さてさて、ここでフェルディ・ジャクリーヌのお話は一旦お休み。
前半の物語はここで一括りとしましょう。
ここからは、中盤の物語。エラム王国の最期の物語―――そして、エラム連邦の最初の物語。
今から、ダニールが、アレクサンドルが、キリルが語ろうとした物語。
ジャクリーヌが、フェルディが知らなかった物語。
前半には語られなかった、ある三人の物語を始めましょう。
一つは、誰よりも姉を慕い、人であることを辞めた――――『或ル国ノ王ノ物語』。
一つは、誰よりも村のことを憂いだ――――『或ル村ノ長ノ物語』。
一つは、誰よりも自らの子を愛し、ある一人の女性を愛した――――『或ル青年ノ物語』。
先ずは一つ目。『或ル国王ノ物語』から語るとしましょう。
時は遡り―――――前半の物語から30年ほど前。
彼女の物語は、エラム王国の王宮から始まる。
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