2-1.鎮守府一斉テスト1

【鎮守府校1−1にて:磯風】
五限目の授業が終わり、学校からの連絡を伝える“帰宅会”の時間となった。
そもそも私たち艦娘はほとんど鎮守府を出ないのだから帰宅というのは何かとおかしいと思う。
「来週はテストですので、みなさんしっかり勉強してきてくださいね」
教官の鳥海がそういうと同時に、駆逐かんむ素の多くが「えぇ〜」とか、「めんどくせ〜」とか愚痴をこぼしていた。
私は後ろの席の浜風に話しかけた。
「私と浦風とお前は、明らかに他の駆逐艦より肉体年齢が高いだろう?」

「うん」
「ならば、私たちは重巡の皆と同じ扱いになり、テストは受けなくてもよいのではないか?」
「……………」
「……そーいう理由やと、元からうちら、授業受けんで良くなるよね…?」
さらに浦風が話に入ってくる。
「つまり“駆逐艦はみな平等”ということ………だと思う」
「まあ、諦めや」
「…………ぇ〜〜…」
テストは受けなければならぬのか。
私はその帰宅会中、ずっとテスト回避の方法について考えていたが、遂にその方法は浮かばなかった。
テストまであと七日だ。
16/03/17 23:29更新 / Catll> (らゐる)
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