「なんで…殺したんだ」
二階の部屋。そこには、人形と、山積みにされた人の屍があった。
「私、メリーさん」
「この前聞いた」
屍を見ても動揺しなくなった自分は相当いかれてると思う。
「質問に答えろ。何で殺したんだ」
「私、メリーさん。私、人形。私、人のモノ。私………あなたの…『ミラン・ゲーター』の《元》所有物」
「………何を…」
そんなことは記憶にない。
「私も、ヴェルも、ヴェーハも、クレルも、カレンも、ヌーイも……みんなみんな…あなたの《元》所有物」
「……確かに、昔は人形で遊んでいた。でも…それが何だって言うんだ!!?」
「あなたは…私たちを捨てた。この、廃墟に。私たちに…感謝もせずに…」
「…………モノに気持ちがあるっていうのかよ…」
「ある。私たちには、気持ちが、ある」
「……………」
「私たちは『モノ』。使えば使うほど、汚れ、脆くなり、壊れる。当然の摂理。私たちは人間のために働いた。その身が朽ちるまで。でも……あなたたち人間は、私たちを蔑む…ごみを見るような目で。」
「……………」
「私たちは抗争をした。人間を敵対視するモノと、そうでないモノと。一回は丸く収まったけど……でも、無理だった。一部のモノを除いて、みんなが人間を敵対視するようになった。あなたちのせいで………っ…みんなが……離れ離れになって………」
「…………で?」
突如、殺気を感じた。この人形だけのじゃない。
この世界、全てから。
「てめぇに永遠に醜く懺悔してほしいっていってんだよ、クソガキ。」
「………!」
屍の中に…自分の…体があるのを…発見した。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!
やっと気づいたか!!
てめぇはもう死んでんだよ!!!
現実世界でてめぇはただの行方不明者だ!!!
その屍はモノに恨まれた人間たちの死体だ!!
こいつらは全員魂を抜き取られてお前と同じように苦しめられてるんだ!!ハハハハハハッ!!!気味がいいなァおい!!!」
「死ん……だ…」
嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ―――――――――――ッ!
「で…でも……『鍵』は……」
そうだ、まだ鍵がある。花を見つければ…
「そんなもの、ねぇよ、バ――――カww」
「嘘だッ!!!!!」
「ハハハハハハハハハハハ!!!!いいねぇその絶望に満ちた顔!!あぁ…そうだよ……これが報いだ…さぁ、苦しめ!!」
涙に満ちた目に映る…人形。
奴はこういった。
「貴様を助けるモノはもう無い。
そんな中で…どうやって醜く動くのかなぁ??」
首を切られる直前、僕は疑問に思った。
何であの三体の人形は僕のことを助けてくれたのだろう……?
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