第3話

レイ「…シグナ…僕…………」
決心したような顔でシグナを見る


シグナ「………」
レイ「僕は…………外の世界に出るよ」
シグナにそう伝える。シグナは表情を変えずに

シグナ「それはダメです、レイはこの施設にいないといけません」
レイ「嫌だね、どうせ貴重な実験材料がいなくなるとかだろ……僕は、そんなのに従わないよ」
時計をチラッと見ると、10時45分を指している

シグナ「ですが、従わないと罰を与えられますよ?レイもそのことは知っているでしょう?」
レイ「なら、外に出て見つからないようにするまでだね。だいたいお前は、僕のアンドロイドだろ……あんな奴等に従う前に、僕に従え」
シグナ「ですが……レイはまだ体調が優れてないのでは…」
少しうつ向くシグナ

レイ「もう治ったからいい、何も問題ないだろ?」
シグナ「………………」
まだうつ向いたままだ。するとレイは


レイ「いいよ、僕一人で外にいくから。お前はこのことを密告せず、僕が遠くに逃げるまで時間稼ぎでもしてろ」
立ち上がって、隠しておいたリュックを背負う。するとシグナも立ち


シグナ「待ってください………私も行きます」
レイ「…………なんだ、お前も来るのか…まぁいいや。じゃあ、僕が考えた計画を話すよ」
シグナの方を向いて、ここから脱出する計画を話す




シグナ「……了解しました」
レイ「よし………もう11時だな。行くよ」
二人は部屋から出る。集会があるため、研究員は誰もいない

レイ「よし、誰もいないな……行こう」
二人は出口を目指す。向かってる途中、他の実験材料の子供も見かけたが見つからないように移動する。そして、出口のところまで来た


レイ「…見張りがいるな……前はいなかったのに」
壁から少し覗いて見張りの研究員を見てるレイ。するとシグナが

シグナ「私に任せてください」
と言って、研究員のところに向かう。何か話している


レイ「何を話してるんだ…?」
すると研究員が走ってどこかへ行く。シグナはレイの方を向いて手招きをしてるため、レイはシグナの元へ

レイ「何を話してたんだ?」
シグナ「上の方が、あの方に重大な話があるという嘘を伝えました」
レイ「そう、まぁいいや……でもこの扉、ロックされてるな……叩き斬るかな」
レイの足からチェーンが現れる。実験や様々なことをされたため、体からチェーンや刃、剣等を出せる


シグナ「それでは気づかれてしまいます」
そう言ってパスワード入力のところまで歩き、パスワードを入力すると扉が開く

レイ「なんだ、パスワード入力できるのか…早く出るよ!」
二人は外に出る

レイ「……………」
レイは走りながら上を見る。空の色は、白に近い……鋼色だった


シグナ「レイ、上を見ながら進むと危ないですよ」
レイ「わ、わかってるよそんなの。」
再び前を向いて走り出す。ずっと走って、走って……………




レイ「はぁ…はぁ…………」
シグナ「…もうここまで逃げれば、大丈夫でしょう」
シグナが止まるとレイも止まる。レイは息切れをしていて


シグナ「大丈夫ですか?レイ」
レイ「うるさい…大丈夫に……決まってるだろ…」
シグナ「ですが、体力を大幅に消費してるようですが」
レイ「うる…さい……!大丈…だ…………て……」
ドサッ





シグナ「…レイ?」







つづく
15/01/11 00:12更新 / 青猫

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