第6話




レイ「研究員……何でここに…っ!」
シグナ「…おそらく、私達が逃げたことに気づいたのでしょう。それで、施設から一番近いこの町で、探しているのでしょう」

レイ「…ボク等を連れ戻すためか?」
窓から離れて、シグナの方を向いて話すレイ

シグナ「それもありますが、情報を漏らさないためでしょう……あの施設は、表では身寄りのない子供を預かる施設とされてます。ですから、私達が情報を広めないために捕らえる…」
相変わらず無表情のまま話すシグナ。

レイ「捕まってたまるか!じゃあ、あの施設の情報を広めてやる…!」
シグナ「それはいけません」
レイ「何故だ!」

シグナが軽く窓の外を見た後、レイの方へと向き直り。


シグナ「…とりあえず、ここから離れましょう。ここにいては、見つかるのが時間の問題です」
レイ「………わかったよ」

1階に降りて、受付にお金を払う


シグナ「すみません、裏口はどこですか?」
受付「え、えっと……あちらですけど………?」
シグナ「ありがとうございます」
受付が不思議そうな顔をしているが、気にせず裏口へ走る二人。裏口をそっと開けて、外の様子を見る………どうやら、研究員はいないようだ


レイ「行こうか…」
二人とも進む。慎重に…………途中何度か研究員を見かけるが、こちらには気づいていない様子だ。


シグナ「もうすぐ出口です……レイ、町から出れば走りますが、大丈夫ですか?」
レイ「大丈夫だよ、これくらい。」
そう言って、角を曲がると…





















研究員に見つかってしまう

レイ「…ッ!!」

研究員「や、やぁ、レイ君。何してるのかな?施設のみんなも心配してるよ?だから、一緒帰…」
レイ「ハァッ!!」

ゴッ

研究員「うっ…!?」
ドサッ


レイが足を鉄に変えて、研究員の頭に踵落としをしたため、研究員は倒れる。

レイ「…よし、もう出口は近い。走っていこう!」
シグナ「はい!」
レイは足を元に戻して、二人は出口へ走り出口から出た。町から出ても、二人は走り続けてる……………レイが何気なく空を見た


レイ「…今日も…鋼色…」
鋼色の空を見て呟いた。そしてまた前を向いて走り続ける…………


















どれくらい走ったかはわからない……二人は、森の中にある小屋の前にいた

レイ「はぁ…はぁ…………っ…」
シグナ「…レイ、この小屋で休みましょう。」
息を切らしているレイに、小屋を指差す

レイ「はぁ…っ…そう、だね…っ……」
まだ息を切らしているレイは頷く。シグナは扉をそっと開けて、中を確認する……誰もいないみたいだ。

シグナ「大丈夫ですよ、入ってください」
レイ「うん……」
二人は、小屋に入った。中は、最近まで使われていたという感じだ……食料もある

シグナ「旅人用の小屋という感じでしょうか…食料も調理器具も揃ってますね」
クウゥゥ………

レイ「…………」
レイの腹の音が鳴る。シグナはレイの方を見て、レイは少し顔を赤くして目を逸らす

シグナ「…朝食はまだでしたね、朝食にしましょうか」
クスッと笑っているシグナが、朝食の準備に取りかかる。レイはそんなシグナを見て

レイ「…やっぱり、変わったな…」
と、呟いた。

シグナ「…?どうかしましたか?」
レイの視線に気づいたのか、振り返って不思議そうな顔で聞く。

レイ「べ、別に!なんでも、ないよ」
顔を逸らして喋る。

シグナ「そうですか…?」
まだ不思議そうな顔をしていたが、朝食作りを再開する


数分して、朝食が完成する。
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