彼は生きる意味を考えてみた。
『何故生きているのか。
真っ先に出てきたものはバトミントンだった。
バトミントンをやりたいがために生きているのか?
と、自分に問いかけても、yesとは返ってこず。ならば彼女のためかと再度問うも、答えは変わらずnoだった。
「バトミントンは趣味だし、才能ないんだからとか、彼女にはもっといい人がいるんだから、」
みたいな声は聞こえないことにする。逃げだが、それでいい。
その結果、僕は答えを出した。
「死ぬのが怖いから」
だそうだ。
僕はなんだか空っぽになってしまった。
なんで、生まれたんだ?
なんて、無意味な生なんだ。
それからの僕は世界を憎んだ。生きることを哀れんだ。
そうして、気づくと呼吸が出来なくなった。
それからぼくはマスクを常備するようになった。精神的覚醒剤みたいなものだ。これがないと生きていけなくなっていた。
気付くと、友達は減り、彼女も遠くにいってしまっていた。
「前の、みちあふれてたクウヤはどこにいっちゃったんだろうね」なんていいながら、乾いた笑いをこぼしたりして別れていった。
思考に怯えた。そして祈った。
「この愚かな思考を取り除いてください。」』
ーそうして彼は祈りを抱き、私に譲渡した。
そういうわけだ。分かったろ?ー
なんて、都市伝説「記憶泥棒」こと祈りの譲渡人「山口」は語りを展開していった。
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