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僕の嫌な予感は見事的中した。

無限に飲まされ、潰された。最後の方はもう記憶がない。僕はベッドの上で目が覚めると、ジャッキーが隣で寝ていた。

冷蔵庫にあったお酒がなくなると、「買い足してくる!」とかいってめちゃくちゃ買ってくるんだもんこの子。治安が悪すぎ。

隣で寝ているジャッキーの顔に髪がかかっていたので、髪を避けて、顔を見えるようにする。ぐっすり寝ている。かわいい。

僕はベッドから立ち上がり、自分の部屋に戻ろうとすると、ベッドからジャッキーがゆっくりとおきあがる。

「あぁ……おはよう、フェルディ……」

ジャッキーは目をこすって、眠たそうに洗面台に向った。

「じゃあ、僕そろそろ戻るから……」

「あ、うん。夜はお付き合いありがとうございました。用意が終わったらエントランス集合ね」

ジャッキーの横顔を眺める。僕は昨日の夜の光景がフラッシュバックした。少し心臓がどきどきする。ジャッキーは何も気にしていないみたいだが、僕はいまだに気になってしまう。ジャッキーが触れたときの背中の感触がいまだに残っているみたいだ。

「………それじゃ」

僕は足早にジャッキーの部屋を出た。



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なんやかんやで、無事本部ビルに戻ってくることができた。

車の中では、ジャッキーと次はみんなでどこに行きたいかを話していた。今までの元気のないジャッキーではなく、普段通りの活発な女の子に戻っていた。

僕は安心した一方で、少し不安でもあった。

やはり、何かためこんでいるのでは――――。

ジャッキーはその話題に触れることはなかったので、僕も特に言及することはしなかった。

ビルに戻ると、たまたま一階入り口で、マルセルとリーに鉢あった。

「お、お戻りかいお二人さん」

「はい!ただいま戻りましたであります!」

ジャッキーはマルセルに元気に敬礼をして返した。マルセルもその様子を見て、心なしか安堵したような顔になる。

「俺たちは入れ替わりで今から任務だぜ……次から次へとよく湧くよなあ……」

「ほら、愚痴言ってないで行くよ」

リーはマルセルの背中を勢いよく叩く。気持ちのいい音がした。

「いって!まてよ〜〜〜」

マルセルはリーについていった。そして、入り口には僕とジャッキーが取り残された。

「……じゃあ、今日の訓練は私とフェルディだけだね」

「……そうだね」

僕たちは、マルセルとリーを見送った後、自室へと戻った。







昼から、例の武道場でボスとの訓練を行うことになっていたので、僕とジャッキーは武道場でボスを待っていた。しばらくすると、ボスが現れる。

「お、待たせたね〜。二人とも無事でよかった。おじさんうれしいよ!」

ボスは相変わらずのテンションだ。

「ボス……ううん、アレクおじさん。稽古の前に一つお願いがあるんだけど」

ジャッキーはそんなボスの様子には一切反応せず、ボスの方へ一つ足を進める。

「……久しぶりだな、そう呼ばれるのは。なんだい、ジャッキー。何でも言ってごらん」

ボスも少し空気が変わる。なんだか、お父さんのような優しい声だった。

「………図書室の『保管庫』。閲覧権をください。」

ジャッキーはそういうと、深々と頭を下げた。ボスは目を見開いて、ジャッキーを見る。驚いているようだ。

「………一応聞くけど、急にどうしてだい?あそこはそう簡単に入れる場所じゃない、っ
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