7









渡辺の方に誰かが手を置き、渡辺は笑顔で振り返った。だがそこにいたのは生徒ではなく、猿がいた。猿の表情はいつも笑っており、何か考えてるわけでもなく…ただ不気味にニタニタと笑っていた。

渡辺「…………」

頭では猿とわかっていた。だが、体が動くのは少し遅かった…


バチチチチィッ!!

渡辺「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」
猿に雷を当てられる渡辺。先程まで歓喜の声をあげていた生徒達は、声をあげるのを止めて渡辺の方を見る………そして、黒焦げた物体……渡辺だった物が床に落ちて散る。猿はその物体から、生徒達の方を向く。








「…あ…ああぁぁぁぁ!!」
「さ、猿だ!!なんでここにぃっ!?」
「いやぁぁぁぁ!!」
「来るなぁっ!!こっちに来るなぁっ!!!」

生徒達は悲鳴をあげながら、自分達で閉鎖した体育館の中に散らばる。猿は近くにいる生徒を捕まえては、雷を当てて黒焦げた物体に変えていく。

岩崎「どうするの、生徒会長!?」
浜野「会長!!指示をください!!」
生徒会長の近くにいる生徒が、どうするのかを聞いてくる。

楓「え、えっと……」
岩崎「会長!!」
楓「わかってる、今考えてるの!!」
それを言った直後、2階の窓ガラスが割れる音が聞こえる。全員その方向を向くと…
















祐也が割れた窓から外に出るのが見える。


楓「…あ、あれよ!みんな、隙を見て2階から逃げるのよ!!」
逃げてる生徒全員に叫んで伝える生徒会長。それを聞いた生徒達は、雪崩のように2階へ上がる用の梯子へ。猿もその生徒達の方へと走る






京也「オラァッ!!」
後ろから、猿の頭を木刀で殴る京也。猿は倒れるがすぐに立ち上がり、京也の方を見る

京也「俺が相手だ、かかってきやがれ猿野郎!!」
木刀を構えて叫ぶ京也の方へ、猿が走っていく。猿の横から、優が木刀で猿を殴る。


優「京也、手伝うよ!」
京也「サンキュー、マイベストフレンドォッ!」

優達が猿の相手をしている間、生徒達は祐也が割った窓から外へ逃げていく。残っている生徒は、優、京也、加奈子、楓、岩崎だ


優「みんな、もう逃げよう!!他のみんなは無事に逃げられたみたいだ!」
京也「おう!!」
全員梯子の方へ走り、少し速く梯子を上っていく。猿も上ろうとしてきたため、京也が木刀で叩き落とし、梯子を近くにある物で封鎖する

楓「外には、麒麟と狼がいるわ!気を付けましょう!」
岩崎「はい!」
全員祐也が割った窓から外へ逃げていく。猿は追ってきてないようだ……

加奈子「あたしは1階に降りる」
岩崎「あ、私も!」
二人は1階の渡り廊下の屋根から1階に降りる。

優「気を付けてね!」
加奈子「アンタ等もね」

それだけ言うと、加奈子と岩崎は走っていく

京也「俺はこっから第3校舎に逃げ込むぜ!」
走りながら二人に伝える京也

楓「じゃあ、私達は第2校舎に逃げるわ!気を付けてね!」
京也「おう!」
京也は少し高い屋根を登って右へ曲がり、渡り廊下の屋根を走りながら第3校舎の窓に向かって走る。


楓「じゃあ、私達も行きましょう!」
優「うん!」










その頃加奈子達は、第1校舎近くまで逃げてきてる

岩崎「はぁ…はぁ………追って、きてませんよね…っ?」
息を切らしながら、窓の近くで止まる岩崎が、加奈子に聞く


加奈子「多分ね…京也が梯子を封鎖したから、猿は来ないと思うね…あとは、今麒麟と狼がどこにいるかがわかればいいんだけど…」

生徒達の悲鳴は聞こえる
[3]次へ
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想
まろやか投稿小説 Ver1.53c