ボスの部屋を出ると、僕たちは一回上に上がった。エージェント居住階だとジャッキーに教わった。ジャッキーに僕の部屋だといわれ入った部屋の先は、高級ホテルのような一室だった。あらかた部屋の中にあるもの、部屋の構造を教わると、「じゃあ私隣の部屋だからまたわからないことあったら聞きに来てね〜」と言って自室に戻ってしまった。
おそらく一階層に部屋は4つ、廊下に4つのドアがあったのでそうだと考えられる。僕はエレベーター側から見て左奥の部屋なので、隣―――――つまり左手前がジャッキーの部屋だろう。エージェントはほかに2人ということか。マルセルと…あと一人は誰なのだろうか。
あまり人とかかわるのは得意ではないと思っていたが、心が少し踊ってしまっている。よくないよなあと思いながら、だだっ広い部屋の中にあるベットに倒れた。
しばらくベットの上でぼーっとしていると、ドアをドンドン叩く音が聞こえた。気になったのでドアの方に向かい、開けると三人が部屋の前にいた。
そこにはジャッキーとマルセル、そしてもう一人…ゴスロリの服を着た僕を同じ身長くらいの女の子がいた。肌は白く、黒髪ツインテールが特徴的で、かわいらしい服装とは対照的に鋭い目つきをした女の子だ。
「ようフェルディ!邪魔するぜぇ〜」
マルセルはそういうと僕のことなど構わずづかづかと僕の部屋へと入ってきた。確か下で会った時は3時間走ってくるとか言ってたけどもう戻ってきたのか………
僕は何が何だかわからず、ジャッキーに助けを求める視線を送ると、ジャッキーは肩をすくめた。
「私もさっき急にマルセルに呼び出されてね。フェルディのことが気になりすぎてランニングからすぐ戻ってきたみたいで……。みんなで新人の顔合わせをしたいって言ってきかなかったの。疲れてるところ急に来てごめんね。」
ジャッキーはそう言って僕の部屋に入ってきた。
一方ゴスロリの子は…………
「………………」
無言で僕の方など気にも留めず、そそくさと僕の部屋に入ってきた。
いったい何なんだ…………
扉を閉め、部屋に戻ると、ジャッキーとマルセルは僕のベッドの上に座ってくつろいでいた。ゴスロリの子は机の前にある椅子に座っている。僕だけが立っている状態だった。部屋主は僕なのに。
そんなことを考えていると、マルセルは一拍手をたたいた。
「さあ、平社員がそろったところで!自己紹介をしてもらおうか新人君!」
マルセルがそういうと、三人みんな僕の方を見て僕の言葉を待った。
人数が少ないとはいえ、注目が集まるところでしゃべるのは緊張する。
「………えっと……フェルディです…よろしく……」
「……………」
「……………」
「……………」
沈黙。三人とも僕の方を見たまま静止していた。僕は何か間違ったことを言っただろうか。
僕が不安に駆られていると、沈黙を破るようにマルセルから怒号が飛んできた。
「ぅおおおおおおいっ!!!!そんだけかよっ!!!!」
「フェルディはそんなしゃべるのが得意じゃないから許してあげてよ!初対面だし!」
ジャッキーがフォローを入れてくれる。
マルセルはそれもそうか〜とぼやく。ゴスロリっ子は相変わらず黙ったままだ。
「じゃあ俺がインタビューをしていこう!生まれは……ってみんな知ってるか。」
僕がロブエ族ってのはそんなに有名なのか。僕まだそこのゴスロリっ子に何も言ったことない気がするんだけど。
「そうだなぁ〜……じゃあまあフェルディの前に俺たちが自己紹介するか!」
「そうだね!それがいいよ!」
マルセルの提案に同意を示すジャッキー。ゴスロリっ子は………めちゃくちゃ
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