ジャッキーが本を自室に置きに行った後、昼食をとりに僕とジャッキーは二階の食堂に向かった。僕もジャッキーも日替わり定食を頼んだ。麻婆豆腐丼とサラダだ。
席に着き、昼食を取り始める。
「そういえばさ、聞きたいことがあるんだけど」
「何?」
「……7階に行ったら、鉄製の見慣れない扉があったんだよ。スマホをかざせって書いてあったからやってみたんだけど、閲覧権限がありませんって言われて跳ね返されたんだ。あそこって何があるの?」
ジャッキーは麻婆豆腐を口へ運び、飲み込んでから答える。
「私もあそこの中には入ったことがないっていうか、入れなくてね。いつかにボスに聞いた話だと、あそこにはエラムの今までの戦争の記録とか、機密事項が保存されてるみたいだよ。なんか入れない部屋があるとわくわくするよね!」
機密事項。中に何が入っているのか、確かにとても気になる。
「あそこの中に入れる人は本当に限られてるみたい。ボスは入れるみたいだけど…『入る必要のない人間は入らない方がいい』だって。そういわれると気になるよね〜」
「気になるね。何が入ってるんだろう…」
どうやらあの扉の中の話はあまり周りの人からは多く話を聞けないみたいだ。
僕たちは話題を変え、たわいもない話をして昼食を終えた。
食堂を出て、一緒に自室付近まで行くと、僕はジャッキーにレイラと明日の打ち合わせがあるといって別れた。レイラとはそこまで仲良くできてないから二人だけでしゃべるのは気が重いが、仕方ないと割り切って、レイラの部屋のインターホンを鳴らす。
しばらくすると、レイラが中から出てきた。
「………戻ってきてたんだ。お疲れ様」
「あ、うん。ありがとう」
「…………」
「…………」
沈黙。非常に居づらい空気だ。
僕はレイラに合う目的を思い出し、明日の打ち合わせについて話す。
「明日さ、鍛冶師?のところにレイラと一緒に行くみたいな話をボスにされたんだけど…」
「…あぁ、そうだった。なんかボスからメール来てた。そうだね…立ち話は疲れるしさ、…フ………フィ……ぁっ、フェルディの部屋に行ってもいい?」
まだ名前を覚えてもらってないみたいだ。
「あ、うん。じゃあ僕の部屋に行こうか」
レイラと僕は僕の部屋に移動する。
「へぇ……見た感じ来た時とあんまり変わってないね」
「まあここにきてからまだ時間経ってないし、あんまり自室にいなかったしね」
レイラはそれもそうか、と納得した素振りを見せる。
レイラはデスクの椅子に腰を下ろす。僕はベッドの上に座った。
「明日は朝九時に一階エントランス集合でいい?」
「あ、うん。じゃあそれで」
「武器が届くのは鍛冶師…ダニールに会ってからだいたい一週間後。まあなかなかにくせのある奴だから覚悟しておいた方がいいよ」
「クセがあるのか……」
余計に会うのが億劫になってきたなぁ…
「まあ仕事は一級品だからそこは安心していいよ」
「レイラもその人に武器を作ってもらったの…?」
「まあ。てか、みんなダニールに作ってもらってるよ。ボスの古い知り合いらしい」
ボスつながりで作ってもらってるんだ。顔が広いんだな、ボスは。
「全然違う話だけど…レイラは暇な時は何をしてるの?」
うわ。すっごい嫌そうな顔してる。事務仕事以外はあまり関わりたくないって感じがひしひしと伝わってきた。
「……まあ、ゲームとか、シミュレーション訓練とか、気分次第…」
「そのシミュレーション訓練ってさ、ボスも言ってたけどどこでやるの?」
僕が尋ねると、レイラは驚いた顔をした。そしてすぐに目つきが悪くなる。
「……あのクソボスそんなことも教えて
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