〜シエルside〜
どれほど経つだろうか。君が眠りについてから。
なんとなく膝枕をしてあげているこの状況はとてもレアだ。
...?何故君は泣いているの?つらい夢でも...見ているの?
そっと涙を指で拭う。起こさぬように。
君の寝顔がとても愛らしく、理性を保つのに限界が来ていた。
そっと静かに触れるようなキスをする。君の唇はとても柔らかかった。
恥ずかしさを隠すかのように君の髪を撫でる。
すると、君の目が開いた。
今の状況に困惑するかのように目まぐるしく表情が変わる。
僕は君の腕の中で眠っていたはずなのに...何故?
君の口からこぼれる言葉。
疑問の答えを。
君が中々起きなかったからね。...なんとなくかな...?
気がついたら膝枕していたのだから仕方がない。そう思うと少し恥ずかしかった。
ようやく君が落ち着いてきた、と思った時。
あのさ、一つだけ言っていい?僕は...君が好きだ。友人としても、恋愛対象としても。
君は確かにそう言った。“恋愛対象“としても。それは僕が君の恋人になるチャンスがあるということなのだろうか。
嬉しさが込み上げてくる。
「僕も同じだよ。大好き。愛してる。」
紛れも無い僕の本心。
本心をさらけ出したところでまた少し理性がとんだ。
君とのキス。さっきの触れ合う程度のものではないしっかりとしたキス。
もう、抑えきれない。
ずっとこうしていたい。一度離れてももう一度。
舌を絡ませても拒絶されなかったことに嬉しさが増した。
何もないこの空間に二人の息遣いと淫靡な音が響く。
君とするキスはとても気持ち良くて、声が漏れる。感づかれないように抑えてはいたが、余計に淫らに聴こえてしまう。
ねぇ、僕らは一つになれるかな?
[5]
前編へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想