次の日。僕とジャッキーはボスにある場所に呼び出されたので、二人で車でその場所に向かうことになった。
「………これって、たぶん昨日の話だよね」
「……うん。でも、どうしてビルで話さないんだろうね………?」
僕とジャッキーが呼び出された場所。それは、ダニールの鍛冶場だった。
車の中で、僕たちは静かに目的地に着くのを待った。
前行った時はすぐに着いたのに、今回の移動はとても長く感じた。
「……ごめんね。なんか、巻き込んじゃって」
ジャッキーが申し訳なさそうにしている。
「……謝りすぎだよ。僕も『保管庫』?のことは気になってたし。それに……ジャッキーの助けができるなら、僕は嬉しいね」
僕は、対策本部の仲間のために、そのためにここにいる、と誓ったんだ。ジャッキーの手助けができるのなら何よりだ。
「………うん。ありがとう」
そうこうしているうちに、車が目的地に着いた。車を降りると、そこには変わらない、きれいな草原と、小さな一軒家が建っている。
「ここは、何も変わらないね」
ジャッキーがしんみりと言う。僕と同じことを考えていたようだ。
「でも………あの車、なんでだろう。」
ジャッキーが指をさした先には、二台の車があった。
「本当だ……片方の車は………ボスのものだとして……もう一つあるのは?」
以前来た時には車はなかった。とすると、もう一人、来客が来ているということだ。
「片方の車………あれ、キリルさんのやつと同じ。」
ここで、考えもしていない名前が出てきた。キリルさんが来ているのだろうか。でもどうして………?
「………どういうことだろう。」
「ま、考えても仕方ないし!車が同じだけかもしれないしね。どうせ家入ったらわかることだよ。いこう」
僕とジャッキーは、ダニールの家へと向かった。
木製のドアをコンコン、とノックをする。すぐにドアが開いた。
「おう。よく来たな。まあ入れや」
ダニールが出迎えてくれる。その声は心なしか、緊張しているようだった。
促されるまま中に入り、リビングへ進むと、そこには既に二人、来客が来ていた。ボスとキリルさんだ。キリルさんは腕を組んで、壁にもたれかかっている。ボスはリビングの椅子に座っていた。
キリルさんの様子がいつもと違う。いつも優しそうなキリルさんだが、今日は真剣な顔で、口元に手を当てて何かを考えているような表情だ。
「お前さんたちはこっちに座ってくれ」
ダニールが案内してくれた方に僕たち二人は座る。ボスの側に並ぶようにダニールは座った。僕はジャッキーの隣で、ボスとダニールと対面するように座った。テーブルには既に紅茶が置かれている。
「………お前さんも座ったらどうだ。なあ、キリルさんよ」
ダニールがキリルさんの声をかけるが、キリルさんは腕を組み、首を横に振った。どうやら座る気はないらしい。
「さて。人がそろったところで……。どこから話そうか。」
「待って。私、別に話すことに同意したわけじゃないんだけど。」
ボスが話そうとしたところを、キリルさんが割って入る。なんだかピリピリした空気だ。
「私は嫌。この二人のことを考えて。私はエラムのためにこれ以上二人が犠牲になるのは違うと思う」
「………俺だって、こんなこと話したくない。でもこいつらももう大人だ。そろそろ自分たちについて知ってもいいと思う」
「そんなのあんたの都合でしょ。ふざけないで。私は……この子たちが、幸せになってくれれば、それだけでいいの。」
キリルさんの言葉に、ボスが舌打ちをして、キリルさ
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