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目が覚めると、そこは白い部屋だった。
僕はその白い部屋にある敷物…いやベッドの上で横になっていた。
周囲を見渡すと、体のあちこちにひものようなもの…コードがたくさんつながっていて、それらすべてが周りの機械から生えていた。頭が重い。手で触ると、何かヘルメットのようなものがつけられていた。
「ん、起きたみたいだね」
白い着物…白衣を着た黒髪の女の人が僕の顔を覗き込んだ。
眼鏡をかけた後ろで髪を結ったきれいな女性、それが第一印象だ。
「ここは……?」
ベットが半分起き上がり、僕は座っているような状態にされる。
僕のベットから少し離れたところに機械が、パソコンが置いてある。
「ふふ……知りたいかい?」
女の人が意地悪そうな笑みを浮かべてくる。早く教えてほしい。
というか、ここがどこか以前に、僕を運んだ彼女はどこに行ったんだろうか。
村はどうなったのだろうか、なぜ村が燃えていたのか。
次々と湧き上がる疑問に気づいてか気づかずか、女の人が話す。
「まぁ君は今君が置かれている状況が全く分からないだろうけど、とりあえず命を取られたりとかそういうことは絶対ないから安心して、私が保証する。」
この人に保証されたところでこの人が誰だかわからないし……
「あぁそうだった!まだ自己紹介をしていなかったね。私はキリル・アスフォード。エラム連邦直属の研究所、キリル研究所研究長だよ。まあこの研究所には私一人しか働いてないけど。」
キリルアスフォード。どこかで聞いたことのある名前な気がするが、そうでもない気もする。実際問題この人の顔は今初めて見たし。女の人は続ける。
「エラム連邦。エラム連邦の前身、エラム王国に住む私たちエラム人は、多人種に比べて身体能力が高い人種でね。知能においても肉体においても強いエラム人は他国多人種に侵攻して、自国へと吸収して大きな連邦国家を作り上げた。ロブエ族はエラム人の中でも特に身体能力が優れている部族のことだ。まぁあいつらは………君も知っての通りの結末を迎えたけどね。」
そう言って彼女は机の上にあったコーヒーカップの中のコーヒーを一口すすった。
この話はどこかで聞いたことがある。村長付近が誰かと話してた時に知ったんだろう。
「それで………村の奴らはどうなったんですか」
僕が問うと、キリルさんは一瞬驚いた顔をして、すぐに普段の顔に戻って答えた。
「皆殺しだよ。君以外ね。」
あれは…村の火事などではなく戦火だったのか。
「強いんですよね…ロブエ族って。どうしてそんな他国の侵略に負けるんですか」
「答える前に一つ」
彼女は僕へと一歩ずつ距離を詰め、僕の唇を人差し指でつんと触って言う。
「私に敬語は使わなくていいよ…名前はキリルさんって呼んでくれるかな?」
優しい笑みでそう言われ、心臓がばくばくする。僕がうなずくと、キリルさんは僕との距離を元に戻して答えた。
「あれはね、他国に攻められたわけじゃない。エラムがロブエ族を滅ぼしたんだ。」
「………どうして…?」
僕が尋ねると、一つ間を置いてキリルさんが答えた。
「ロブエ族がね、連邦に反旗を翻したんだ。連邦がその動きを察知したから、粛清したんだ」
「……………」
理由は分かったが…何とも言えない感情になった。
別にあの村に思い入れがあるわけじゃない。むしろ恨みがあるくらいだけど、自分の育った村が消えたと聞くと、なんとも言えない気持ちになった。
僕とキリルさんの間に微妙な空気が流れ、沈黙が広がる。
そうしていると、ピーッと何かのブザーが鳴った。
「おっとごめんね、少し席を外すよ」
そう言ってキリルさんはパソコン
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