朝食を食べ終えた二人。レイは、窓の外を見ている…………
レイ「…そろそろ、出た方がいいかもね……」
外を見ながらシグナに伝える。町で気絶させた研究員に気づいて、こちらへ向かってきているかもしれないからだ
シグナ「はい……ここにある食料は持っていきましょう。」
レイ「うん…」
その建物の中にある袋に、食料を積める。積め終わると、シグナはそっと扉を開けて外の様子を伺う
シグナ「…まだ追ってきてない様子です。今のうちに行きましょう」
レイ「うん、わかった…」
外に出て、走り出す。昨日いた町とは、別の方向へ…
鋼色の空の下を、二人は走り続けた
森の深いところまで来た二人。木の近くに座って休んでいる……
シグナ「…出口は、少し走れば着きますね……」
レイ「……ねぇ…シグナ……」
少しうつ向いて、名前を呼ぶレイ。シグナは振り返って
シグナ「どうしたのですか、レイ…」
レイ「………ボクって、普通じゃないよね…」
シグナ「え………」
レイ「体からはチェーンとか銃口は出るし…皮膚を鉄に変えられるし……あの町にいた奴等は、そんなことできないだろ…?」
シグナ「はい…ですが、何故そのようなことを……」
レイ「怖いんだ……」
シグナ「…………」
レイは、うつ向いたまま話続ける
レイ「これから外で暮らしていくなら……もしボクの体からチェーンとか出たら……他の奴等が、ボクをどんな目で見るか……考えただけで、怖いんだ…」
シグナ「レイ…………」
レイ「ボクがこんなのだから…っ………ずっと、空が鋼色のままなのかな………」
泣いている声で話すレイ。するとシグナは、そっとレイを抱いて
シグナ「大丈夫ですよ、レイ。この世界に、普通の人間はいません………それに、レイが普通じゃなければ、私も普通ではありません」
レイ「シグナ………」
シグナ「空が鋼色なのは、天候が悪いからですよ……いつか、青い空を見れる日が来ます」
レイ「…っ……本当…?」
涙を流しながら、シグナを見上げるレイ。シグナは、優しい笑みを浮かべる。
シグナ「はい、本当です。ですから、その時は…二人で見ましょう」
レイは涙を拭いて、笑顔になり
レイ「…うん!」
と言った
この時、レイの後ろにいる「何か」の気配に気づいたシグナ。ゆっくり、上を見上げる……
熊がいる
シグナ「…!」
レイ「…どうしたの、シグナ…?」
シグナの様子がおかしいことに気づくが、後ろに熊がいることは気づいてない。
熊が手を振り上げ、レイを爪で斬ろうとしている……
シグナ「危ないっ!」
シグナは、前に出た
熊に引っ掛かれたシグナは、倒れてしまう……
レイ「…シグナ………?」
倒れているシグナの名前を呼ぶが、返事が返ってこない……
熊「グオオオォォォォォ!!」
今度こそレイに攻撃しようと手を振り上げる熊。レイはその熊を睨み、手を前に出す
ドォンッ!!!
ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!
ドサッ
レイの掌からは銃口が出ていて、銃口からは煙が出ている………撃たれた熊は、真っ赤な血を流して倒れている
掌の銃口が消えて、シグナを再び見る
レイ「シグナ…ねぇ、シグナ…!起きてよ…ねぇ…っ…!」
今にも泣き出しそうな顔で、シグナの体を揺するレイ。シグナは、反応がない……
レイ「どうしよう………ボクは…どうしたら…………」
静かに涙を流してるレイ。どうすればいいかわからない……シグナは
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