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レストランを出た。味はおいしかったが、正直自分が何を食べているかよくわからなかった。マルセルが隣で詳細に感想を述べてくれていたが、全然そこまでわからない。次はもう少し料理について学ばなければならないと感じた。はぁ………。

次に向かったのがまた服屋。今度の服屋はマルセルの行きたいところだったため、メンズ専門店だった。余り特筆することはなく、マルセルが楽しむ様子を僕たち三人で眺めていた。女性陣が「メンズだから別のところいこう」と言い出すと、マルセルが「そんなこと言うなよ、みんなで一緒に回ろうぜ!!」といって女性陣が出ていこうとするのを阻止していた。「自分は出ていくのにな」と言ったリーの小声がすっごいチクチクしてたが、マルセルは何も気に留めていないようだった。

マルセルが満足したところで、次は僕の行きたいところになった。僕は展望台に行きたったので、そこに行くことに決まった。

雑誌で読んだのだが、ランチバークには全長1キロ以上の高い電波塔があり、そこには展望台が備わっていて、そこからの景色が絶景だと書いてあった。僕はその記事に興味がわいたので、そこに行くことを提案した。

全員からOKが出たので、みんなで服屋から電波塔へ向かった。

道中、リーが少し寄って行きたい店があるというので、そこに行ってから電波塔へ向かうことになる。その店は、ゴスロリ専門店だった。

「あーー……私、別のところにいっていい??」

ジャッキーは何かを察したかのようにしてその場から逃げようとする。リーは逃げようとするジャッキーの腕を掴んだ。

「逃がさないよ?」

「………私、絶対何も買わないよ?」

何だか女の戦いが繰り広げられているみたいだ。

「別にいいじゃねえか、はいろうぜ〜〜」

無神経なマルセルが、何も考えずにその店に足を踏み入れる。

「……そういうわけなんで」

両眼を光らせるリーと店に入っていくマルセルを見て、何やらあきらめるジャッキー。

「…………」

何が起こるかよくわからなかったが、僕はジャッキーとリーの二人についていく形でお店の中に入った。





「じゃあ、男子組は適当に店の中回っててよ。私とジャッキーで話があるから」

リーは僕とマルセル二人にそう伝えると、ジャッキーを連れて店の奥へと進んだ。

「………なんなんだ?」

「さあ………?」

深入りするのも面倒そうなので、僕とマルセルで店の中を回る。店の中には何かの舞台の衣装のような服がたくさん陳列されていた。マネキンに着せられた服は童話にでも出てきそうな服ばかりで、マネキンが動き出しても不思議じゃなさそうな空気が漂っていた。

お店の中にはほかにも客がいたが、なんだかめちゃくちゃ見られてる気がする。それもそうか、この店は基本女性が来る店だ。男だけで見て回っていたらそれは不思議な光景だろう。

僕はだんだんこの店に居づらさを感じる。

楽しそうに見ているマルセルに声をかける。

「ねぇ……少し外で待たない?ちょっと居づらいんだけど……」

「?そうか?俺はそうでもないけど……」

どうやらマルセルはあまり視線が気にならないみたいだ。僕は仕方なく、マルセルについて店を回る。

しばらくすると、リーから「試着室に来て」と連絡が来る。僕たちは試着室を探し、そちらの方へ向かった。そこにはリーの姿があった。

「……来たね。もう少し待ってて。面白いものが見れるよ。」

リーは怪しげな笑みを浮かべながら腕を組んでいる。

僕はその姿を見て、リーがこの店で何をしたかったのかを察した。

「そんな……やられた
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