「大人になれば」
きっとなんでも出来るようになると思ってた。
金稼いで結婚して、幸せな時間を過ごして、欲しい物を手に入れて。
いつからそう思いはじめていたのか具体的には覚えていないが、そんなことを毎日毎日考えながら生きてる子供だとしたらどんだけ闇抱えてんだと思う。
俺は将来、近い未来のことなんぞ何も考えず生きてきた。
考えずというより、考えたくないから逃げた、の方が正しいと今なら思う。
高校卒業を控えた今、就職、進学この二つで多くの学生が揺れている。俺もそうだ。
秀でた才能や技術、誇り、経験値がない俺は自分に自信が持てない。それに今まで自分自信がどんな道を辿るのかを考えて来なかったから尚更だ。
卒業まで残りの3ヶ月を切った。
2度と春なんて来ないのではないかと思わせるほど冷たい風と乾いた景色が、よりいっそう俺の不安を煽っているような気がした。
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