───同時刻、太陽の畑にて───

妖怪の山とは反対方面の奥地にある南向き傾斜のすり鉢状の草原。たくさんの妖精が住み着いており、夏になると一面に向日葵が咲き誇る。
だが、この畑には誰も足を踏み入れない。何故なら……




幽香「…そろそろ、花達にごはんをあげる時間ね。」
このアルティメットサディスティッククリーチャ妖怪がいるからである。

ただ……例外もあり、この畑に足を踏み入れる者も存在する。

幽香「もうすぐ、白椿が咲く頃ね。この子、もうほとんど顔を出してるわ。」
花に水を順番に与えており一番最後に白椿に水を与え、まだ少し水が入っているジョウロを地に置き、しゃがんで白椿の花を見る。白椿はすべて蕾が開きかけており、ほとんど開いている白椿も少しある。白椿を見て何を思ったかはわからないが、幽香は優しい微笑みを向けている…。

その時だった。左の方から「カチャッ」という音が聞こえる。何かと思い左を向くと…そこには、天使達がいてこちらに銃口を向けている。
幽香「あら、誰かは知らないけど…随分物騒な物を私に向けるのね?」

『Search.』


Name:Kazami Yuuka
Lv:-
Attribute:Nature
Type:Attacker

【Parameter】(MAX:2.50)

Power:2.50
Defence:2.50
Speed:1.50


『Execute.』


ドォン!!





上位天使の掛け声で、天使達は引き金を引き発砲しようとした…が、それよりも先に幽香が傘の石突から弾幕を放ち、上位天使の胸元にある思念石を貫く。

幽香「ごめんなさいね、普段ならじっくり相手してあげるところだけど…今は、そういう気分じゃないの。それでも続けるなら、今度は額に風穴を……あら?」

幽香が天使達に向けて話していると、上位天使がどんどん消滅していってることに気づく。不思議そうに上位天使を見ながら、そんなに弱い相手なのだろうかと思ったが……よく見ると、天使達の体に似たような石がついてることに気づく。

幽香「なるほどねぇ…どうやら、偶然にもあなた達の弱点を射抜いたようね。これは、早く終わりそうだわ。」

「Danger…!!!」
上位天使が消滅してしまったことに驚き止まっていたが、我に返り統率者がいない状況でも幽香に対して、一斉に発砲する。無数の弾幕が幽香に襲いかかるも、幽香は避けようとせず石突を天使達に向ける。

幽香「もう、避けるのも面倒だわ…。」
石突にエネルギーが集まっていく…



幽香「恋符『マスタースパーク』。」










































幽香「ごめんなさい、驚かせてしまったわね。」
何事もなかったように、白椿の前でしゃがんで話しかける。かすり傷一つすらついていないところを見た限り、天使達は幽香に攻撃を一発も当てることすらできず消滅したのだろう……
花に話しかけながら、幽香は考えた。強くはなかったものの、見たことのない種族…そして、全員の体にあった謎の石…情報が少なすぎて何もわからないが…恐らく、この幻想郷で何かが起きているのだろう。
いつも通り、博麗の巫女や白黒の魔法使い辺りが解決するだろう…と、いつもなら思っただろう。だが、今回のは…幻想郷で度々起こる異変とは、何かが違う気がする。もっと強大な何かが、この幻想郷にいる……根拠はないが、何故かそう思う。

幽香「………。」
幽香はゆっくりと立ち上がり、先程戦闘でも使った日傘を差して白椿に背を向け
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まろやか投稿小説 Ver1.53c