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あのゲームが始まって、六日目…午前1時55分
やはり、みんな眠れていない様子だ…移動してる途中に見た…大勢が死んだこともあるが、昨日は朝早く行われたこともあるからだ…
僕は今、遥さんと一緒に僕等の教室にいる
遥「………」
遥さんは、僕の手を握った。その手は、少し震えていた……
優「大丈夫…大丈夫だよ…」
僕はそう言って、遥さんの手を握った。
時計を見ると、し時59分だ……あと1分で2時になる。そういえば、僕の腕時計5秒進んでたっけ…

ジジッ…
時計の長い針が、12を指す。2時になった




















ピーンポーンパーンポーン


校内放送が入る。
加奈子「影が現れたよ!麒麟は第一校舎と第二校舎の中庭、狼は第三校舎3階、猿は第一校舎付近にいるよ!」
それだけ言うと、放送が切れる
優「逃げよう、遥さん!」
遥「…うん!」
僕は遥さんの手を引いて、教室から出た。



加奈子「やっぱり、影達は動物の形になってる…!」
麒麟はゆっくりと移動している上、建物には入れない…が、前回のように獲物を見つけると学校の窓ガラスを割ってその獲物を狙ってくる。近くにいなければ狙われることはない……問題は狼と猿だ。狼は床に鼻を当てて、獲物の臭いを追っている……猿は壁なども平気で登ったりしている

加奈子「佐山、その廊下の右の方に狼がいる!気づかれないようにいきな!」
佐山「え、う、うん!」
佐山は、そっと廊下を通りすぎようとしている…狼は相変わらず臭いを追っている。
佐山「………」
狼を見ながら、渡り廊下まで移動する。気づかれてないため安心したのか、普通に走って移動する……足元に散らばってる石にも気づかず。
気づかないまま、その石を蹴ってしまった



カツン…カツン…………

石が転がる音が響く。当然その音を狼が聞き逃すはずもなく…(

狼「グルルルルル………」
凄まじい速さで、石が転がった音の方まで走っていく
加奈子「佐山!狼がアンタに気づいた!!急いで前にある階段を下りな!」
佐山「ぇ…えぇ!?」
狼に見つかったことに驚き、焦って階段の方まで走って階段を下りていく。半分下りて、曲がろうとした時

狼「ガアアァァァァッ!!!」
狼が佐山に飛びかかり、左肩に噛みつく
佐山「ぃ、いだぁ…っ!?ぁ……ああ…だれかぁ!!助けてぇぇぇっ!!たすけてえええ!たすけ…ぇ……」
佐山がどんどん溶けていく。溶けた皮膚が床に広がり、すぐに衣服だけになってしまった…

加奈子「…クソッ!!」
佐山が死んでいく光景をただ見ることしかできなかった加奈子は、机を殴った。
加奈子「アンタ達、狼は臭いと音に敏感だ!おまけに速さが異常だから、絶対見つからないようにしろっ!」
京也「おうっ!!」

加奈子「現在、狼が第二校舎の西側の階段、麒麟が第二校舎東側入り口付近、猿が第三校舎の東側から入ったよ!」
優「了解!第一校舎に逃げよう!!」
遥「うん!」
第二校舎の渡り廊下を走って、第一校舎に入る。すぐ近くの教室に入って隠れる
優「………」
遥「………」
早くなった鼓動が聞こえる……遥さんのも、手から伝わってくるような…
お互い、手を固く握っていた。離れないように…絶対、この手を離しちゃいけない……何があってもだ…!

加奈子「よし、今のところは誰も死んでない………?」
加奈子が、映像の異変に気づく
加奈子「おかしい…猿がいない……さっきまで第三校舎にいたのに……」
先ほど第三校舎に入った猿が、どこにも見当たらないことに気づく。あの短時間で外に出たとは思えない…それに、ここまで
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