とある平日の夕方、岩崎荘管理人室にて─
ごそごそ
ルナ「ふぃ、なかなか片付かないな〜」
押入れの物を引っ張り出して整理しているルナ。
ルナ「よ〜いしょっと!」
大きめのダンボール箱を引っ張り出したその時
ゴトッ 一冊の本が転げ出てくる。
ルナ「ん?何この本?」
不思議そうに本を手に取り、内容を読む。
ルナ「ふむふむ… へぇ〜」
次の日のお昼休み、とある教室にて─
ルナ「で、その時のメイちゃんの顔がさ〜♪」
杏子「あはは、それは面白いな」
Mavis「もうやめてよ…」
お昼ご飯を食べながら何気ない会話する3人。
杏子「そういや、明日は休みだな」
Mavis「そうね」
ルナ「あ、そうそう、二人に見せたい物があるんだけど」
そういうと鞄の中からある物を取り出して二人に見せる。
ルナ「昨日、押入れを整理してたらこんな本が出てきてさ」
杏子「なんだこの本?」
ルナ「なんかクトゥルフ神話TRPGのシナリオの本みたいなんだ〜」
杏子「名前だけは少しばかり聞いたことあるな」
Mavis「クトゥルフ神話TRPG?ああ、あれね。やった事あるわ」
ルナ「え、メイちゃんはやった事あるの?」
Mavis「無いとでも思ったの?」
ルナ「うわ、なんかムカつく〜!」
杏子「まぁまぁ」
Mavis「でも、実際プレイしてたのは小さい時なんだけどね・・・」
杏子「ところでTRPGってなんだ?」
Mavis「TRPGっていうのは、テーブル・ロール・プレイング・ゲームの略よ。ロールプレイっていうのは役割を演じるって意味。TRPGで登場させる探索者は、PLの分身だからPLは、そのキャラを演じる事が望ましいわ」
杏子「へぇ」
Mavis「後、TRPGはテレビやゲーム機を使わないのよ。ロールプレイングだから、PLは状況に応じてその探索者が取りそうな行動を予測してシナリオを進めればいいの」
ルナ「この本を見つけた時にいくつか読んでみたけど、そうみたいだね」
杏子「ゲーム機を使わないか…、ボートゲームみたいなもんか?」
Mavis「まぁ、そんなところね」
ルナ「じゃあさ、出来る限りなら何やっても良いって事かな?」
Mavis「えぇ、そうね。現実的に可能と思われる事であれば何でもやっていいわ。鍵の掛かったドアがあれば物で叩き破るなり蹴り破るなりして良いし、敵と戦うならそこら辺に転がってる石ころや物とか投げても良いし・・・ そういう行動の自由が利くところがTRPGの長所でもあって短所でもあるわ」
杏子「何で短所でもあるんだ?」
Mavis「自由すぎるから逆にダメな部分があるのよ」
ルナ「例えば?」
Mavis「例えば、拳銃で人を射殺しちゃったらどうなる?」
杏子「人殺しって事で逮捕されるな」
ルナ「そんでもって牢屋にぶち込まれちゃうよね」
Mavis「えぇ、その通りよ。クトゥルフ神話TRPGの舞台は、大体のものが現代日本の設定なの。だから殺人や器物損壊は犯罪よ。「何でも出来る」けど「何でもして良い」わけじゃないの。行動に寄っては犯罪を犯すのも自由だけど、そうなった場合、どう後始末をするか考えておくことね」
杏子「ちゃんと考えて行動しないといけないってことか。なるほど、よく分かったよ」
ルナ「へぇ、さすがメイちゃん。経験者は詳しいね〜」
Mavis「Lunaみたいにものを考えずに動くような人は特に慎重に行動するべきね」
ルナ「メイちゃん酷い!」
杏子「あはは」
ルナ「私だってちゃんと考えてるのに〜、ぶぅ
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