作:銃太郎さん

第5話『花・薫・隷・枷 (カ・ク・レ・ガ)後編』


二人は見つめ合いながら同時に快楽の頂点に到った。

春樹はベッドに縛り付けられ肩で息をしている美緒の髪を撫でながらぎゅっと抱きしめた。

それから美緒はもう一度イカされた後でようやく解放された。
激しいセックスの後の虚脱感からか彼女は無言でシャワーを浴び、服を着てそのまま何も言わずに帰って行った。

(美緒、黙って帰っちゃったな。やっぱり激しくし過ぎて嫌われちゃったのかな…もう口も聞いてくれないかも…)

春樹は強い後悔に襲われ、その夜は悶々として一睡も出来なかった。




《一夜明けた土曜日の朝》
【ピンポーン】
春樹の家の玄関のチャイムが鳴った。
春樹が朦朧とした頭で出てみると、門の前に美緒が立っていた。

「あ…美緒ちゃん…」

美緒は白のタンクトップにデニムのミニスカートの私服姿だった。制服姿しか見たことがない春樹は、いつもと違う美緒にドキッとした。

「おはよ、春樹くん。一緒に試験勉強しよ。」

何も無かったかのように明るく微笑む美緒。

「と…とにかく上がって」

美緒は客間に通され、ソファに腰を掛ける。

「あの…どうして…もう来ないかと…」
美緒のあっけらかんとした様子に戸惑う春樹。

「昨夜帰ってからね、思い出してオナニーしちゃった。今もね…」

美緒がスカートをめくると、パンツの下の股間にバイブを挿入していた。

「今日ね、沙耶ちゃんちに泊まるってウソついて来たの。
だから…今夜もいぢめて下さいね、ご主人様。」

春樹の耳元で美緒が囁いた。二人の唇は自然と重なり合っていた。

=====================================

「ところでご主人様、昨日樅子先輩に何て言われたの?」

「樅子先輩?って?」

「だって昨日こってり絞られたって…保健室の調教見られたし。」

「ああっしまった!!忘れてた!!」


=========================

多摩樅子と七回尾奈留が春樹と美緒に助け出されたのはその日の昼前だった。

縛られさるぐつわを噛まされて、双頭バイブで繋がったまま失神していた二人を解放した後、春樹と美緒は平身低頭して謝った。

「まあ、気持ちよかったし、奈留と一晩中一緒に居られたから今回だけは許してあげるわ。ね、奈留。」

「ええ、樅子様。ただおトイレに行けなかったのは辛かったけどね。後の掃除は七瀬がやりなさいよ!」

「あ…二人もお漏らししちゃったんですね。本当にごめんなさい。」

「樅子先輩、七回尾ちゃん、とりあえずシャワー浴びて来て下さい。後は私達が…」

「当然ね、後お腹が空いたわ、お昼ご飯はあなたたちが奢って頂戴。」

「そうよね〜、イタリアンのランチコースくらい奮発してもらわなきゃ割が合わないわよね〜七瀬。」

「あぅぅ…」

「来年高等部に上がったら可愛がってあげるわ、覚悟なさい澤崎さん。」

「はうぅ…汗」

「それから七瀬春樹くん、私達にも縛り方を教えて頂戴。昨夜で癖になったみたいなの、責任取って貰うわよ。」

「ええ〜!?」

「それから、やっぱり保健室でエッチするのは良くないわ。」

「それなら大丈夫ですよ子先輩。私と春樹くんだけの隠れ家を見つけましたから、ね、ご主人様。」

その後、春樹に縛りを教わった樅子と奈留はお互いを縛ったり縛られたりしながら愛し合っているという。

「ねぇ、こんな結末でいいの?ご主人様。」

「まあ…いいんじゃないかな…二人ともラブラブなんだし…汗」

おわり

次へ進む  目次に戻る