ずっと走り続け、次の目的地である町に辿り着いたレイ。先ほど自分を庇って熊に傷つけられ、動かなくなってしまったシグナをおんぶして、宿屋を探している
レイ「……あ、あった…!」
宿屋を見つけて、入る。受付にいる宿屋の人間に代金を払って、一部屋借りる
受付「…あの、そちらの方は大丈夫ですか…?」
受付がシグナを見て、大丈夫か聞く。
レイ「大丈夫…部屋で寝かせれば大丈夫だよ……それより、この町で機械に詳しい人とかいる?」
受付「えっと………すみません、わかりませんね…」
受付は少し考えるが、機械に詳しい人は知らないらしく、わからないと答える。レイは少しうつ向くが、すぐに顔をあげて
レイ「ありがと、他の人にも聞いてみるよ」
と言って、宿屋から出て行った
「機械に詳しい人?知らねーな…」
「機械に詳しい人かぁ……残念だけど、知らないかな。ごめんね?」
「んー…そんな人、僕は知らないなぁ……」
町にいる住民に、片っ端から機械に詳しい人がこの町いるかと聞く。………だが、全員知らないと答えるばかりで、なかなか見つからない……
レイ「……はぁ……………」
路地裏に着いたレイは、表通りにいる住民達を見た後軽くため息を吐いた。
レイ「…もしシグナが直らなかったら、どうしよう………」
1人暗い顔で呟く。その時、シグナと過ごしてきた記憶を思い出す
レイ「…そういえば、施設にいた頃………シグナによく八つ当たりしたっけ………何で、あんなことやったんだろ…悪いのは、施設の奴等なのに…」
シグナは自分のために、いろんなことをしてくれた。施設にいた時は、世話してくれた…外へ出る手伝いもしてくれて、途中で倒れた自分を町の医者のところまで運んでくれた……自分が普通じゃないって言った時、優しい笑顔で励ましてくれた………それに、熊に襲われそうになった自分を庇った……シグナがいなかったら、きっと…外にも出られず、何もできなかっただろう…それなのに、何で悪態ばかりついていたんだろうと………後悔していた
レイ「……早く直してあげないと……ここに詳しい人がいないなら、いても無駄だ。ここに施設の奴等はいなかったけど、見つかったら大変なことに……とにかく、違う町へ行こう…っ!」
立ち上がって、シグナがいる宿屋へ向かおうとした。すると、後ろから突然声が聞こえた
「そこのボウズ…機械に詳しい奴を、探しとるのか?」
レイ「え…」
後ろを振り返ると、そこには……作業着姿の老人と、その助手と思われる女性がそこにいた
つづく
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