チュンチュンチュン
葉月が住む早苗荘は、すぐ後ろに森があり
自然に溢れた都会の唯一のオアシスであった
早苗荘は築は古い物のしっかりとした木造建築であった
そんな早苗荘では、今日も今日とて日常が繰り返される

ズズズー
「知美、おかわり」
「はい、お嬢様」
今日は日曜日、朝から葉月宅にてレイカの歓迎会?が開かれていた
「たくさん作りましたから〜たくさん食べて下さいね〜」
長いエメラルドグリーンの髪をしたこの美しい女性
そう、この早苗荘の大家さんである早苗さん本人である
ちなみに年齢は…20代半ばと言う事にしておきます
ただ、スタイルはそこそこ
葉月と並んでさして見劣りしないと言えば分かりやすいだろうか?
顔は超がつく童顔で、早苗さんは普段から大人しい服装しており
その優雅な仕草から大人の女性を思わせるが
寝起きなどを見ると女子校生?と思うほど若々しいフェイスである。
ちなみに寝巻きは白い男性用Yシャツである…
それがまたいやらしい事…
あー別に彼氏のとか言う訳ではなく、昔憧れた男性から頂いた物らしい
なお、早苗さんは葉月のクマのおじ様を狙っており
ある意味では葉月の最大のライバル?と言える
だが、葉月やミコトと同じ時代劇マニアなので基本的には仲良しである

「でもいいですね〜
 葉月さんは何時もこんなに楽しい日々を過ごしていらっしゃるんですね」
「そんな事ないさ
 ウチのおじ様が何時他の女の子にちょっかい出すか
 ボクは何時もハラハラなんだから」
「あんな事言われてますよ、おじ様」
ミコトがおじ様に突っ込みを入れたが、時既に遅く
「はふ〜早苗さぁ〜んむにゅむにゅ〜」
おじ様は早苗さんの膝に甘えていた
「もう〜ひかるさんったら〜皆さん見てますよ〜」
何故か早苗さんはおじ様をひかるさんと呼ぶ…
「はっ!さ…殺気が」
「お・じ・さ・ま
 この浮気者ーーーーー!!」
ドカバキドカ
葉月の怒りの鉄拳がおじ様を襲う…

「あの〜ミコトさん…止めなくてよろしいんですか?」
ズズズー
「うん、おじ様あれわざとだから
 まーあの二人のあれが愛の形なのよ」
ミコトは葉月たちのドタバタを微動だにせずお茶を飲む

パンパンパン
簀巻きにされ、天井から吊るされるおじ様…
「葉月さん…お許しを〜」
「ふんっ
 年増マニアのおじ様はそこで一生反省してないさっ」
「はふーー葉月さん〜〜ごめんなざいー」

「あの…葉月さん?
 誰が年増なんですか?誰が?」
早苗は表情は大人しくしているが、こめかみに血管が浮き上がっていた
「え?…何言ってるんですか〜
 早苗さんまだまだお若いじゃないですかー」
こう言う時の葉月の敬語は相手を腹立たせるだけである
「でも、ひかるさんも大変ですよね〜
 毎日お猿さんみたいに励む娘持ったら
 親代わりもホント大変ですね〜」
笑顔で反撃する早苗さん
「ははは
 ボクはおじ様の妻ですけどねー
 まったく、人の夫にちょっかい出す万年独身女にはなりたくないですね〜」
すでに二人の間には火花が散っていた

「あの…本当に止めなくて良いんですかー」
レイカがめちゃめちゃ脅えてミコトに助けを乞う
「まー何時もの事だから」
ミコトと一緒に知美の持ってくる料理を美味しそうに食べるアリス
「アリスちゃん〜これも美味しいよ〜」
ミコトとアリスは何事も無いかのように食事を続ける
「そろそろ、再放送の御家人斬太郎の時間ね」
パチン
ミコトがTVをつけた瞬間、葉月と早苗は何事も無かった様に正座し
TVの前にかじりつく
「だから言ったでしょ、大丈夫だって」
ミコトはレイカに笑顔を向け言った
「…はい…
 はー一時はどうなる事かと…」

「おーい、俺にも見せろよ!
 って言うか、誰か助けろーーー」
おじ様の悲痛な叫び声がこだました…
「旦那様、自業自得です
 あとでビデオ撮ってますから見て下さいね」
知美の少し冷めた言葉に虚しさを憶えるおじ様だった
「ちゅーか、助けろよ…お前は俺の召使いだろーがっ
 あんぎゃーーー今日はめちゃくちゃ楽しみにしてた36人斬りの
 話数じゃねーかーーーこんちくしょーーー」
何気に一番のマニアはおじ様だったそうな




そんなこんなで、此処で少し昔話をしましょうか
そう、あれはまだ葉月がおじ様と出会う前の事…






第4話『おじ様』





ぶしゅーーー
「はぁ…此処がなるるが言ってた図書館宇宙の世界の一つか
 なんちゅーか、見た感じはスタンダード文明そのモノだけど…
 ……
 なんだこれ?
 って言うか、なんじゃこりゃーーーーー!!」
葉月の世界にやって来た、後におじ様と呼ばれる存在だが
まさかこの世界で自分の寄り代となる肉体がクマのぬいぐるみに成るとは
思っても見なかったのだろう
図書館宇宙では、世界間において物質の移動は禁じられていた
故に、別世界に行く際、自らと波長の合う存在に憑依する必要があった
過去に図書館の管理者であるヤミこと、リリスが
別世界より召喚した際、その存在と波長の合う人物が必要であったのはその為である。
それはおじ様にも言えることであり、別宇宙からやって来たおじ様にとっては
ある意味で死活問題であった。
だが…まさかクマのぬいぐみだとは…

「あうぅ…これじゃHもできねーじゃーねーかーよー
 まぁいいや、そのウチ別の肉体を作れば…
 あれ…あれ…
 って、ちょっとマテ!
 何か知らんが、俺この体から抜けれないぞ!
 ちゅーか…ちゅーかね、忘れてた…
 なるるの報告書にあった、一度取り付いた肉体以外に再憑依は不可能
 ってこの事かよーー
 やばい…とりあえず、知美を呼び出して…
 知美さーん…あれ?
 んーん?
 来てるよな?でも…通信が出来無い?
 いや、何だ?ん?…
 …
 …やばい
 憑依した人間と融合しちまってるー
 って言うか…マヂかよ
 うぅ…多分、この世界に居たんだ…知美さんのアストラル体の
 オリジナルになった魂が…
 うわーとりあえず…なるる呼んでおこう
 …え?
 来るのに4ヶ月かかるってーー
 なんじゃそりゃーーー
 俺に4ヶ月間もクマで居ろと言うのかーー
 …やばい誰か来たクマのふりクマのふり」
ガチっ
「あれ?何か人の気配がしたんだけどなぁ…
 まぁいいか
 ううん〜はぁー」
おじ様の前に現れた少女は黒いストレートの美しい髪をした
それはもう美しい美少女であった
それもバスタオル一枚
間違い無くお風呂上りだろう
ガバ
少女は行き成りバスタオルを落とすと、おもむろにベットに歩み寄る
ドキドキドキドキ
「め…めちゃくちゃいい女やん
 ちゅーか、美し過ぎる…ちゅーか、こっち来るんですが」
その少女はベットに倒れこみ、
おじ様が憑依したクマのぬいぐるみをじーと見つめる
そしてキスをしたかと思うと、胸でぎゅーっと抱きしめる
「おじ様〜愛してるよ〜
 あのねおじ様、今日の入学式ボク新入生代表の挨拶したんだけど〜
 何か凄く緊張しちゃった〜と言っても大丈夫だったんだけどね
 おじ様にも見て欲しかったな〜ボクの晴れ姿〜
 そうだ〜今度ミコトが撮った写真見せてあげるね〜」
少女はクマのぬいぐるみをおじ様と呼び、あたり前の様に話かけていた
そして…
「あん…んくっ
 はぁはぁ…だめだよおじ様…ボクが16歳になるまで…
 あ〜ん、そんなにされたらボク欲しくなっちゃうよ〜」
いきなりぬいぐるみを抱きしめながらオナニーを始める少女
「はーん、気持ちいいよ〜
 おじ様の凄く気持ちいいよ〜
 ねぇおじ様…ボクの中気持ちいい?
 ずっと、ボクだけを愛してねおじ様…
 あーん…うっくぅ
 はぁはぁはぁ…
  
 初美…ボクも高校生になったよ
 初美の後ばかり追ってたボクだけど、
 今日から自分の選んだ道を一歩一歩進むんだ
 だから、待ってて何時か…何時か必ず迎えに行くから
 ボクが、ボクの望んだ女(人間)になった時に
 
 今は…ボクにはおじ様が居るから寂しくないよ
 寂しく…は、初美…うっくっ
 初美〜会いたいよ…会いたいよ」
少女はクマのぬいぐるみの胸に顔を埋め泣き崩れた
その時、おじ様の脳裏にぬいぐるみに残る少女の記憶が入り込んできた
「そうか…この子がなるるの言っていた東葉月ちゃんなのか…
 …よし決めた、俺この子をその初美って子の変わりに守る
 それに…この子は俺と同じだ
 俺によく似ている…」
おじ様は全てを理解した、そしてこの世界に居る間は
葉月の為に生きようと決心した
多分その時は自分に近い過去を持つこの少女に対する同情や
親の様なそんな感情だったのだろう
それが愛に変わるのには…そう長い時間はかからなかった





「葉月ちゃん」
おじ様は優しく葉月に語りかける
「え!?」
葉月は驚きを隠せない
「俺だよ、おじ様だよ」
「おじ…様?」
葉月は呆然とした
過去に幾多の不思議現象を目の当たりにして来た葉月だが
今まで可愛がってきたぬいぐるみが、まさか動いて喋り出すなんて
「…初美
 そうか、初美が…ボクに
 
 おじ様〜〜〜〜」
葉月はおじ様に再び抱きついた
「あーんおじ様〜やっと喋ってくれたんだね
 もう、ボクずっと待ってたんだよ
 だっておじ様は初美がボクの為に遣わせてくれた
 …(もじもじ)
 将来の…だんなさま…だもん」
葉月は赤面しながらも、おじ様を抱きしめる手を緩めはしない
「あのー葉月さん…苦しいんですが」
「あー御免なさい」
葉月はおじ様を放した
「あー死ぬかと思った…って言うか、俺息してねーから死なねーか」
「おじ様
 改めて、ボクは東葉月
 貴方の妻になる者です」
少し沈黙

「はい?」
「だからーおじ様はボクの夫になる人なのー」
「…電波かこの子は?
 えーと、ちゅーか、俺クマなんですけど?いいの?」
「うん」
慢心の笑顔で答える葉月
「本気や、この子本気や
 まー理由は分からんでもないが…」
おじ様は今までの葉月の辿って来た全ての知識をこのぬいぐるみから得た
故に葉月の初美に対する過剰なまで愛情が、初美の形見である
このぬいぐるみに向けられる事は理解していた
「この子を救うのが、いや、この子の夢を叶えるのが俺の役目なのかもしれない
 まー何だ、そのイヴやリリスとやらが愛したこの子を知るのも楽しいかもしれんな」
その時はまだ好奇心からだったのかもしれない
だがそんなおじ様が葉月の魅力の虜になる日は遠くない
まさか、人間に恋する日が来ようとは…その時のおじ様に知る由はなかった

「と言うわけで、おじ様〜
 さっきの続き〜
 …何か、凄く燃えて来た〜〜
 おじ様ー今日こそは初美を作ろうね!!」
「は?」
その言葉の意味をおじ様が知るのは…
当然、抱くことも入れることも(物すらない)出来無いヘビの生殺しのまま
おじ様が葉月の自慰行為、自称SEXに朝まで付き合わされた事は言うまでもない
もっとも、これが朝から始まり葉月が寝付くまで毎日続くとは
その時は思いもしなかっただろう…
羨ましいが、不憫だぜ、おじ様






「って感じだったんよー」
「それは大変だったんですね〜」
「まー大変ちゅーか、まー嬉しいちゃ嬉しいんだけどさー」
「でも〜クマさんの話とっても面白いですね〜
 なんて言うか〜自虐精神おおせいって言うか
 でも私、そんな葉月さんの事大好きです」
時代劇に集中する葉月達を尻目に、レイカはおじ様とお話しをていた
「ちゅーかキミさー
 マジで俺が葉月たんの腹話術だとか思ってない?」
「凄いですよね〜内部にマイクが仕込んであるなんて
 最初本当にビックリしましたもん」
「いや、俺はこれが腹話術だと信じれるキミが信じられんが…」
「そうだ〜聞きたかったんですよ〜
 葉月さんって紋章ないですよね
 なのに凄く強いですよね〜どーしてなんですか?」
レイカは興味深々におじ様に問い詰めていた
当然おじ様は簀巻きのまま吊るされているのだが
「ちゅーか、いい加減おろせよボケ娘がっ」






葉月の家にやって来て早1週間の経つおじ様
葉月はおじ様の前でわざと着替えをするし、トイレにまでおじ様を連れて行く
当然オナニーの時は猛烈に求めまくって
ある意味手の出せないおじ様にはこれ以上無い拷問であった
が、まーバカな娘と割り切る事で何気に楽しみだしたおじ様であった
「うーむ、どーやらこの世界には悪の影が…」
葉月はごく稀におじ様を置いて姿を消す時がある
学校にまでおじ様を連れて行く葉月にしては珍しいと言うか
これ以上無い醜態をおじ様に晒してる葉月だが、それ以上隠す事があるのだろうか?
と、おじ様は疑問に思い葉月を尾行したのだった

「はぁーあ!!」
葉月は刀を振るい、異形の物と闘っていた
「葉月たん!?」
しかし、葉月がピンチに!
「はふーーー!!
 おじ様パーンチ!!」
明らかにロボットの腕に自らの腕を変換させたおじ様のパンチが炸裂
「俺の嫁に手出すやつは、俺が相手じゃ!」
宙にふわふわ浮く可愛いクマのぬいぐるみなおじ様
全然かっこ良くない
「おじ様…どうして此処に」
「って言うか、葉月は俺の嫁なら隠し事するな」
「…ごめんなさい…でもこれはボクの」
その瞬間別の怪物が姿を現す
「最近我々のテリトリーに怪物が出てると聞いたが
 まさか、異世界の物だったとは」
巨大な機械のボディを持つ怪物の中から人の声が聞こえる
そして葉月が相手にしていた異形の物を軽く叩きのめす
「そこの人間の女
 生身でこんな怪物と闘うとは身のほど知らずが
 見たところダークエンジェルの戦士でも無い様だが…」
「くっ」
葉月は刀を構える
やる気満々である
「葉月たん…止めなよ
 今まで何とかその刀で闘ってきたみたいだけど、
 もう刃はボロボロ…キミだってもうソーマの力は殆ど残ってない」
そうなのだ、葉月はイヴ達と別れ所持していたイヴのアイテムは全てイヴの渡し、
既に人間としての力しか持っていなかったのである
そんな葉月が今まで何回かの戦いを勝てたのは、倉木家の宝刀
雷鳴剣に残るソーマの力によるものであった
だが、その力も今回の戦いで完全に消失していた
「お嬢様…もう…」
「知美…分かってた…知美が助けてくれてた事…」
そうなのだ、イヴと分かれた後
葉月の幾度かの戦いの勝利は知美の影ながらのサポートによるものであった
だが、葉月はそれでも自分が戦いたかった
闘ってる時こそ、初美に近づける気がしたから

「クククあの英雄東葉月も、イヴの加護が無ければただの人間
 お前達は知る事に、この世界の災いをなククク」
「五月蝿い」
ドス
「怪物め…しかし…どう言う意味だ」
異世界より来た異形の物は最後の言葉を残し、機械の怪物に倒される
「まぁいい、娘、そんなに戦いたければ我が天使会に来ないか?
 お前程の素質があれば、良い隊員となれよう」

ぎゅーん
ズザザザザー
「よくもそんな言葉をしゃあしゃあと言えたものだな
 悪の秘密結社の天使会の幹部が!」
現れたその男、見慣れないバイクに跨り年は30中頃か?
巨大なバズーカを手で操るその体は鍛え上げられた筋肉の塊であった
「だれだ、あんた!」
「ダークエンジェル
 我はダークエンジェルが戦士」

「くっカッコいいじゃねーか!こんちくしょー
 はっ!葉月たんがっ」
おじ様はオヤジマニアぽい葉月を心配した、まさか惚れてないよなーと
「戦士だと…
 ボクの世界はボクが守る!
 あんたは引っ込んでな!」
やった葉月たん流石だ〜と喜ぶおじ様だが…
俄然やる気の葉月を止めねばと思った

「ふんっ
 まさか、ゴキブリ退治に来て本命に会うとはね
 ふんっ運が向いてきたのかな?」
「だまれ、偽天使が
 俺はお前達使徒を全て抹殺する!」

機械の怪物と、バイクの戦士の戦いが始まった
おじ様は知美の車に葉月のむりやり乗せ、この場から姿を消した

「ちっ!せっかくのチャンスを」
「他を心配する余裕はなかろう!エセ天使が!」
二人の戦いは続いた…








「止めて」
車を運転する知美に葉月は命令した
「しかしお嬢様」
「分かってる…分かってるけど
 ボクは…ボクはこの手で守りたいんだ
 約束したんだ初美と伊織に
 この世界は、ボクが守るって」
葉月は堪らなくなり涙を溢した
人前で決して泣かない葉月の悔し涙…

「そんなに闘いたいならさー
 力をあげようか?」
おじ様がぽつりと呟いた
「だめです、旦那様!」
知美が怒り口調で言い伏せた
「ダメです…お嬢様はお嬢様は…」
知美の唇が震えた
それは知美がおじ様が護衛で連れてきたもう一人の知美と
シンクロしているからなのか…
葉月を大切に思う気持ちはおじ様と同じであった
恐らく、知美は既に知美なのだろう…

「お嬢様に隠していた事があります
 羽山様達が立ち上げた反天使会をご存知ですか?」
「羽山さん達が…いや、初耳だな」
「…恐らく、お嬢様には隠しておきたかったのでしょう
 お嬢様なら、一緒に闘うと言い出すでしょうから
 さっきの男ですが、彼もまた我々反天使会
 ダークエンジェルの戦士の一人です」
「あの…知美さん話が見えないんですが?」
知美には、この世界での春川知美としての記憶が存在するが
おじ様は葉月側の事情しか知らないのである
知美はおじ様の召使いであると共に、葉月の付きのメイドである
もっとも、その事実は知る者はおじ様以外に存在しないのだが

「彼ら天使会はオーガニックテクノロジーを別の世界から手に入れたのです
 それを用い、オーガマシン
 先ほどの機械の怪物ですが
 あれを生み出し、この世界の征服を企てているのです」
「他の世界…世界征服?」
「はい、お嬢様の思っている通りの事です
 しかし、それは何もお嬢様だけの問題ではないのです
 我々天使の力を受け継ぐものの使命でもあるのです」
「は?我々?何言ってたんだ知美さん」
おじ様は何時もと違う知美さんに戸惑った
それはそれもその筈、我々天使のっておじ様に言わせれば
お前は女神だろーが!であるのだから
しかし、知美には春川知美の部分も存在する
それは恐らく春川知美の言葉なのだろうとも思った
そして知美は前髪に手をあて、天使の紋章を見せる
「さっきの男と同じ模様…」
葉月は咄嗟に気づいた、知美も戦士の一人である事を
「今からダークエンジェルの本部に向います
 それに、旦那様にも見ていただきたい物がありますから」
何も分からない葉月とおじ様を乗せ、知美の車は夜道へ消えていった…





「へー知美さんも私達と同じ戦士だったんですか〜
 ちょっとビックリです〜」
「ちゅーか、俺も驚いたよまさか自分の連れてきた召使いが
 何故にこっちの世界の戦士になってんのよーって」
「?そう言えば、じぁ葉月さんはどうなっちゃうんですか?
 って、今一緒に闘ってますよね〜
 まさか!改造人間にされちゃうとか!」
「んな訳ねーだろ!
 まーなんだ、葉月たんにはさー元々凄い能力とかー
 隠されてたりしてー
 そうそう、これから葉月武勇伝のスタートなんだよー」
「で、あのカッコいい男の戦士は何処に行ったんですか〜
 一緒に戦えたら頼もしいですよね〜」
「あ…そう言えば、何処行ったんだ?
 まーいいや、そうそう、実は此処からが俺と葉月たんのー」


レイカとおじ様のお話はまだまだ続く





早苗荘地下施設
此処はおじ様が空間を繋げた巨大な研究施設である
「ブクブクブク
 はふーーー
 K子復活〜〜〜〜っ
 ってもうK子じゃないデスぅ〜
 ちゅーか、やったデス!お姉さまの世界になるるの姿のまま来れたデス!
 あれ…でも何か何時もと違うデスよ…
 はふー何か相当この肉体スペック低いデスよー
 え?ご主人様も安く低コストでーって
 んなもんでなるるを造るなデスーーー
 って言うか、此処何処…デス」
遂に復活した謎の少女…果たして葉月達の運命やいかに!




「そう言えば旦那様〜たしか今日なるるさんを呼び出せる日では…
 あの旦那様?」
知美の言葉虚しく、話に花を咲かせるおじ様
「ってところで、俺の新たなオーバマシンナイトファントムが大活躍するのさー」
「でもクマさんただ乗ってるだけですよね〜」
「レイカちゃん…それ言わないお約束…」
「あの…旦那様…
 なるるさんもう着いてたらどうしましょ(汗)
 あの空間は旦那様しか…」





-----------------次回予告
お久しぶりデスお姉さま
お前は誰だ!
フフフK子の事忘れたとは言わせないデスよ!
…たしかK子ってミコトの事だろ
ボクの隠れファンクラブの会長の
違うデスーーーK子は初代K子デスーーー
酷いデスよ〜〜お姉さま〜本の世界ではあんなに影ながら助けたのに〜うじゅ〜
って言うか、それって別の話だろっ
はふ?そうナンデスカ?
あぁほらこれ見てみな
な…ナンデストーーー
これはK子のHP!!って事はーー
はふーK子来る世界間違えたデスーーー
いや、いいんだって
ちゅーか、此処に呼んだんだし
ご主人様のバカーーーー
これじゃK子として築き上げたお姉さまとの時間が無駄じゃないデスかー
いや、元々K子とハヅたんの間に友情ねーし
そもそも、お前単なるストーカーだし
ガビーン!そ…そんなぁ〜〜
じゃ分かったデス!なるるはこの世界でお姉さまとの愛を育むデス!
おじ様〜だーい好き〜
ふにゃ?
なななななーーーーー
ナンデスカこの子は…
俺ボク達の娘
なるる死んでしまうデスーーーあんぎゃーーーー

あの旦那様?
何か大切な事忘れてませんか?


と言う訳次回!
次回なんてあるのか?
まーいいや





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東葉月ファンクラブ(葉月たん同盟)

セーラー服と日本刀
〜TVアニメ『ヤミと帽子と本の旅人』より〜