!!!!」
葉月の怒りの鉄拳が羽山をぶっ飛ばす
「あひゃ…違うんだ〜あうーーーーー」
バタン
羽山浩一3度目の葉月の鉄拳直撃であった



「貴方は誰、何でこんな所に」
羽山とHをしていた少女は、服をそそくさと着て葉月に質問した
「キミが伊集院祐子さんだね」
葉月は祐子に手を差し伸べ微笑んだ
「何で私の名前を…まさか
 学校から依頼された探偵」
祐子は葉月を疑いの眼差しで睨んだ
「ボクは音楽を志す者」
葉月は祐子に手を差し伸べたまま答えた
「音楽…を」
祐子はその言葉に強い罪悪感を感じた
そう、祐子は音楽学校に通い音楽家を目指す者であったが、
その学校は莫大な費用がかかり一般家庭の祐子の家では
とてもその学費を払う事は出来無い
故に祐子は売春まがいの事をして、お金を稼いでいたのだ

葉月はめぼしいバイオリニストを探すように知美に命じており
たまたま羽山の浮気リストから彼女の名前を発見
これ見よがしに葉月に報告したのであった

「ボクにはキミのバイオリンが必要なんだ
 ボクと、いや、ボク達と共に上を目指さないか」
葉月は差し伸べた手を下ろそうとはしない
そしてその眼差しは祐子の心の奥まで突き刺さり
真っ直ぐで純粋で、そして力強い光を発していた

「私には…こんな私には貴方の瞳は眩し過ぎる」
祐子はそんな葉月から必死に目を反らした
反らしたが、その目から逃げる事が出来無い
それは自分の夢から逃げる事と同義語だからだ
「私は…私は」
祐子は葉月を見つめ、その目から涙かこぼれる

葉月は笑顔で彼女を見つめ続ける
そして決して差し伸べた手を下げる事は無い

沈黙が辺りを包む

そして…
祐子は葉月の手を取る
「貴方と同じ夢を見たいです」
「ボクは東葉月
 これからよろしく、祐子」
「はい」
二人の強い強い絆が此処に生まれたのであった



ピクピク
「大丈夫ですか〜羽山さま〜」
知美はしゃがみこみ、ぼっこで羽山をつんつんと突っつく
「いやまー一応生きてます」
「はい、では羽山さま
 先ほどの事情はテープに録音させて頂きました」
知美の笑顔が羽山を襲う
「まままままマテ
 それって…(さーーー血の気が引く)」
「はい、浮気現場です」
知美の凄く嬉しそうな笑顔が羽山にトドメを刺す
「お許しください知美さま〜〜〜
 これ以上鈴菜に浮気がバレたら〜〜あう〜〜
 殺される〜〜〜」
「なら浮気しなきゃいいじゃん」
おじ様の突っ込みに羽山は振り向くも
「(ぬいぐみのフリ〜)」
きょろきょろする羽山

「あの〜羽山さん…今回のお金は」
祐子が羽山に恥ずかしそうに言う
「あーーお金ね、はいはい…えーと」
羽山は葉月と知美の顔色をうかがう
そして、葉月と知美が同時に羽山の肩を叩く
「これから”も”よろしくね、スポンサーさん」
葉月の笑顔が羽山を襲う
「このテープ鈴菜さま幾らで買い取って下さるでしょうか〜」
知美の言葉が羽山を凍りつかせる
「あの…幾らなら許して頂けるんでしょうか…」
「ま〜そうだね〜祐子が卒業できるまでかなぁ〜
 当然無償でねぇ〜優しい当主さま〜」
葉月のニヤニヤした顔が悪魔に見える羽山
「もしも〜次に同じ方と浮気したら〜
 鈴菜さま、さぞお怒りになるでしょうね〜」
知美の言葉が羽山に突き刺さる
「払わせて頂きます…えぇ払わせて頂きますとも」

「さて、祐子、これでバンドに集中できるね」
葉月は祐子に嬉しそうに言うと
「え?バンド?…オーケストラとかじゃ…」
葉月は祐子の肩を掴みこう言う
「これから始まるんだよ、ボク達のバンド人生が!」
「あは…あははは…はぁ〜」
祐子は大きな汗を落としながら葉月の笑いに流された


「しかしまーなんちゅー不憫な男じゃ」
おじ様はガックリした羽山をポンポン叩いて慰めた
そして羽山はおじ様に泣きついた
「うん、分かるぞ分かるぞ羽山くん」
「分かってくれるか〜〜〜」
すでにもう何が何だか…


そして、祐子の葉月バンド入りにて、メンバーが全て揃う事となった






そして、バンド基地
「ユダヤ、来てくれたんだね」
葉月はユダヤに抱きついた
「まーなんちゅーか、まー付き合ってやるよ暇だしな」
「ユダヤ、だーい好き」
葉月はユダヤの頬にキスをした
「な…」
ユダヤは恥ずかしがるが凄く嬉しかった
「(あぁ俺はお前を守るよ必ずな)」

「葉月!!俺にも!」
「葉月ちゃん…僕も」
「東先輩!!僕にもーー」
サクヤ、はじめ、ラムロが女の子達の鉄拳を受けた事は言うまでもない

「さて諸君!メンバーが全て揃った訳だが!
 発表しよう、我らが葉月バンドの名前は!!
 ジャジャジャジャーーーン
 ヘキサス!!!!!!
 パフパフドンドンドン」
おじ様はふんずりかえり、偉そうに大発表した
「ヘキサス…だと」
ユダヤが敏感に反応した
「こいつ…まさか…まさか」
ユダヤの記憶が走馬灯の様に蘇る
そう、ヘキサスと言う名前はユダヤが大昔いや、
気が遠くなるほどの昔に一番最初に結成したバンドの名前であった

「で、意味はおじ様」
葉月は何か嫌そーな顔で訊ねた
「6はギリシャ語でヘキサって言う
 6の複数形でヘキサス
 つまり、666でヘキサス!!
 ちなみに獣の番号で、サタンや悪魔を意味する」
「と言う訳で、前から考えてたんだけど
 フェイスって言うのはどうかな〜」
葉月はおじ様の説明を無視して続けた
「おっいいね〜〜」
「正直美形揃いのバンドじゃん
 だからフェイスって言うのはどーかなーと思って」
葉月の笑顔に全員が賛成した

「いや…ヘキサスがダメなら〜ゼクって言うのは〜
 あう〜〜俺の話を聞いてくれ〜〜」
よしよしと葵になでなでされ、泣きじゃくるおじ様
「ハヅたん愛してるの〜〜」


「バンドの名前も決まったことだし〜
 行き成りなんだけど〜お披露目も兼ねたインディーズの
 オーディションに参加しようと思うの〜」
マネージャーのなおこの提案により、演奏予定が立った

遂に葉月バンド”フェイス”は本格的に発進する

葉月達の夢を乗せて


















----------------天使会地下施設
「はいお呼びでしょうか、メタトロン」
ウリエルはメタトロンの呼び出しに同じた
「ウリエル、オペレーションミレニアムの進行は進んでいますか?」
「はい、メタトロン
 順調に進んでおります
 生贄の子供も、既に150人を数えております」
「ユダヤと会ったそうですね」
「…はい」
「では、ウリエルに命じます
 ユダヤを我が元へ連れてきて下さい
 生死は問いません」
「…御意に」
「それと、新しい使徒を3名授けます
 では、楽しみにしていますよ…可愛いウリエル」


「メタトロンめ、何故今になってラサの首を欲する
 まぁいい、ヤツとの決着は避けては通れない
 お前の一番の楽しみの中
 お前が愛する者の前で惨めに殺してやる」
ウルエルの背後には新たに結成された使徒が顔を現す
「ふ…ふははははは」





「ウリエルよ失敗は許されないのですよ
 必ずユダヤの心臓をわが前に持ってくるのです
 さすれば、我が野望も叶う
 オリンファティア12神の心臓集まりし時
 皇帝ラスター・イヴ・ゼウスが蘇る
 その時こそ野望が叶う時
 ははははは
 ハハハハハハハハ
 私こそが、この世界の宇宙の新たな創生主となるのだ」
メタトロンのその美しき仮面の下の素顔が光る…
オペレーションミレニアム
それは忌まわしき存在を現代に蘇らせる悪魔の計画
はたして葉月達はそれを阻止する事ができるのであろうか…












「はははは…はっくしょん」
おじ様はクマのぬいぐるみでありながら、くしゃみが出る
「おじ様〜風邪ですか〜
 じゃ葉月が看病しちゃいます〜〜」
葉月はこれみよがしにおじ様にすりつく
「あう〜誰か俺の噂話でもしてんのか…
 うー心当たりが多すぎて嫌だなぁ」

「ハヅたんは明日の演奏会の為に寝るのーー」
「はーいおじ様〜〜」
葉月はおじ様を抱きしめ眠りに着く
「とりあえず、今はバンドの事だけだお
 後は、俺が何とかするからさー」
おじ様はこれから起る事を察していたのかもしれない…









------------次回予告
遂に来た!葉月バンドフェイスの初陣が!

その時、ウリエルの魔の手が葉月達に忍び寄る

まー今回のキミ達の相手は俺だお

葉月達の演奏の中、おじ様とウリエルと
新生使徒の戦いが始まる

キサマ一体何者な…まさか…貴方は
ウリエルがおじ様に見た影とは?

今こそ決着をつけようぞ!
ウリエルの前にあの男が立ちふさがる

その時、神が降臨する!!!!

次回、スーパーオヤジおじ様が一番!セレフィーネス
…もとい、葉月が一番!エルシオン
第10話 バンド編 『響け、ボク達のメロディー』を
期待して待つべしっ

知ってるかい、使徒が何故13人なのかを
キミ達は所詮はパチモンなんだよ
何故なら、その12の心臓を造ったのはこの…
今おじ様の過去が明らかに!
いや、なる訳ねーな



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セーラー服と日本刀
〜TVアニメ『ヤミと帽子と本の旅人』より〜