レイ「…シグナ…僕…………」
決心したような顔でシグナを見る
シグナ「………」
レイ「僕は…………外の世界に出るよ」
シグナにそう伝える。シグナは表情を変えずに
シグナ「それはダメです、レイはこの施設にいないといけません」
レイ「嫌だね、どうせ貴重な実験材料がいなくなるとかだろ……僕は、そんなのに従わないよ」
時計をチラッと見ると、10時45分を指している
シグナ「ですが、従わないと罰を与えられますよ?レイもそのことは知っているでしょう?」
レイ「なら、外に出て見つからないようにするまでだね。だいたいお前は、僕のアンドロイドだろ……あんな奴等に従う前に、僕に従え」
シグナ「ですが……レイはまだ体調が優れてないのでは…」
少しうつ向くシグナ
レイ「もう治ったからいい、何も問題ないだろ?」
シグナ「………………」
まだうつ向いたままだ。するとレイは
レイ「いいよ、僕一人で外にいくから。お前はこのことを密告せず、僕が遠くに逃げるまで時間稼ぎでもしてろ」
立ち上がって、隠しておいたリュックを背負う。するとシグナも立ち
シグナ「待ってください………私も行きます」
レイ「…………なんだ、お前も来るのか…まぁいいや。じゃあ、僕が考えた計画を話すよ」
シグナの方を向いて、ここから脱出する計画を話す
シグナ「……了解しました」
レイ「よし………もう11時だな。行くよ」
二人は部屋から出る。集会があるため、研究員は誰もいない
レイ「よし、誰もいないな……行こう」
二人は出口を目指す。向かってる途中、他の実験材料の子供も見かけたが見つからないように移動する。そして、出口のところまで来た
レイ「…見張りがいるな……前はいなかったのに」
壁から少し覗いて見張りの研究員を見てるレイ。するとシグナが
シグナ「私に任せてください」
と言って、研究員のところに向かう。何か話している
レイ「何を話してるんだ…?」
すると研究員が走ってどこかへ行く。シグナはレイの方を向いて手招きをしてるため、レイはシグナの元へ
レイ「何を話してたんだ?」
シグナ「上の方が、あの方に重大な話があるという嘘を伝えました」
レイ「そう、まぁいいや……でもこの扉、ロックされてるな……叩き斬るかな」
レイの足からチェーンが現れる。実験や様々なことをされたため、体からチェーンや刃、剣等を出せる
シグナ「それでは気づかれてしまいます」
そう言ってパスワード入力のところまで歩き、パスワードを入力すると扉が開く
レイ「なんだ、パスワード入力できるのか…早く出るよ!」
二人は外に出る
レイ「……………」
レイは走りながら上を見る。空の色は、白に近い……鋼色だった
シグナ「レイ、上を見ながら進むと危ないですよ」
レイ「わ、わかってるよそんなの。」
再び前を向いて走り出す。ずっと走って、走って……………
レイ「はぁ…はぁ…………」
シグナ「…もうここまで逃げれば、大丈夫でしょう」
シグナが止まるとレイも止まる。レイは息切れをしていて
シグナ「大丈夫ですか?レイ」
レイ「うるさい…大丈夫に……決まってるだろ…」
シグナ「ですが、体力を大幅に消費してるようですが」
レイ「うる…さい……!大丈…だ…………て……」
ドサッ
シグナ「…レイ?」
つづく
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