理奈「!お久しぶりっ!」
二時間目が終わり、廊下を歩いていたらばったりと出会えた。3年生の川崎理奈先輩だ。
「…なんでここにいるのですか?」
理奈「私は私立を受けたから今日合格通知が届いたの。今日はその報告のために、ね。」
この学校では、合格したら必ず自分の足で学校に来て報告をしなければならないという暗黙のルールがある。それに従ったというわけか。
彼女、川崎理奈とは、幼馴染だ。幼稚園にいた時から一緒によく遊んでいた。中学になってからも、彼女から勉強やその他様々なことを教えてもらっていた。
師匠のような、友人のような、姉のような、そんな存在。僕はそんな彼女に好意を持っていた。だから、だからこそ、彼女にだけは別れを告げたいと思っていた。
理奈「じゃあ、また今度ね、幸人。」
あ、そういえば、皆さん僕の自己紹介してませんでしたね。七草幸人です。ってこんなことしてる場合じゃない。理奈に何か伝えないと…
もう二度と、川崎理奈に会えない気がする。
何か、何か―――――――――
幸人「先輩ッ!!」
理奈「どうしたの?」
理奈は振り返った。
幸人「―――――――また、
遊んでくださいね。」
彼女は、赤らめた笑顔でこう言った。
理奈「うん。また、誘ってね。」
その笑顔、とっても素敵でした。
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