シグナ「…レイ……?」
倒れたレイを見てるシグナ。近づいて見ると、レイの顔が赤い。
シグナ「…熱がありますね…ぶり返したのでしょうか」
レイ「はぁ…はぁ………」
シグナ「このままにしてはいけません…お医者様がいるところへ…」
シグナはレイをおぶって走り出す。
森の中をずっと走っていると、町が見えてくる
シグナ「あそこにいけば…お医者様がいるはずです」
そう言ってまた走り出す
レイ「……」
少し目を開けると、シグナが見える。ぼやけてわからないが、いつもの無表情と違うような表情をしていた気がする………
そして、また眠った
レイ「………………」
目が覚めると、見慣れない天井が見える
レイ「ここは……………」
シグナ「あ、目が覚めましたか」
シグナが隣に座っていた。
シグナ「ここは町の病院です、レイは途中熱がぶり返して倒れました」
レイ「そっか…………お前が、運んだのか?」
シグナ「はい」
レイ「………そう………ありがと…」
最後の方は小さく言ったレイ。すると、何やら水滴が落ちる音が聞こえる
レイ「……お前…………」
シグナ「え………?」
シグナの目から、水が………涙が流れている
レイ「泣いてるの……?」
シグナ「泣いてる……?私達アンドロイドは、感情がありません。泣くというような行動は、あり得ません……」
相変わらずの無表情で、その涙を拭くシグナ
シグナ「また、メンテナンスします」
レイ「…うん………」
レイ「そういえば、お金の方は?」
シグナ「それは、施設から持ってきました。ですが、何かの職を手にする予定ですよ?」
レイ「そっか……僕もやるよ、二人でできる職を探そう」
少し明るい表情をするシグナ
シグナ「はい、探しましょう」
レイ「うん……ねぇ、何か読んでよ?
シグナ「はい、わかりました」
本棚から本を探す。そして、ある本を持ってくる
レイ「何の本なの?」
シグナ「聖書グリモアについての本です」
レイ「聖書グリモア?」
聞いたことのない書物なため、少し首をかしげる
シグナ「聖書グリモアとは、世界のどこかに存在する聖書です。その聖書を手にした者の願いを1つ叶えてくれるとか」
レイ「へぇ……でも、そんなの誰かが手に入れてるだろ?」
シグナ「それが、その聖書グリモアを守る英霊がいるそうです……そのため、誰も手にできないとか」
レイ「ふーん…………」
シグナ「レイはこの聖書を手にしたら、どんな願いを?」
レイ「そうだね……」
ある願いを思い付くが、流石にシグナの前では言えないと思い
レイ「特にないよ…シグナは?」
シグナ「私ですか?私は………
人間になりたいです」
つづく
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