第6話 邪神編 『二人のミコト』



ここは天使会の秘密基地
裁断の回りには4大幹部と呼ばれる使徒が集まっていた
「ラファエル、また新たな戦士が覚醒したようね」
使徒の事実上NO1であるミカエルが言った
「とは言え、東葉月ほどの力を持つ訳ではない
 何、気にする事は無い」
ラファエルと呼ばれるのは、先の戦いで葉月に敗北した
ガンゼリシアである。
「ふぅ〜ん情報によると〜リリスが降臨したって聞くよー」
このおっとりした娘もまた使徒の大幹部の一人ガブリエル
「…何の事かな?」
ガンゼリシアはとぼけた
「セイレンちゃんから聞いちゃったもんね〜」
ガブリエルは嬉しそうにガンゼリアシを虐める
「えぇい、うっとおしい」
ガンゼリシアはガブリエルを跳ね除けた
「で、実際はどうなんだ?ラファエル」
ミカエルはガンゼリシアを睨みつけ質問した
「…まぁ出現したのは事実だが、所詮は分身に過ぎん」
「では認めるのだな?」
「…好きにしろ」

「あっメタトロン様だぁ〜」
ガブリエルは嬉しそうにはしゃいだのは、天使会の教主であり
13使徒の頂点メタトロンが降り立ったからである

「メタトロン、御意に」
ガンゼリシアも深く頭を下げる
「メタトロン、我々にはもう時間はありません
 此処は一気にダークエンジェルを駆逐するべきと考えます」
ミカエルはメタトロンに申し出る
「いけませんよ、ミカエル功を焦っては
 それに今となっては我々の真の敵は他にあります」
メタトロンの言葉には威厳があった
ガブリエルは嬉しそうに目を光らせ、メタトロンに見惚れてた

「(あれがメタトロン…どうやら、噂以上の器ね)」
物陰に隠れていたセイレンはメタトロンを監視していた
どうやらセイレンは完全にガンゼリシアに従っている訳では無い様だ

「我々の真の敵…ソードブレイカーの事を仰るのですか?」
ミカエルはメタトロンに言い放った
「いいえ、もっと強大な存在がその世界を覆い尽くそうとしています
 今や天使と使徒が争う時では無いのです」
「預言者メタトロンよ!我々は誇り高き使徒!
 ダークエンジェル共は我々の敵であります!」
ミカエルは断固その言葉を拒否した
「(戦士達以外の敵?リリス…いや、イヴか?)
 しかし、メタトロンよミカエルの言う通り、我々とて
 今更ダークエンジェルと手を組む事など不可能
 それに、ソードブレイカー東葉月は使徒を6人も葬っているのですよ」
ガンゼリシアはメタトロンに強く異を唱えるのだが
「たしかに〜皆葉月ちゃんと可愛いクマちゃんにやられちゃったよね〜」
ガブリエルが明るく言うと
「その様ですね、しかし彼らとてそれが定め」
メタトロンはまるで倒されるのが運命であるとも取れる発言をするのだが

「確かに葉月は強い、ヤツこそ我々の求める救世主『メシア』かもしれん」
そこに現れたのは、一度は葉月に敗北を喫したウリエルであった
「ウリエル…!」
ミカエルはあまり嬉しい表情はしない
「ウリエル、傷は癒えたのかい?」
ガンゼリシアは優しい言葉をウリエルにかけた
「ウリリン元気になって〜これで4大幹部集合だねっ」
ガブリエルが嬉しそうにウリエルに懐いた

「お帰りなさい、我が愛しの子よ」
「はっメタトロン様」
ウリエルはメタトロンに深く頭を下げる

「しかし、メタトロン我々とてこのままとは行きません
 せめてソードブレイカーだけでも」
ミカエルはメタトロンに申し出た
「…いいでしょう、では最後の一人ケルベロスにその任を与えましょう」
「しかしメタトロン!ヤツは使徒の最下位の小物
 そんな輩に我々が宿敵ソードブレイカーを倒す事など
 ここは我らが一人が赴くのが当然かと!」
ミカエルは強く反発した…しかし
「彼とて、我々と同じ使徒に選ばれた存在です
 それに今貴方方4人を失う訳にはいきません
 オペレーションミレニアムに貴方方は必要不可欠なのですから」
「…御意に」
ミカエルは渋りながらもメタトロンに従った
「…そうなると、裏切り者ユダヤの消息が気になる所」
ガンゼリシアは呟いた
「安心しなさいラファエル、彼はきっと帰って来ます
 母であるこの私の元へ」
メタトロンはその優しい表情を見せたのだが…
「それに、ケルベロスにアレを授けて有ります」
メタトロンは少し笑みを浮かべた

「(オペレーションミレニアム…
  そうか、ヤミ・ヤーマ復活の儀式には6人の幹部の力が必要と言う事か)」
セイレンはこの情報を元に天使会を去る考えを持っていた




「居るか!ケルベロス」
ミカエルは大声で叫んだ
「ははっこれはこれは美しきミカエル様」
その醜い姿の者は使徒の一人、ケルベロスであった
「…キサマにモノの美しさなど分かるまい
 この外道が
 まぁいい、お前に命が下った
 メタトロンじきじきの命がな」
「はは〜〜(クククこれはチャンスではないか)」
ケルベロスは頭を下げたがその表情は狂気に満ちていた
「お前にソードブレイカー抹殺の任を与える」
「ソードブレイカー…あの使徒狩りの!」
さすがのケルベロスもそれには驚いた
「しししかし、ヤツには今まで我々の同胞が幾人と…」
「だからこそ、倒すのだ」
「…分かりました、しかし倒した暁には
 我もオペレーションミレニアムに参加させて頂けますか?」
ケルベロスは嬉しそうにその狂気の顔をミカエルに向けた
「キサマ!何故それを…まぁいい
 倒せたら、メタトロンにお願いしてやろう
 ただし、倒せたらな
 もしも負けて帰って来る事があれば
 その時は私がお前を始末する
 その事は忘れるな」
ミカエルはその言葉を残しケルベロスの元を去った
「ククククミカエルめ、あの小娘を倒した次は
 お前のそのいやらしい体をこの私が頂くぞ
 イーーーヒヒヒヒ」
ケルベロスの狂気の叫びが夜空にこだました…
















その事件は唐突に起った


「なんだって!!ミコトが誘拐されただって!!」
葉月が自宅でくつろいでる所に
ミコトのボディーガードの男達から通達があった
「あんた達がついていながら」
「申し訳無い!弁護の言葉もない
 ここは恥をしのんで葉月殿に協力をお願いしたいっ」
ミコトのボディーガードのリーダーである男は葉月に深く頭を下げた
その男はミコトの幼少からのお付きであり、
そう葉月が本の世界で出会った藤姫護衛の侍大将の生まれ変わりでもあった
「まぁ、あんたが付いていながら捕まったんなら
 何かしらの理由があるんだろうけど…
 で、詳しく話してくれないか!今すぐ助けに行く」
葉月は直に着替えながら男達に詳しい事情を聞いた
アリスに抱っこされたおじ様は少し疑問に思っていた
「あのミコっちゃんが捕まる?うーん
 何か裏があるのか…それとも、ヤツらが動き出したのか?
 まーヤツらがそう言う姑息な手は使わんか
 とりあえず、アリス俺達も行くよんっ」
アリスは「うん」と頷き、外に呼び出したナイトファントムの
サイドカーにおじ様を抱っこしたまま乗り込んだ
「ララ、とりあえず何でもいいからミコトのパターンを探って」
葉月はナイトファントムに乗り込むと直にララに指示を出す
「はい、葉月」
ララはあらゆるレーダーで探索するも、見つからない
「反応が無い?…」
葉月は考え込んだ
昔の葉月なら突っ走る所だが、最近はおじ様に似たのか
少しは冷静に…なったはずが
「とりあえず、なんでもいい!ミコトのいきそうな所を探すんだ」
やっぱり猪突猛進な性格は変わらんようだ

「うぬ…ナイトファントムのレーダーで見つからないと
 それはそれで、何かヤバイと思うんだが…
 うーむ、アンチ天使装置みたいなので拘束されてたら
 或いは、考えられるかなぁ〜」
おじ様はブツブツ言ったが、葉月に耳には入らない…






どこかの地下にて
「んぐーーんぐーーーー
 はぁ…はぁ
 ちょっと、私をこんな目に合わせてただで済むと思ってるの!
 私に変な事したら葉月ちゃんにボコボコにされるんだからね!」
変な装置に縛り付けられたミコトが怒鳴り始める
「イヒヒヒこれはこれは美しいお嬢さん
 う〜んいいねぇ〜いいねぇ
 今すぐ食べてしまいたいくらいだ」
気持ち悪い声で大きな口に大きな牙を携えたその男は
使徒の一人ケルベロスであった
「まさかソードブレイカーを追っていたら、こんな物を発見するとは
 イーヒヒヒどうやら、運が向いてきた様だな」
ケルベロスは嬉しそうにミコトの体を嘗め回すように見た

「うぅ葉月ちゃんー早く助けに来てー
 うぅでも、何かこの装置で力が出せない…」
ミコトはその機械に力が吸い取られるを感じていた。





その頃
ミコトを探し、ただ闇雲に夜のハイウェイを走る葉月だが…
「あ…そうだ、オーガマシンの反応を探知してみたら?」
おじ様は思いついた様に言った
急にマシンを止める葉月
「それって」
葉月はおじ様に疑問を投げかけた
「うん、多分ね天使会に捕まったと思うんだよ
 ちゅーか、十中八九それしかないよね
 ならミコっちゃんの天使の力を封じ込める
 何かしらの装置を使ってる筈なんだ
 むしろ、そうでなきゃ反応が消える事はあり得ない
 なら、それを探せば良いって事」
葉月はその言葉をしばらく考え
「おじ様天才!!ララお願い」
「はい、今索敵開始しています
 見つかりました、直近くです…
 ここの真下です!」
そのララの言葉を聞いた瞬間、葉月は真下に向けマシンを
ショートワープさせる
「ちゅーか、すぐ近くに来てたって
 愛の力か?」
おじ様は大きな汗を垂らした

ブオーン
「ムム!何ヤツ」
ケルベロスは行き成りワープしてきたマシンに驚く
「ミコト!!!!」
葉月はその刹那、ミコトを救い出す
「早っ!」
おじ様ナイス突っ込み
「ミコト大丈夫だった」
葉月はミコトをお姫様抱っこしながら心配した
「うん、葉月ちゃんが来てくれるって信じてから」
「ミコト…」
「葉月ちゃん…」
二人の唇が近づいたその瞬間
「ってお前ら!!俺を無視すんじゃねーーーー」
ケルベロスの怒りが爆発する

葉月は刀を構えケルベロスと対峙する
「まさかお前の様な三下がボクのミコトをさらうなんてな
 覚悟は出来てるんだろうな!!」
葉月は既に本気モードだ
「ちゅーか、ハヅたん俺の事忘れてるよな」
おじ様は涙を流しながら呟いた
それをアリスがなでなでして慰める
「うじゅ〜アリスたん〜はふ〜〜」
おじ様はアリスの胸に泣きついた
「おじ様っ後でオシリペンペンね」
「はふー」
しっかり気づいてる葉月であった

「イーヒヒヒヒ
 お前がソードブレイカー東葉月か
 この日を待ちわびたぞ
 我を他の使徒と一緒にするなよ」
ケルベロスが怪しく葉月を威嚇するも
「…お前使徒だったのか
 ボクはてっきりザコだと思ったよ」
「ムキーーーーキサマ!!喰ってやる!!!」
ケルベロスが葉月に襲い掛かる
その瞬間

「ブルーコスモス!!」
ミコトは自らの愛機であるオーバーマシン
ブルーコスモスを呼び出した
それと同時に額に天使の刻印が浮かび上がり
光の中でホーリースーツを身に纏い戦士形態へ変身していた
「ダークエンジェルが一人藤姫ミコト参る!」
変身したミコトはロングスピア型レイブレイドで
ケルベロスぶちのめす
「さっきのお返しよ!!」
何時もより迫力のあるミコト…

「ゼェゼェ…小娘が
 だがお陰で十分なエネルギーが集まった
 気づかないのか?これが最初からの狙いなんだよ
 目覚めよ、ハイパーオーガマシン『アヌビス』よ!!」
ケルベロスの言葉と共に巨大なオーガマシンが地中から出現する
「なーるなる
 ミコっちゃんを餌にハヅたんとの戦いで生じるエネルギーを
 起爆装置にするつもりだったんだ
 まー結果的に餌に使った子の力を使う事になっちまってるけどな」
おじ様は冷静に語るも、既に葉月はナイトファントムに乗り込み
ミコトのブルーコスモス号と共に地上に退避していた

地下から現れる巨大なオーガマシン
その禍々しい力は周囲の空間を歪める
夜のハイウィに突如現れた巨大な化け物は回りの建物を喰い出し
どんどん巨大化していく
「ブループラネットシュート!!!」
ミコトの必殺技が炸裂するも、びくともしない
「さぁアヌビスよ、世界を食い尽くすのだ!!」
ケルベロスはその狂気の叫び声を上げるが…
「ん?何をする!待て、私はお前のご主人!ひーーー」
「ごくん」

事もあろうかケルベロスはアヌビスと呼ばれる怪物に食われてしまう
「おいおい…いや、マジザコだったんかっい
 って言うか、やばいな
 ハヅたん!」
おじ様は葉月に号令をかけた
「分かったエルシオンだね」
「ぶぶーーー」
おじ様が葉月の言葉を否定する
「へ?でもあれ普通じゃ倒せないんじゃ(汗)」
さすがの葉月もどんどん巨大化する化け物に生身で戦う気は起きないようだ
「まーなんちゅーか、エルシオンを出すまでも無いよ」
「おじ様?」
「さてと、アリス」
ふにゃ〜とおじ様を抱っこした手を放し、アリスは宙に浮かぶ
ナイトファントムのサイドカーからふわふわ〜と下り
光を放ち、ヤミモードに変身する

「あの姿は…」
ミコトは驚きを隠せない
ミコトは何度か、リリスとイヴのヤミの姿を見ていた
そこには、あの時のヤミと呼ばれる衣装を身に纏ったアリスが居たのだから

「どうする気なの?
 アリスを戦わせるのはボクは反対だよ」
葉月はおじ様に少し怒った表情で言った
「あれはさー
 この世界の存在なんだよ
 だからエルシオンで倒しちゃいけないんだなぁ〜
 いや、別にいんだけどね
 でもまーなんちゅーか、やっぱそれって俺の美学に反するしー」
何か既におじ様の言葉の意味が分からない葉月は
ナイトファントムで特攻を始める
「何かよく分かんないけど、ボクに倒せって事だろっ」
「いや、別にそう言う意味じゃないんだけどさー
 まぁいいや、やる気になった事だしぃ
 とりあえずー」
おじ様はナイトファントムで通信を始める
「おーい、なるる〜〜例のアレ持って来てーなー」
その瞬間、怪物に一筋の閃光が走る
ちゅどーん
「あんがーー」
そこには巨大な飛行搬送用トランスポーターが現れた
「デスデスデスーーーーー
 なるるの出番デスねーーー
 フフフこんな怪物なるるが一発でやっつけるデスよーー」
トランスポーターからかん高く五月蝿い声が響き渡る
そう、新しく葉月の家にやって来たメイド娘なるるである
「なるるさん、あれを射出して下さい」
同じくトランスポターに乗り合わせた知美が
めがねを光らせ、なるるの肩を叩き言った
「はふーーこ…怖いデスぅー
 わわわわ分かったデスよーー
 お姉さま〜受け取るデスぅ〜〜〜」
トランスポーターから人型ロボットが射出される
その姿は15m程の大きさで、やや細めの今で言う所
リアルロボットに分類される機体であった
「何さアレ?」
葉月は目が点になりおじ様に突っ込んだ
「いやねー趣味で造った人型機動兵器〜なんちゃって」
「…なんちゃってじゃないーーー
 あんなのがあるなら、何でもっと早く言ってくれないのさー」
おじ様の首を絞め前後に振りながら葉月が叫んだ
「だって趣味で造ってたんだもんー
 あーぐるじいぃ〜〜」
「あっ御免なさい…じゃなくてー
 あれどーするのさーーー」
「さぁ早く!あれに乗り込むんだ!!」
おじ様は行き成りマジメな顔で叫んだ
「…どーやって」
「システムはエルシオンと一緒〜
 ナイトファントムがコッピットシステムになってるんだー」
「あの〜おじ様〜
 私の分の機体は無いんですか〜」
ミコトが笑顔でおじ様に聞いた…
「へ?ある訳ないじゃん」
「おじ様のバカーーーー」
何処から出したのかフライパンをおじ様に投げつけるミコト
見事に命中
「いや、痛いって」
ぬいぐるみのおじ様の頭から血が噴出した…(様に見えた)

と言う訳で、その機体に乗り込む葉月
「で、おじ様この機体の名前は?」
既にノリノリの葉月
「あ…(考えて無かった)
 えーと、葉月1号!!」
「いくよ!シャドーブレイカー!!」
おじ様のボケ虚しく、勝手に命名する葉月であった

30メートルには巨大化した怪物アヌビスだったが
葉月の駆るシャドーブレイカーに圧倒される
「おじ様!凄いよこの機体
 まるでボクが大きくなったかのように、
 ボクの動きをシミュレートする」
嬉しそうな葉月
「まーダイレクトキャプチャーシステムだからねぇ〜
 武装もまんまハヅたんの武装を盛り込んであるしー」
既に勝ち誇ったおじ様は、腕を頭の後ろに組み
ふてぶてしく寝転んで偉そうにしていた

「これで終いだ!!」
葉月の巨大な刀の一撃がアヌビスの心臓部を直撃する!
だがその瞬間
「なんだ!!」
「ぬ??」
葉月とおじ様は驚く
なんとその心臓部には!!!!

「コゲちび!!!!!!!!!!!」

アヌビスの心臓部にはコゲちびが囚われていた
「あの子は」
ミコトはコゲちびを思い出した
その時胸が熱くなる思いがした
「どうしてあの子が…そんな」
ミコトの側に居たアリスがミコトに首を振る
きっとママ達が助けてくれるから…と
「アリスちゃん…うん
 私は葉月ちゃんを信じる」

「うひゃーまさかあんなもんが使われてなんてー
 なんちゅー事デスかー」
トランスポーターから葉月達を見守るなるるだったが
「クククク、ざまー無いわね!ちびの奴」
なるるの肩から顔を出したのはコゲリリス
「助けてあげないデスか?」
「へっん、あったしがヤツを助ける義理は無いわね
 それに、アイツはただのコピーの一つだしねっ」
イジワルそうにコゲリリスが言った
その瞬間知美の手がコゲリリスを握り締める
「早く助けに行きなさい」
眼鏡を光らせた知美がコゲリリスを脅した
「ここここえぇーーー(滝汗)
 分かった、分かったからこの手を離して」

「あー死ぬかと思った…ちゅーか
 なんであたしが知美なんかに命令されなあかんのよ」
「コゲリリスさん」
知美の恐ろしく静かな声が逆にコゲリリスの背筋を凍らせた
「ははははい〜今すぐ助けに向いますー」
バカバタと走り去るコゲリリスだったが

「あのーそれで私が呼ばれたんですか?」
行き成り呼び出された綾小路レイカは
オーバマシン、エンジェルージュで葉月の元へ向った




「レイカさん?」
「あ…ミコトさん
 ミコトさんも戦士だったんですねー
 って、アリスちゃん?」
イマイチ状況の把握が出来無いレイカに笑顔で微笑むアリス
「さて!コゲちびちゃん救出作戦発動!ですっ」
意気込んだレイカだったが
「あんたは黙ってあたしの言う事聞いてればいいのよっ」
コゲリリスはレイカの肩でえばってみせた
「うーなんで私ばっかりこんな目に〜」
レイカの目には涙が浮かんでた
 


「葉月ちゃん、コゲちびちゃんは私達が救い出すわ
 だからサポートして」
ミコトは葉月に作戦を伝えた
「でも危険だよ!ここはボクが」
葉月達が渋ってる間にどんどん巨大化するアヌビス
「いかんなー多分攻撃を喰らえば喰らうほどに
 ありゃでかくなるなー」
まるで他人事の様に言うおじ様
「じゃどーしたら」
葉月はおじ様に泣きついた
「まっその為のアリスってね〜
 まーそう言う訳で、一旦俺ここ離れるけど
 浮気するなよハヅたん!
 ララーハヅたんのサポート頼んだおー」
「はい、おじ様了解しました
 浮気しないように葉月を見張っています」
最近おじ様のノリが分かってきたのか、ララの言葉が葉月の緊張をほぐす
「ボクは浮気なんてしない!」
さっきのミコトとのやり取りを知る者には虚しい言葉でしかない
「いや、ホントしないって
 しないってばーーー」
嘘つき葉月の叫びがこだまする
「はいはい」
ララは笑った



アリスの肩に乗るおじ様
「さーて、アリスー丁度イイ感じの世界の門開いて〜」
コクンと頷くアリス
そして、ヤミの力を使い夜空に巨大な魔方陣が現れる
別の世界のゲートが開かれた
それを察知したアヌビスはゲートにその反応を示した
「ガガガガーーーーーーー」
アヌビスは巨大な翼を出現させ、ゲートに向った

「ちょっと、どうなってるんだ!」
シャドーブレイカー越しに葉月は叫んだ
「あれじゃコゲちびちゃんが」
ミコトも叫んだ
「クククなる程ね〜別世界でたらふく食わせるって寸法ね」
コゲリリスは怪しい笑みを浮かべた
「これからどーなっちゃうんでしょうか〜〜〜」
レイカのたる〜い心配を他所に異世界を姿を消すアヌビス

「さて、ハヅたん達〜俺達も向うよ」
おじ様の号令で、葉月はシャドーブレイカーの両手に
ミコトとレイカのマシンを掴み門の向こうへ向うのだが…


「さて、この世界の邪神、その力見せてもらうよ」
暗黒の空のもと、ヤミであるアリスの肩に乗り
不敵に笑うおじ様…果たしてコゲちびは救い出せるのか?
そして邪神とは?

次回に続く




-----------------------次回予告
異世界でその力を暴走させる邪神
本当に私達はコゲちびちゃんを救い出せるの?
そんな時私達の目の前に現れたのは
あ…貴方は!!!

次回葉月が一番!エルシオン第7話邪神編パート2

葉月ちゃん
私が貴方のお姉さんになってあげるから

「初美!!!!!!!!」

今再び、歴史は繰り返される

スーパーガール葉月が一番!エルシオン
第7話 邪神編 『初美』
お楽しみに


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〜TVアニメ『ヤミと帽子と本の旅人』より〜