僕はシミュレーション訓練を終え、一人で食堂で夕食を取り、自室に戻った。
シミュレーション訓練で模擬吸血鬼と戦ったが、防戦一方で、全く手が出なかった。
僕はいつになったら彼らのように戦えるようになるのだろうか。
僕はベッドで物思いにふけっていると、ドアのインターホンが鳴った。ドアの方に歩いてドアを開けると、いつもの三人が僕の部屋の前で待ち構えていた。ジャッキーとマルセルが両手に何か入ったポリ袋を持っている。レイラは二人から一歩離れたところにいた。なんだか不機嫌そうだ。
「…どうしたの」
僕が尋ねると、マルセルがすごいにこやかな顔で、右手のポリ袋を掲げた。
「何ってそりゃ…『歓迎会』だよ」
とても嫌な予感がした。
////////////////////////////////////////////////////////////////////
三人はまた僕の部屋にずかずかと入り込んで、思い思いの場所に座る。
「歓迎会って……今から何をするつもりなんだ。一応、明日は朝九時から予定があるんだけど」
「ん?あぁ、リーから聞いてる。ダニールのところに行くんだろ?大丈夫大丈夫、12時にはお開きにするからよ」
「ところでフェルディはシャワーは浴びた?」
「まだだけど…」
「じゃあ先に浴びてきなよ。歓迎会はその後で。シャワーが浴びれなくなるかもしれないからね…フフ!」
ジャッキーが何やら怪しい笑みを浮かべるので怖くて仕方ないが、言われた通りにシャワーを浴びることにする。
「…………ハァ……」
レイラが深いため息をついたのには気付かなかったふりをした。
シャワーを浴びて、着替えてシャワールームを出ると、床にたくさんの缶と瓶が置かれていた。
「これは……」
「酒だよ、酒。お前が来てからまだやってなかったろ?せっかくみんな非番だしな、やれるうちにいろんなことをやっとかねえとな」
そういうと、ジャッキーは使い捨てのプラスチックコップを取り出し、中に茶色の液体を注ぎ込む。
「治安悪……」
レイラが呆れたようにつぶやく。あの茶色の飲み物はそんなに治安の悪い飲み物なのか。というか、治安の悪い飲み物って何?
ジャッキーが一人ひとりにその飲み物を渡していく。全員にコップがいきわたると、マルセルがコップを掲げる。
「じゃあ皆さん!グラスを掲げてッ!!」
マルセルが号令をかけると、二人もそれに倣ってコップを掲げる。僕もみんなの真似をしてコップを掲げた。
「では!フェルディの入隊と我々の出会いと今日まで生きて酒を飲めることを祝してッ!!乾杯っ!!!!」
「「かんぱ〜〜〜ぃ!」」
各々がグラスを交わし、茶色の液体を一気飲みする。
僕も真似をして中の液体を一気飲みする。
が、むせかえった。なんだこれ、すっごいのどが焼けるように熱い。ジャッキーとマルセルが大爆笑する。
「ははははははっ!!ノリがいいなあフェルディは!!酒飲むのは初めてだろ?そんなに急がなくてもいいぞ!!」
「これはウイスキーって言ってね、アルコール40度くらいあるやつだからね!ゆっくり飲むといいよっ」
よく見ると、みんなコップの中のウイスキーはそんなに量が減っていない。飲む仕草をしただけだった。
「……やられた…」
レイラの「治安が悪い」という言葉の意味がやっと分かった。これは治安が悪い。
「まあこの『歓迎会』はここからだ。次はガチで一気飲みしてもらうからな」
「じゃあまず何からやる?」
「そうだなぁ〜…まあ王道にババ抜きでもやるか!負けたやつは一気飲み!」
「………負けたくな〜〜〜〜……」
「この前はリーにボコされ
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想