二階の部屋の一つ。
計三つあるドアの中から、「リルのおへや」と子供が書いたと思われる文字の掲げられた部屋を選んだ。
早速開けてみる。
ガチャリ
ホラゲーなら多分少女の死体とかが襲ってくるのだろうが、今回襲ってきたのは…
「「「手を上げろ」」」
あの殺戮人形と同じくらいの大きさの少年少女の人形三人だった。
一人は西洋風の軍服を着ており、少し長めの金髪だ。刀を僕の喉元に突き立てている。(といっても届いていないけど
残りの二人は、双子人形らしく、服装は先程の少年と同じで、女の子の方が髪が少し長い。どちらも、白色の髪で、こちらは銃を突きつけている。
少年「貴様に問う。」
双子少年「貴様はメリーの手下か否か。」
双子少女「十秒以内で返答しろ。」
……メリー?もしや、先程襲ってきた人形のことか?
たぶん、そうなのだろう。そうでなくても、そもそもメリーという存在を知らない時点で、手下でないことが証明できる。
「……違うよ。」
少年「ならば二つ目の質問だ。」
双子少年「貴様はなぜここにいる。」
双子少女「十秒以内に返答しろ。」
それにしても、息ぴったりだな。
僕はこの屋敷に入るまでのいきさつを話した。
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三人「「「そうだったか…疑ってすまない。」
話を聞くなり、三人は同時に頭を下げる。
本当に息ぴったりだな。
少年「自己紹介が遅れたな。僕はヴェーハだ。」
双子少年「私はヴェル。」
双子少女「私はヌーイ。」
少年も双子人形もとても整った顔立ちをしている。
が、双子人形はいまいち元気がない。この口調と言い、このじと目と言い、もう少し元気にしてもいいんじゃないかと思う。
ヴェーハ「さて、次は僕たちが情報提供するべきかな。」
少年が今までのいきさつを話した。
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少年の話は長ったらしいものだったので、要約すると、人形界には二つの派閥があったらしく、その一方のトップがあの『メリー』という人形だったそうだ。そしてそいつが、もう一方のトップを殺したことによって、力を手に入れたと同時に、狂気を帯び始め、たくさんの人形を殺し、その魔の手から逃れられたのがこの三人というわけだった。
そして、この屋敷を出るためには、《鍵》を見つけなければならないらしい。
また、彼らは僕のカギ探しを手伝ってくれるという。
というわけで、彼らと共にこの家を探索することになった。
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