……………………
……ィ………
……レ……………
なんだ………この声……
…レ……ィ……
どこかで、聞いたことあるような…
……レイ………
ボクを呼んでる……?
暗闇の中、目の前にシグナが現れる
シグナ…………
シグナ…!治ったの!?
シグナ「…………」
…よかった…これで、ボク等の約束が守られるね!
シグナ「ごめんなさい……」
え…………?
シグナ「私は…もう………そちらへは行けません」
何を…何を言って………
シグナ「今まで…ありがとうございました。楽しかったです…」
一回お辞儀した後、シグナは向きを変えて歩き出す
シグナ…!?ねぇ……!それってどういうことなの…!?
走っても、シグナに追い付けない。どんどん遠退いていく
待ってよシグナ!!ねぇ、待って!!
ボクを置いていかないでよ!!戻ってきてよシグナ!!
シグナが完全に、闇の中へ溶けていった
レイ「シグナぁっ!!」
勢いよく上半身を起こして、右手を伸ばした……
レイ「あれ……今のは、夢……?」
辺りを見回すと、自分が泊まっていた宿屋の部屋であることに気づく。
レイ「…嫌な夢だったな……」
ふと窓の方を見ると、誰かが椅子に座ってる。それが一瞬、シグナに見えた
レイ「シグナ!?」
その人物はシグナではなく、ミケの助手のアリアだ
レイ「…………」
アリア「ん……ふぁ〜ぁ……なんですか、大声を出して…」
レイの声で目が覚めたアリアは、軽く伸びをして目を擦る。レイが起きたことに気づけば、立ち上がって
アリア「あ、起きてましたか〜」
レイ「…ねぇ、あのおじいさんは…?」
アリア「ミケさんですか?あのデータを提出しに行きましたよ〜…でも、もう戻ってるとは思いますけど……」
レイ「…そっか………」
レイはうつ向く。うつ向いたまま、こう続ける
レイ「…ねぇ……シグナが治らないってこと…ないよね……」
アリア「え、どうしたんですか?」
レイ「……ボク……シグナが別れを言う夢を見たんだ………だから…」
アリアはレイの前まで歩き、しゃがむ
アリア「大丈夫ですよ!ミケさんがいるんですよ?かなりの凄腕なんですから!安心してください!」
レイ「…うん」
部屋の扉が開く。そこには、ミケの姿が
ミケ「おぉ、二人とも起きておったか。仕上げじゃ…アリア」
アリア「あ、はい!」
立ち上がって、ミケのところまで行くアリア。ミケはレイの方を向き
ミケ「少年よ、お前さんはどうする?」
レイ「…待ってるよ」
ミケ「そうか……それじゃあ、早く終わらせてくるぞ」
それだけ言うと、扉を閉めた
レイ「…………」
あの夢を見たせいか、シグナがもし治らなかったらどうしよう…と、マイナスなことばかりを考えている。
そんなことは考えたくないのに……治った時のことを考えようとしても、夢の中にいたシグナの言葉が頭の中で響く……
何でだよ……シグナ………お前だって、ボクとの約束…忘れた訳じゃないだろ…?なら、帰ってきてよ……
信じてるよ…シグナ……また一緒に暮らせて、青い空を一緒に見れる未来を……
ガチャ
扉が開く。そこには、ミケとアリアがいた
レイは立ち上がって、二人の元へ
レイ「治った!?治ったの!?」
ミケ「…落ち着け、落ち着くんじゃ」
レイ「うん……で、どうなの…?」
ミケ「あぁ……治ったぞ」
レイ「…!」
その言葉を聞くと、レイ
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